Impressions 読者の感想

どうすれば役所は変われるのか ‐スコラ式風土改革

著者:元吉 由紀子     発行:日本経済新聞出版社(2007年)  価格:1,800円(税別)

感想

2014/09/07

都内関係団体 研修企画担当

お世話になっております。
先生の著書「どうすれば役所は変われるのか」につきまして、 率直な感想を述べさせていただきます。 (箇条書きで失礼します。率直な感想ですので内容につきましても、どうぞご容赦ください。)

・私自身に、改革的な業務の経験がないため、本に登場される自治体職員の方たちは、 ものすごいエネルギッシュな方たちだなと、ただただ感心させられました。  
 三重県や横浜市などでも、登場部署の全ての方々が改革に本気だったわけではないかもしれませんが、 首長、自治体職員、周辺の関係団体、住民など、全体の機運が調和し盛り上がらないと、 なかなか成功するものではないのではないでしょうか。

・課題の解決には、ハード面(制度、仕組み、システム)だけでなく、ソフト面(人と人との関わり方、 仕事のやり方を変えていく組織の風土・体質)へのアプローチが大切とのお考え。これについては、 なるほどなあと思いました。恥ずかしながら、私は初めてこのような視点があることを教えていただきました。 最初に先生とお電話で話した際におっしゃっていただいた時にもご説明いただきましたが、 私にとってとても新鮮味がある内容でした。
 一過性のもので終わらせず、改善の流れを定着させるためには、非常に重要なアプローチであると思うとともに、 チャレンジ精神旺盛に、かつ、相当粘り強く進める決意がないと改革を成功させることはいうまでもなく、 改革のプロセスを進めること自体も難しいだろうなあと思いました。

・また、改革を進めるに当たっては、「何のためにやっているのか」、「何を目指しているのか」について、 判断基準を持つことが大切であるとのこと。これはその通りだよなあ、と思いました。
 しかし、現実には、あいまいな判断基準の元に業務を進めていることが多いように思え、自らも反省させられました。

・気楽にまじめな話をする場「オフサイトミーティング」の存在も知りませんでした。特に、「一人称」で語る、 というのはすごく良いなあと感じました。自分の職場でも、みんな忙しそうにしていて、なかなか、その人の家庭環境、 職場経歴、人生経験、信条などを伺い知れるチャンスは皆無に等しいです。
 一方で、実際に自分が参加することを想定すると、相当な動機づけがないと参加するには至らないかもしれないとも思いました。 (自分は控目な性格で、どちらかというと周囲に対しオープンなタイプではないこともあるかもしれませんが。)

・行政の職場が改革的にならない背景に関して。
 行政組織の特徴として、困難な壁にぶつかった場合にも、既存の法律や制度の範囲内で 調整することに専念して、今の制約要件や仕組みを変える発想で行動する人間が少ない、など・・・ ・全体を読ませていただいて、多数、自分の学びとなった箇所がありました。
(以下に一部抜粋しました。)
   ・ミスや失敗を許容するマネジメントの基盤づくりが重要
    ・人はみずからやろうとしたことであれば、失敗した原因を真剣に探り、改善策を考え抜いて身につける。
   ・「やればできる」ということを体感しなければ、人は「みずからやってみよう」という気にはならない。
   ・「改革力」が日常の業務領域の中でも求められてきている。事件や災害における非日常の対応力を日常から訓練しておかなければならない。
   ・首長の本気を知らせるには、繰り返し伝えることが必要。
   ・支店長の「愛する仲間」へのメッセージ⇒支店長が身近な存在になり、また、仕事上の判断基準を共有することが可能となったとのこと。この話にはすごく感心させられました。
   ・(トップなど)に関して、少しでも身近に感じられるようなことがあると、人は相手の方向にアンテナを立て、理解しようとし始める。
   ・職員の間でどれだけ気持ちを交わし合い、言葉にできるかが、やりがいのある職場のベースになる。
                                                           などなど・・・

  本を読み進めている際、上記のような内容に刺激を受け、また、内容によっては自分の心に響く(感動に近い感情です。)のが良く分かりました。

☆非常にまとまりのない感想で大変恐縮ですが、記憶が鮮明なうちにと思い、メールさせていただきました。
 全体的な感想としましては、今、自分の職場で「改革」の要素を含んだ業務に従事していないこと等もあり、自分に身近な 話題として感じられない部分もありました。
 一方で、各論としましては、非常に刺激となった箇所が多数あり、正直申しまして、大変読み応えのある内容のこの本を 読んでみて良かったです。
 先日、先生にもメールでおっしゃっていただいたように、東京都に、事例が当てはまらない場合があるかもしれません。 今後先生にもご相談させていただきながら、研修テーマを絞っていく所存です。
  今、2冊目の先生の著書「期待される役所へ」を読み始めた所です。後日感想を述べさせていただきますので、 どうぞよろしくお願い申し上げます。 

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