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公共組織支援メールニュース 2014年09月

人と仕事と組織が成長する改善運動 ~自治体学会富山大会分科会報告~

 6月号のコラム(※)でご案内したとおり、8月22日に開催された第 28回自治体学会富山高岡大会に参加して、分科会「改善運動による 組織力の向上~楽しく、よくして、ほめられる組織マネジメントの ススメ」でパネルディスカッションのコーディネートをさせていた だき、首長と職員の両視点から改善運動の意義とあり方を見出して いきました。

 パネリストは、田中大輔中野区長(東京都)と小山巧南伊勢町長 (三重県)の首長ふたりと、現在「自治体改善マネジメント研究会」 で私と一緒に活動している中野区とさいたま市の職員、酒井直人さ んと柳田香さんです。前半に各自からこれまで改善運動に取り組ん でこられた経緯と思いを語ってもらい、後半にテーマを設けて全員 で意見交換をしました。

 「もっと住民の役に立ちたい、そのためによりよい役所にしてい こう」ということは、みんなが根っこに共通して持っている思いで しょう。けれど活動を進めるにあたっては、立場によって果たす役 割が異なり、見える景色も変わってきます。分科会では、相互の違 いを明らかにしながら、両者のつながりや共通点を見出していくこ とを試みました。
 首長からは、地域を経営するうえで重視している顧客志向や町民 起点の価値観を基本構想の中に明示して、基本計画を推進するにあ たっては組織の方針や目標に落とし込み、各職場・職員の実行と改 善につなげていく、という首尾一貫した経営システムの運営を図っ ている様子が語られました。
 職員からは、改善運動を推進する立場に就いたときに、他の職員 の抵抗ややらされ感、「待ち」の姿勢があったものの、徐々に取組 みが広がるにつれて、当事者が増え、改善件数も増えて、職員にや る気をもって取り組む「攻め」の姿勢がでてきたという報告があり ました。

 後半に行なった改善運動でのやりがいや、役所内の温度差につい ての議論では、田中区長と小山町長から、かつて区や県の職員時代 に、担当業務の中で創意工夫をしたり、管理職として職場みんなで 改善・改革に取り組んだ実践経験があったこと、それが現在、役所 全体で改善運動を展開する原動力になっている、というお話を聞く ことができました。
 また、酒井さんや柳田さんは、庁内で改善運動を推進してきた経 験が、その後の担当業務で改善を進める基本姿勢となり、常に外部 とのネットワークを築くことで得られる幅広い視点や情報を、改善 のアイデアや実践に役立てているとのことでした。

 改善は、実践する経験を通じて人が育つことができるものです。 また、改善運動は、常にぶれない経営の軸のもとで、全庁的に取り 組む環境を用意していくことで、改善し続ける習慣ができてきます。 そして、改善を通じて人が育つ職場をつくる管理職を増やしていけ ば、役所全体の組織力を高めることができるでしょう。
 パネリストのみなさんの言葉を重ね合わせると、そんな一連の流 れが見えてきました。今回の分科会での議論を各自治体の改善取組 みに生かしていけるよう、自治体改善マネジメント研究会のメンバー とともに、さらに研究を深めていきたいと思っています。
  最後に、4人のパネリストのみなさんからいただいた会の感想を ご紹介いたします。

◆中野区長 田中大輔さん
 現場での気づきと創意工夫に基づく「改善・改革」と、それを全 体に広げて定着させ、組織力のスパイラルアップにつなげる「マネー ジメントシステム」。どちらも動かすのは首長と職員です。自治体 学会では多くの自治体の職員や首長等の皆さんの熱い改革への思い にふれることができました。地域の生き残りをかけた未来設計が求 められる今、自治体の改革力が何よりも重要であることを痛感しま した。

◆南伊勢町長 小山巧さん
 地方分権一括法が制定されてからもう15年近くになります。今や ほとんどの市町村が様々な政策を企画し、住民にとってよりよい行 政サービスを提供するために改善運動に取り組んでいます。しかし、 改善取組の仕組みは簡単につくれても、実行する職員の意識は簡単 には変わらず、なかなか行政文化として根づきにくいのも改善運動 です。今回もそうでしたが、素晴らしい取組みをされている自治体 が多くあると思いますので、自治体学会などでもっともっと紹介さ れ、議論されていくことを期待したいと思います。

◆中野区 酒井直人さん
 今回の機会は、首長と改善運動担当者のそれぞれの視点が比較で きた貴重な機会でした。首長はやはり行政経営全体を俯瞰して見て おり、一方改善運動担当者の視点は範囲が狭くなりがち。行政経営 をどう行なっていくかという視点と改善運動の仕組みは連動しなけ ればならないのですが、そこを意識した取組みはまだ少ないと感じ ました。全国の改善運動がより行政経営に資するよう今後も試行錯 誤しながら発信していきたいです。

◆さいたま市 柳田香さん
 「楽しく、よくして、ほめられる組織マネジメントのススメ」の タイトルのように楽しくすることも、よくすることも、実践してき たと思うが、「ほめられる」というキーワードは、サミットに参加 したことによって、職員と首長という立場では大きく開きがあるこ とに気づかされました。さらに、本市は誰にほめられたいのか、何 のために業務改善をしていくのか、しっかりと見極める必要がある と感じました。

※2014年6月のコラム 改善運動が役所組織に根付くには? ~「自治体改善マネジメント 研究会」の中間報告~
http://www.scholar.co.jp/gyouseikeiei/column/2014/06/post-64.php

プロセスデザイナー&行政経営デザイナー 元吉 由紀子

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