Column コラム

btn

行政経営デザインメールニュース 2022年03月

「とんがり人材」から「トライアングル人材」になる

●とんがり人材を生み出しにくい組織の風土体質

「オフサイトミーティング」の語源は、アメリカの組織開発アプロー チの中で職場を離れて実施するミーティングという場の形態にあります。私たちスコラ・コンサルトでは、これを組織風土改革のプロ セスの中で気楽にまじめな話をする場のコンセプトとして活用しています。
それは、日本人の中にある気質として、自分の意思を明らかにして発信することよりも、朱に交われば赤くなる、長いものには巻かれ ろなどの同調行動を取り、空気を読んで忖度や慮りをして意思決定にまで反映させてしまう傾向があり、組織にマイナスの風土体質を 根付かせてしまっていることが多く見られたからでした。

地方自治体においては、それとは別にそもそもの構造として、国の法律に基づく事務を一律に執行しているため、自治体間では横並びで仕事ができる特質を持っています。また、行政職員においては、首長を補助し、二元代表制により議会で決定されたことを執行する役割を担っていることから、自己決定できることに一定の制約があり、実行においては無謬性を優先する傾向が見られます。

そのため、地方分権が進み、個性を活かし自立した地方をつくることが求められながらも、なかなか独自の意志を持って発意したり、 新しい挑戦行動を率先することが、行政職員にはなお不慣れなところがあるようです。

●とんがり人材が求められる時代に

しかし、イノベーション理論にあるように組織にはある割合で、みずからの意志を持ち、独自の発想を生かして、新しい挑戦を試みようとする人材はいるものです。いわゆる「とんがり人材」です。私は、20年間「公務員の組織風土改革世話人交流会」を運営・支援してきましたが、自治体を越えて集まって来る有志たちには、その組織の中に納まり切らない元気の良さがあり、そのような元気を行動に移すエネルギーを持つ職員は、どの自治体にも幾名かは必ずいます。

そして、地方分権が進み、また、地方創生の必要性からこのような人材が役所から地域に出て活躍することが期待されるようになりました。この流れから「地域に飛び出す公務員を応援する首長の会」もできています。また、地震や台風の災害支援において、組織を越えたつながりが命を助ける可能性も加わって、「まちづくりオフサイトミーティング」など各種の官民交流の場や、公民連携による地 域イノベーションから共創ビジネスを立ち上げる動きも数多く出て 来ています。

▼「組織外で開催するオフサイトミーティングの場の変遷」につい ては、前号のコラムに記しました。
http://gyousei-design.jp/column/2022/01/post-132.php


●組織の中でとんがる点をつないでトライアングルの面にする

今後は、この組織外のオフサイトミーティングのパワーをうまく組 織の中で仕事の価値を高めるプロセスに取り入れていくことが組織 経営の重要課題となってきます。とんがり人材は、組織の中ではごく一部であることから、これまでの資質・能力のままでは今の組織の中では馴染みにくく、浮いた存在となりやすいところがあるでしょう。そのため、組織の中で活かしていくためには、個人と組織をつなぐ場が必要になってきます。「オフサイトミーティング」は、その変換場となるものです。そこでは3つの結節ポイントをつくっていくことが重要です。

1)ありたい姿を思い描き、組織の方向性とリンクさせる

新しい発想や取組も、それが組織からはみ出ていたのでは、なかな か受け入れられません。そこで、まず最初のもやもやした段階から 将来めざすありたい姿がどこにあるのかを見定め、向かう方向性が 組織の向かう方向性と重なっているかどうかを確認しておくことが、 第一のポイントです。

2)応援してくれるスポンサーに働きかけて、タイアップする

オフサイトミーティングでは、誰もが自分の素直な思いを発露して、 本音を語ることができ、それをじっくり聴いて受け止め合う安心安 全な対話の場としての環境をつくることが大切です。 それには、その場に参加する人や参加者を送り出す職場の人たちの 上位者が、きちんとその場の目的や特質を理解して、開催を了承し、 うまく応援をしてくれる環境を用意しておくことが、第二のポイン トとなります。

3)思いを共有できる仲間(コアメンバー)をみつけて、一緒に場 をつくる

オフサイトミーティングを実施するときの合言葉は、「一人になら ない」です。理由は、予め議題ややるべきこと、参加者の役割が明 確になった会議とは異なり、オフサイトミーティングの場は生き物 で、どうなるかはやってみないとわからないところがあるからです。 コーディネートスキルは実践の中で磨かれてくるものですから、初 めからうまくいくとは限りません。
そこで、前もって思いを共有できる人は誰かを探索し、その人の思 いを知り、一緒にできることを見出してスタートを切ることが第三 のポイントになります。

これら3つの結節ポイントを備えておくことができれば、とんがり 人材(点)から、スポンサーと仲間と一緒にトライアングル(面) を築く人材となって、人と仕事と組織を動かすプロセスにオフサイ トミーティングを有効活用することができるようになってきます。

今回1年間試行したセミナーでは、参加者のみなさんとこれらのポ イントを「場づくりチェックシート」をもとに作戦を考え、ふり返りながら実施しました。 その結果、それぞれの部署や職位、抱えている課題などにより、これら3つのポイントの押さえ方に違いがあることがわかりました。 報告会では、①身近な職場で活用した事例、②部署を越えた事業の連携に活用した事例、③役所の幹部会議で活用した事例をご紹介さ せていただきます。

みなさんの自治体でも組織内で仕事の価値を高めるプロセスのご参 考になると思いますので、オフサイトミーティングの活用実践報告 会へのご参加をお待ちしています。

なお、本セミナーは、4月から 本稼働を予定しています。募集は、4月開始を予定していますので、 こちらは改めてご案内させていただきます。 なお、『月刊ガバナンス』1月号の連載「職員よし、組織よし、地域よし三方よしの職場づくり」の第46号に「職場でオフサイトミー ティングを活用してみよう!」にも関連寄稿しています。こちらもぜひご参照いただければと思います。

行政経営デザイナー/プロセスデザイナー 元吉 由紀子

nxprev_01 nxprev_01 nxprev_01
topbtn
TOP組織・代表紹介サービスメディア実績支援実績コラム書籍・研究学会発表公務員ネットワーク活動講演お問合せ
サイトのご利用について個人情報保護方針
Copyright © Scholar Consult Co.,ltd. All Rights Reserved.