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公共組織支援メールニュース 2013年12月

もらってうれしい「お年玉」

 今年もあとわずかとなりました。みなさんの職場では、いつも新年をどのように迎えていらっしゃいますか。その昔、初出勤は着物で、ということが慣例になっていた会社もありましたが、最近ではそんな光景は見受けられなくなりました。虚礼廃止やIT化により年賀状のやりとりも少なくなった気がします。それでも、やはり一年の節目ですから、ピンと背筋を伸ばして挨拶し、お互いに気持ちよくスタートしたいものです。そこで今回は、私たちスコラ・コンサルトの「お年玉」企画をご紹介したいと思います。これは社内で実施しているものですが、今年でかれこれ4年目を迎える継続企画です。

 そのお年玉は、ちゃんとポチ袋に入っています。でも、中に入っているものは、お金ではありません。職場の同僚が自分に対して書いてくれた「ここが良かった!」というフィードバックメッセージ集です。
  「みんな一生懸命働いているのに、それぞれが忙しく仕事をしていると、お互いの関わりが薄くなっているんじゃないかな。ときどき何だか冷たい空気が流れているように感じてしまう。もっと温かく互いの頑張りを尊び合えるといいのに・・・」。この企画は、ある一人の社員がこんな思いを抱いたところから始まったものでした。

 メッセージに書く中身は、仕事の中で「あのときとても助かった、ありがとう!!」「こんなときに○○さんの今年の成長を感じたよ」「○○さんのこういうところが強みだね!」「ああいう仕事のし方、いいなって思う」 など。お互いの、仕事における成長や強みを伝え合い、新しい年の活躍につなげることがねらいです。
  「頑張って!」「もうちょっとこうしたらいいと思う」などの励ましやアドバイスは禁止。「○○さんは、いつも明るく元気ですね」といった一般的な人柄評価も避けてほしいとの注意事項があります。

 この社員の思いと働きかけに共感するメンバーが集まって世話役となり、企画が実行されるようになりました。年初に配る「お年玉」の準備は、12月後半から始まります。30名ほどいる社員全員にメールで案内と様式が配信され、メッセージを入力して返信します。それを人ごとにデータ集約し、印刷して一人ずつ切り取り、おみくじのような短冊状に折りたたみ、「お年玉」袋に詰めておきます。
  「お年玉」は、年度初めの全体会議後に一人ずつ配られますが、このときはワクワク、ドキドキ、みんなの顔がほころびます。「ほめ言葉のシャワーを浴びて、とてもうれしかった!」「自分らしくいることが、素敵に感じられました」「日頃心がけている些細なことにも気づいてくれる人がいた」との反響が多くあり、その後毎年の恒例行事となりました。

 そして、新しいことはやってみて気づくことが多くあるものです。
・書こうと思っても、その人がどんな仕事をしているのか、よくわからないと書けなかった。
・相手のことを書いているようで、実は自分がどんなふうに人を見ているか、人を見る力の差が顕れる。
・仕事面はその人の背景にある価値観や資質にもつながっているもの。切り分けてとらえることはむずかしい。
・お客様やメンバーから仕事を受けてやる立場の人については、何が強みかを自分も人も見つけにくいものである。

 そこで、毎年メッセージの書き方、対象者の選び方など、少しずつ改善をし続けてトライしています。今年は通常の「お年玉」の記入を始める前に、一人ひとりの「私の価値観」と「2014年やりたいこと」をヒアリングして、知り合うデータベースを用意しました。
 お互いが「respect」し合うためには「その人が、なぜそう思うのか」のベースにある価値観から知り合うことが重要だからです。

 それでも、単に「仲良しになるため」にではなく、「いい仕事仲間になるため」には、「お年玉」企画で事足りるわけではありません。深く知り合うことは、より高く飛ぶ前に低くしゃがむ行為に似ています。よい面を伝え合うだけでなく、欠けている面、新たに挑戦していく必要があることにいかにきちんと向き合えるのか、その先の関係づくりにつなげていくことが今後の課題になってきます。
 次のステップに進めていくために、社内では年末から年始にかけてこの「お年玉」企画とは別に、トップの出したメッセージをもとに背景を知り、考え、話し合うために「これからのスコラ・コンサルトについて議論する場」を設けました。毎週全国各地のお客様のところに行き、予定が異なるメンバーが多いため小グループで場は幾度か分けて設定し、メンバーが参加できる回を選択する方式です。
 まだまだ現在進行形ですが、一人ひとりの強みを引き出し、認め合い、生かし合える仲間との関係づくりを大切に、新しい年がまた新しい人と出会い、つながりを深め、チャレンジできる年となりますように。皆さまもどうぞよい年をお迎えくださいませ。 

プロセスデザイナー/行政経営デザイナー 元吉 由紀子

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