Column コラム
行政経営デザインメールニュース 2026年04月
「自治体NEXT其5 人材不足時代の今、学校と教育委員会が 連携して学校教育を推進するためには」のふり返り
去る2月6日、自治体NEXTというオンラインイベントのスピーカーを務めた。
「自治体NEXT」は、NPO自治体改善マネジメント研究会で公務員を中心に 自治体の未来を創る「次の一歩」を考える場として隔月1回ほどの頻度で開催している。
元吉さんからスピーカーの打診があったのは9月頃だった。
ちょうど係長になったあたりから仕事もプライベートも忙しく、 自治体マネジメント研究会の活動は遠ざかって久しかったが、特に迷わずOKした。
皆さんに誇れる活動、マネジメントの実績があるわけではないが、最近内向きの活動に終始していたところだったので、自分自身の仕事で 大切にしている事の言語化、客観的分析をする良い機会だと思ったからだ。
悩んだのは、スピーカーとしてお話しするテーマだ。
最初は、昨年度までの8年間担当した地域コミュニティと社会教育、特に住民自治(地域コミュニティ)をテーマにしようかと思った。
これなら話せることが多いし、全国的な事例についても多少は理解があるから。
最終的にテーマを決めたのは12月、現在担当している学校教育について話すことにした。昔の事を振り返るより、これからに向けた機会にしたいと考えたためだ。
結果的に、参加者の満足度よりも自分の納得度を優先した、ということだ。
さて、学校教育をテーマにしたのはいいが何を話そうか。
そもそも業務に関することを外部に発信するのはいかがなものか?
学校教育について話すという事は学校の実情なども話さないとリアルじゃない。
文部科学省が公表している資料、マスコミによる報道等、公表されている事実を中心に、現場のリアルをお伝えする事、具体的に取り組んでいた改善内容、これから取り組みたいことなどを考えるのは予想以上に大変ではあった。
自治体NEXTでお話ししたテーマは「学校と教育委員会が連携して学校教育を推進するためには」。
・小学校、中学校の実態
・自治体(教育委員会)の実態
・県が採用した教員が町立学校で教育を行うという特異性
最初にお話ししたのは、この3つの現状分析。
個人的には、歴史を振り返り、今を理解し、課題を整理する、というプロセスを踏むことが多い。
社会教育や地域コミュニティも同じプロセスで業務を行ってきたし、その前に(地域コミュニティの前に)担当していた政策部門でも手順は同じだ。
次にお話ししたのは、「では具体的にどのように改善していくのか?」だ。
残念だけど、理念だけでは組織は動かない。
自治体も学校のマネジメントも考え自体を変えていかないといけない時代だと、 最近は特に思う。
お話しした内容を端的にまとめると、「サザエさんの (三河屋の)サブちゃんになりましょう」ということだ。
サブちゃんは、各家庭の御用聞きだ。
「醤油が切れちゃったのよ~」とサザエさんが言えば、醤油を届ける。
だんだん「そろそろ醤油が切れるころかな?この時期はこれが欲しいのではないかな?」と、各家庭が困りそうなことを予想して先回りをする。
組織と組織、あるいは地域と行政をつなぐ役回りに求められるのは、サブちゃんのような想像力だ。
当然、サブちゃんだけで街や地域はよくならない。
街や地域の将来ビジョンは必要になるだろう。
ただ、その前提として、未来を考えようという心理状態にしてあげないといけない。
最近は雇用者優位の時代でない。教員も公務員もすぐに辞めていく。
ビジョンや理念だけでは、組織の人は動かない時代だ。
私がお話しさせてもらったのは、組織の素地を作る地道な作業のお話だ。
「私にもできるかも。私たちも理念実現のために頑張ろう」
今回、私がお話ししたのは、そういうチームを作るための作業だ。
さて、今回スピーカーを務めてみて、私自身、なぜ学校教育にハマっているのか 理解できたような気がする。
私が学校教育の前に担当したのは地域コミュニティだが、その前は企画部門を担当した。
要は、まちづくり→地域づくり→人づくりと仕事の内容が変わってきているのだ。
まちづくりも地域づくりも担当しているときに何度も「結局は人なのだ」と思った経験がある。
社会の側から「教育」を見てきた私としては、ようやくたどり着いたのが「学校教育」という現在の業務なのかもしれないと思った。
もう一つの発見があった。
参加者の質問からの発見だ。
私はサブちゃんの役割に加え、組織間の繋がり、影響や効果を可視化することを意識しているようだ。
部署間、組織間での連携が必要な社会を乗り越えるためには大切な事かもしれない。
最後に、このような機会を与えていただいた元吉さん、自治体改善マネジメント研究会に感謝したい。
こんな実績のない、普通のおじさんの私でもスピーカーをやることで得たものがある。
このコラムをご覧いただいている皆さんにも、怖がらずにスピーカーを やってみることをお勧めして終わりにしたい。
▼「自治体NEXT」第6回の開催報告はこちら
https://jichitai-kaizen.net/news/1518
▼金ヶ崎町HPはこちら
https://www.town.kanegasaki.iwate.jp/
岩手県金ヶ崎町 教育委員会 教育次長補佐 松本 浩和



