変化に素早く柔軟に、最適解を創り出す “自己進化力”を持つ自治体になる
私たち「行政経営デザインラボ」は、課題が複雑化する行政組織の首長、政策推進者に、行政と企業の組織変革を2軸でコンサルティングした経験を生かし、ハンズオンで寄り添うコンサルティング。 少子高齢化、財政難、災害や感染症など環境変動が激しい中、地域の問題解決と職員の働きがいを両輪で高めつつ、時代に応じた地域の魅力を協創できる自治体の組織開発力を支援します。
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2026.08.24
コラム「今、自治体に必要なもの ~「自治体NEXT」に参加してあらためて考える~」を掲載しました!
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2026.04.04
コラム「『自治体NEXT其5 人材不足時代の今、学校と教育委員会が 連携して学校教育を推進するためには』のふり返り」を掲載しました!
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2026.02.27
コラム「パラダイム転換期に組織変革をリードする5つのポイント」を掲載しました!
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2025.12.24
コラム「企業支援している私が行政の職員と関わって感じたこと」を掲載しました!
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2025.10.17
コラム「笑顔いっぱいのまちづくりに向けた市役所の組織改革(後編) ~滑川市行政経営システムの策定・定着に向けた歩み~」を掲載しました!
Service サービス
行政経営デザインラボではコンサルティングやセミナー、講演などさまざまなサービスを用意しています
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はじめてのご相談なら
職員は皆一生懸命働いているのに、うまく噛み合っていない。いろいろ手を打っているが、疲弊するばかり。そんな組織の状態にお困りなら、まずはご連絡下さい。現状を共有、ふり返りながら隠れた問題の根っこを探索するところからご相談に応じます。
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首長向け政策企画・推進
コンサルティング首長の政策意志は、うまく行政計画に反映できているか。首長の任期に応じた経営改革の進捗プロセスをデザインし、首長と職員・行政組織、地域が連携・協創する行政経営システムマネジメントを伴走支援します。
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人事担当・企画推進担当向け コンサルティング
時代の変化に応じた政策を推進するには、常に改善・改革・革新を自律的に生み出していける人材が必要です。組織に風穴を開け、連携して課題を解決していける管理職と次世代リーダー職員を実践学習を通じて育て、増やすしていきます。
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セミナー
「地域のために役に立ちたい」との志望動機を持って入庁しても、目先の法律事務をこなす手段を目的化した仕事のやり方に陥りがちです。オープンなセミナーでは、今何のため何をすべきかを見出していくそんな公務員のセルフマネジメント力を磨く機会を提供しています。
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講演依頼
誰一人取り残さない。公務員が持てる力を最大限発揮して、仕事をよりよくできるようになることは、税金をムダにしないことを意味しています。常に時代に応じた新しい仕事の価値を生み出していくためには、ために、階層や部門、組織を越えて連携できるアジャイルな組織づくりが求められています。
講演テーマ
「期待される役所へ~トップダウンとボトムアップを連携して全員参画経営に」「どうすれば役所は変われるのか」「リーダーシップとスポンサーシップ、革新を生み出す組織づくり」など -
公務員のネットワーク、交流会
想定外の危機においてもセイフティネットとなる地域を越えた公務員のネットワークづくりを運営・支援。2000年から「公務員の組織風土改革世話人交流会」、2009年から経営幹部向け「参謀交流会」を開催、2013年から「自治体改善マネジメント研究会」、2020年から「公務員のオフサイトミーティング活用セミナー」を開催。
Voice 支援実績・実践者の声
Consulting コンサルティング
組織と地域のダブルループを統合した「行政経営システム」としてマネジメントする。
私たち「行政経営デザインラボ」は、行政組織が外向きの「地域経営」と内向きの「行政組織経営」をうまく連結しながら
一環した「行政経営システム」として機能できるよう支援します。
政策過程を行政経営システムとしてとらえ直すと、地域全体として総合計画の基本構想にある長期の市の将来像(ビジョン)向けて中期の計画を策定し、年度の結果をもとに計画を見直していく「地域経営を支えるPDSのマネジメントサイクル」と、それを年度の施政方針に落とし込み、年度内に確実に実行に移し、成果を出していく「行政組織経営を支えるPDCAのマネジメントサイクル」から構成されています。
経営システムの問題と課題は、それぞれのマネジメントサイクルに分けてとらえると解決策を導きやすくなります。
Book・Academic Activities 書籍・共同研究・学会発表
組織と地域のダブルループを統合した「行政経営システム」としてマネジメントする。
私たち「行政経営デザインラボ」は、行政組織が外向きの「地域経営」と内向きの「行政組織経営」をうまく連結しながら
一環した「行政経営システム」として機能できるよう支援します。
Column コラム
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今、自治体に必要なもの ~「自治体NEXT」に参加してあらためて考える~
2026.08.24
NPO法人自治体改善マネジメント研究会が昨年度から開催している「自治体NEXT」に登壇する機会をいただき、計3回にわたり話題提供をさせていただいた。3月が「自治体経営改革~PDCAサイクルを機能させる 取り組み~」、5月が「自治体の人材確保最前線と未来への挑戦」、そして 7月が「地方自治体における官民連携の現状と課題」である。私が副市長として 悩みながら取り組んでいる内容を紹介し、参加者の皆さんと意見交換を行った。これら3回のテーマは一見異なる内容に見えるが、実は自治体経営としての 「共通項」があると考えている。 ▼「自治体NEXT」に関する情報はこちら https://jichitai-kaizen.net/topics2/topics2-3 自治体を取り巻く6つの環境変化 あらためて、今日の自治体を取り巻く環境の変化をまとめると、 主に次の6点だといわれている。 (1)人口動態の変化(総人口・生産年齢人口の減少、超高齢社会の到来) (2)財政・インフラ関係の厳しさ(義務的経費の高止まりによる財政の硬直化、 公共施設・インフラの老朽化) (3)デジタル技術の急速な進展(情報システムの標準化とクラウド化、 生成AIの業務活用、情報セキュリティリスクの高まり) (4)自然環境の変化とリスクの増大(気象災害の激甚化・頻発化) (5)住民ニーズの多様化と地域コミュニティの変化(地域コミュニティの希薄化) (6)自治体組織と働き方の変化(人材確保の困難化、職員定数の適正化、 働き方改革と職場環境の改善) どれも悩ましい課題だが、すべての自治体が直面しており、逃げずに正面から向き合わなければならない。どの課題も、私たちが 昭和から平成、令和と培ってきた経験値だけで乗り切れるものではなく、逆に過去の経験則が邪魔になるケースすらあるかもしれない。ましてや、じっとしていても誰も助けてはくれない。 では、どうすればいいのか。特効薬も処方箋もない中で、トライ&エラーを 繰り返しながら前に進むしかない。そして、その推進力となるキーファクターが、 3つのテーマの共通項でもある「現場力」と「地域愛」である。 【経営改革】 現場でのPDCAと全体最適を図る舵取り まず、「現場力」の向上は極めて重要な要素だ。3月に話題提供した経営改革、すなわちPDCAサイクルを機能させる取り組みは、決して経営層や幹部層、 ミドルマネージャーだけのものではない。住民と対峙している現場でこそ PDCAサイクルを機能させることが最大の目標である。行政サービスの最前線で踏ん張る職員が自ら事業を振り返り、課題を潰しながら改善していく。それを突き動かすのは「地域をよくしたい」という 思いだ。この思いに基づく循環こそが必要であり、これはAIには代替できない、職員の地域に対する情熱によって成せる部分である。 一方、現場でのトライ&エラーをサポートするのがミドルマネージャーや 幹部層の役割だ。部分最適では先述の6つの課題は解決できない。輻輳(ふくそう)する課題を解決するためには、経営層が行政サービスの PDCAを見守りながら、全体最適を目指す舵取りを行う必要がある。この仕組みを自治体に作り出すことこそが、真の経営改革だと私は考えている。 【人材確保】 AI時代に求められる「多様性」と「地域愛」 次に、現場でトライ&エラーに挑み、現場力を高める人材をどう確保するか。これが5月に話題提供した人材確保のテーマである。単に事務処理能力の高い 優秀な人材を確保すればよいという話ではない。定型業務はAIが受け持つ時代が 目の前まで来ている。 では、AIにできない部分は何か。それこそが「地域をよくしたい」という思いや情熱 (地域愛)である。そうした情熱を持つ人材の確保こそが未来への挑戦だ。さらに、現場力を高めるためには「多様性」が求められる。新卒であれば、大学等での学業だけでなく、ボランティアや接客業、クラブ活動での組織運営など、さまざまな経験を求めたい。キャリア採用であれば、多様な職種での現場経験や、 苦しみながら課題を解決した経験を重視したい。 多様な経験と地域への情熱を併せ持つ人材を確保できれば、現場力は間違いなく向上する。行政サービスの現場で、多様な人材が地域愛を持って果敢にトライ&エラーを繰り返す自治体だけが、先の6つの課題を克服する道を 切り拓くことができるはずだ。 【官民連携】 価値を最大化し、住民の思いを反映するモニタリング そして、「現場力」と「地域愛」という共通項は、7月のテーマである官民連携を進めるための基本スタンスにもつながる。 官民連携は単なるコスト削減の手法ではない。現場力を向上させるために、行政だけではできない部分や、知識・技術が不足する部分に民間活力を生かし、行政サービスの価値を最大化する取り組みである。そのためには、 官民が相互尊重の姿勢で信頼関係を築き、その成果としてVFM(バリュー・フォー・マネー)を高めなければならない。 ここで重要になるのが、マーケットで利益追求を目指す民間事業者には欠けがちな「地域をよくしたい」という情熱をどうカバーするかだ。その手法が 「モニタリング」である。モニタリングとは、単に事業が仕様書通りにできているかを監視することではない。 地域への思い、地域をよくしたいという住民の願いを事業に反映させるための仕組みである。そこには当然「地域愛」が必要であり、それを担うのは、地域をよくしたいというマインドを持ち、トライ&エラーを繰り返す ポジティブな自治体職員である。そうした職員が切磋琢磨する自治体は、必ず力強い存在になるだろう。 これら山積する課題を克服するまでには、まだまだ時間がかかる。しかし、このようなチャレンジを通じて組織風土を変える経営改革に取り組み、自治体力の向上に向けてさらなる努力を続けていきたい。
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「自治体NEXT其5 人材不足時代の今、学校と教育委員会が 連携して学校教育を推進するためには」のふり返り
2026.04.03
去る2月6日、自治体NEXTというオンラインイベントのスピーカーを務めた。 「自治体NEXT」は、NPO自治体改善マネジメント研究会で公務員を中心に 自治体の未来を創る「次の一歩」を考える場として隔月1回ほどの頻度で開催している。 元吉さんからスピーカーの打診があったのは9月頃だった。 ちょうど係長になったあたりから仕事もプライベートも忙しく、 自治体マネジメント研究会の活動は遠ざかって久しかったが、特に迷わずOKした。 皆さんに誇れる活動、マネジメントの実績があるわけではないが、最近内向きの活動に終始していたところだったので、自分自身の仕事で 大切にしている事の言語化、客観的分析をする良い機会だと思ったからだ。 悩んだのは、スピーカーとしてお話しするテーマだ。 最初は、昨年度までの8年間担当した地域コミュニティと社会教育、特に住民自治(地域コミュニティ)をテーマにしようかと思った。 これなら話せることが多いし、全国的な事例についても多少は理解があるから。 最終的にテーマを決めたのは12月、現在担当している学校教育について話すことにした。昔の事を振り返るより、これからに向けた機会にしたいと考えたためだ。 結果的に、参加者の満足度よりも自分の納得度を優先した、ということだ。 さて、学校教育をテーマにしたのはいいが何を話そうか。 そもそも業務に関することを外部に発信するのはいかがなものか? 学校教育について話すという事は学校の実情なども話さないとリアルじゃない。 文部科学省が公表している資料、マスコミによる報道等、公表されている事実を中心に、現場のリアルをお伝えする事、具体的に取り組んでいた改善内容、これから取り組みたいことなどを考えるのは予想以上に大変ではあった。 自治体NEXTでお話ししたテーマは「学校と教育委員会が連携して学校教育を推進するためには」。 ・小学校、中学校の実態 ・自治体(教育委員会)の実態 ・県が採用した教員が町立学校で教育を行うという特異性 最初にお話ししたのは、この3つの現状分析。 個人的には、歴史を振り返り、今を理解し、課題を整理する、というプロセスを踏むことが多い。 社会教育や地域コミュニティも同じプロセスで業務を行ってきたし、その前に(地域コミュニティの前に)担当していた政策部門でも手順は同じだ。 次にお話ししたのは、「では具体的にどのように改善していくのか?」だ。 残念だけど、理念だけでは組織は動かない。 自治体も学校のマネジメントも考え自体を変えていかないといけない時代だと、 最近は特に思う。 お話しした内容を端的にまとめると、「サザエさんの (三河屋の)サブちゃんになりましょう」ということだ。 サブちゃんは、各家庭の御用聞きだ。 「醤油が切れちゃったのよ~」とサザエさんが言えば、醤油を届ける。 だんだん「そろそろ醤油が切れるころかな?この時期はこれが欲しいのではないかな?」と、各家庭が困りそうなことを予想して先回りをする。 組織と組織、あるいは地域と行政をつなぐ役回りに求められるのは、サブちゃんのような想像力だ。 当然、サブちゃんだけで街や地域はよくならない。 街や地域の将来ビジョンは必要になるだろう。 ただ、その前提として、未来を考えようという心理状態にしてあげないといけない。 最近は雇用者優位の時代でない。教員も公務員もすぐに辞めていく。 ビジョンや理念だけでは、組織の人は動かない時代だ。 私がお話しさせてもらったのは、組織の素地を作る地道な作業のお話だ。 「私にもできるかも。私たちも理念実現のために頑張ろう」 今回、私がお話ししたのは、そういうチームを作るための作業だ。 さて、今回スピーカーを務めてみて、私自身、なぜ学校教育にハマっているのか 理解できたような気がする。 私が学校教育の前に担当したのは地域コミュニティだが、その前は企画部門を担当した。 要は、まちづくり→地域づくり→人づくりと仕事の内容が変わってきているのだ。 まちづくりも地域づくりも担当しているときに何度も「結局は人なのだ」と思った経験がある。 社会の側から「教育」を見てきた私としては、ようやくたどり着いたのが「学校教育」という現在の業務なのかもしれないと思った。 もう一つの発見があった。 参加者の質問からの発見だ。 私はサブちゃんの役割に加え、組織間の繋がり、影響や効果を可視化することを意識しているようだ。 部署間、組織間での連携が必要な社会を乗り越えるためには大切な事かもしれない。 最後に、このような機会を与えていただいた元吉さん、自治体改善マネジメント研究会に感謝したい。 こんな実績のない、普通のおじさんの私でもスピーカーをやることで得たものがある。 このコラムをご覧いただいている皆さんにも、怖がらずにスピーカーを やってみることをお勧めして終わりにしたい。 ▼「自治体NEXT」第6回の開催報告はこちら https://jichitai-kaizen.net/news/1518 ▼金ヶ崎町HPはこちら https://www.town.kanegasaki.iwate.jp/
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パラダイム転換期に組織変革をリードする5つのポイント
2026.02.27
1月下旬に民間企業の「アジャイル経営カンファレンス2026」に登壇する機会がありました。 自治体経営の支援をしている私に何が話せるのだろうかと案じていたところ、主催者の方から「自治体には種々の制約があるでしょう。その中で取り組まれている変革には、企業の方にとって参考になることがあるはずです」との意向をうかがいました。 アジャイル経営は、常時の経営においても競争力を増す効果につながりますが、今のようなパラダイム転換期には、盛衰を左右する要素と言っても過言ではないのではないでしょうか。自治体であれば2000年前後の地方分権改革の動きがこれに相当すると思われました。 そこで当時をふり返り、首長がいかに組織変革をリードしていたのかについて、 私がとらえたポイントを紹介させていただくことにしました。 1)新しい価値観を基本理念に示し、日々仕事の判断基準とする 三重県で北川正恭知事が就任したのは、地方分権一括法が施行される5年前のことでした。彼はすぐ総合計画の改定に着手して、基本理念に「生活者起点の県政」を明示しました。「真に豊かな生活を求めて努力する一人ひとりの住民」を「生活者」として、「支援していくことを行政の主な目的とする」と定義したのです。 分権時代ならではの価値観を端的に表した理念です。そして知事は、職員にこの理念に則り仕事を見直すよう日々問いかけました。 近年自治体でもMV(ミッション・ビジョン)を設定する動きが出てきています。しかし、その多くが文章を作成する作業に終わってしまっている面は否めません。より大事なことは、それを日々の仕事の適否を見分ける“判断基準”として組織運営の中で活用することにあるのです。 2)「何から何へ変えるのか」、思考の殻を破る行動規範を伝える 大事な価値観を理念として打ち出しても、職員は実際に業務を どのように変えればよいのかまではまだイメージできない状態にあります。 そこで知事は、従来の仕事のやり方から新しい仕事のやり方へどう変えていけばよいのか、BeforeからAfterへ対比する行動規範にしてわかりやすく伝えていました。 例えば、「前例踏襲、横並びではなく、日本初、日本一をやれ」、「ピンチは、チャンスだ」、「あれもこれもから、あれかこれかへ」などです。これらの標語には、過去の思考パターンを打破することと、新しいチャレンジを生み出すことの 二つの要素が含まれています。それゆえ、職員はなぜ変える必要性があるのかを 理解するのと同時に、新しい組織の方向性に向けて一歩踏み出す勇気を持つことができました。 3)対話を通じて一緒に変わる 誰もまだやったことのない未知の課題に取り組むにあたっては、上司も明確な答えを示すことができません。それゆえ、このような先の見えない課題に関して 「会議」を開くと、既存の部署や職位、職務分担に基づく発言が出され、 できない理由のオンパレードになりがちです。これではせっかくやる気を出して問題提起しても、 最初からブレーキがかかり、エンストを起こしてしまうことになるでしょう。 今何が問題かを探り、これから何が課題になるのかを検討する話し合いにおいては、 既存の立場や肩書を外して気楽にまじめな話をする「オフサイトミーティング」の方式で 実施することが有効です。まずは現場の事実・実態をもとにじっくり事情を聴き合い、背景を理解し合うことから始めます。そうすれば同じ目的を持つ仲間として共感し、共に困る関係になれます。将来どうありたいのか、そのために何ができるかの策も、共に考え合う対話を通じて生み出され、強みを生かし合うチームとして 実現度を高めていけるようになるのです。 特に知事と職員との話し合いは、首長とその補助機関として通常は指示・命令を受ける上下関係にあるため、なかなか対話が成り立ちにくいところがあります。それだけに、双方向に思いを語り合えるようになるには、コーディネーターの存在が重要です。 4)率先する人を増やしていく 三重県が当時取り組んだ行政改革は、仕組みを変えるだけでなく組織全体を変えていくための 「行政システム改革」でしたが、北川知事第1期目にはトップダウンの改革にやらされ感が 蔓延していました。そこで、2期目になってボトムアップのアプローチを採り入れた「行政システム改革バージョンアップ“率先実行”~みんなで、みずから、みなおす、三重づくり」として、一人ひとりが自ら率先する取組が始まりました。 三重県では、若手職員で構成する「ワーキンググループ」が多く採用されました。この時上司は、「失敗してもいいから、思い切ってやってごらん」と スポンサーシップを発揮したり、最先端の知識や情報を得るために有識者の支援や先進自治体、民間企業、外国への視察など人材育成の環境づくりをバックアップしました。 そして、ワーキングの成果を三役報告した後は、組織としての取り扱いにモードアップさせ、今度はベテランや管理職が中心となって、部署横断のタスクフォース活動として取組を進めていきました。このように政策開発のプロセスに人材開発や組織開発のプロセスを組み入れていくことにより、庁内のいろいろな部署、階層に当事者として関わる人がどんどん増えていきました。 5)成功は小さく生んで大きくスパイラルアップさせていく 新しい試みは管理部門が企画して一律一斉に組織全体に広げる展開をするよりも、 小さな部分でやり始めるほうが、着手しやすく失敗してもリスクが小さく済みます。「朝令暮改でいいじゃないか」との知事のメッセージは、失敗してもそこから学んで 修正すればいいという組織の包容力を増し、「あそこでできたなら、自分たちもやってみよう」と自発的な動きを増やすことにつながっていきました。 例えば、課の壁をなくす施設のワンフロア化や階層を減らす人事のフラット化も、三重県では生活部という一部署が率先して自分たちにベストな働き方を考えて試行した結果、全庁の仕組み改革に広がったものです。また、最も古い体質を持った農業政策の 生活改良普及員がNPO推進室に異動して、日本初のNPO条例を制定したことが、 あらゆる政策分野で協働取組を取り入れるもとになりました。 さらに、これらの成功事例を知事が外部に発信すれば、報道で取り上げられ、 実施した職員にスポットライトが当たります。他団体から視察を受け、発表する機会を重ねると、 職員は自信をつけ、次のチャレンジに意欲を増して臨むようになります。 好循環が回り始めて組織力が底上げされていくようでした。 これら5つのポイントは、ピーター・センゲ著の『学習する組織』にある5つの学習領域 「共有ビジョン」「メンタルモデル」「チーム学習」「自己マスタリー」「システム思考」に 当てはまります。それは、組織における変革は、トップダウンとボトムアップを連携し、 新しい方向を自分事としてとらえたメンバーが、共に向き合う対話から、チームを築いて自ら変わる試行をし、成功体験を積み重ねながら、部署や階層、組織を越えて連鎖、波及して進んでいくプロセスの特性を持っているからだと思います。 先行きが不透明で不確実な今という時代における大きなパラダイム転換の中、 組織では今後の方向性を見出すことすら容易ではなくなっているのかもしれません。また、一つひとつの変革には速度やイノベーションが求められています。AIが瞬時に策を提示してくれる分、人にはこれまでの経験を超えて、よりフラットに人と関わり、組織を越えて多機関、他地域と共に学び、共創するプロセスから、多様性を活かし合って 柔軟かつ俊敏に変革を実現していくことが求められていくのだと思います。 ▼「アジャイル経営カンファレンス2026」のサイトはこちら https://agile-keiei-conf.jp/
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