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行政経営デザインメールニュース 2016年12月

CCBで現場発の課題抽出と変革推進

2016年4月、とある自治体向け研修の初日の会議室。席順は自由な のに、見事に左に元地域協働グループ、右に福祉グループが座り、 間には大きな空間もできていました。新しく二つのグループが合併 して「保健福祉課」となり、ともに地域の課題に向かうことになり ます。課内のキーマンたちが集まる場には、「一体何が起こるのだ ろうか」と、参加者の期待と不安で張り詰めた空気が漂っていまし た。

時が経ち、2016年11月のことです。同じ場所と人にもかかわらず、 雰囲気が全く違っていました。3つのテーブルには、誰がどちらの グループだったかも忘れるぐらい、自然と混合チームができていま した。付箋に各々の意見を書き出し、貼り合わせながらワイワイ議 論しています。

この半年の間に積み重ねてきた研修で、どんな変化があったのか、 参加者たちが次々と言葉にしていきました。
 ・横のつながりが出来た、急接近だ
 ・仕事へのモチベーションが上がった
・職位に関係無く自由に議論が出来るようになった
 ・人に任せるのではなく自分がやるのだという“覚悟”ができた
 ・課題整理、解決の進め方がわかった

「CCB」という手法を使ってみんなで半年間変革推進をやってき た実感が溢れていました。CCBとは、リーダーと現場チームが覚 悟をもち(Commit)、自ら変革課題と打ち手を決め(Create)、関係者 を巻き込み変革を推し進める(Boost)ことです。 頭文字を取って「CCB」と名付けています。

取り組んできた内容は、問題の根本原因を探る「魚の骨」や、本質 を短くわかりやすく伝える「エレベータスピーチ」など、一見よく あるツールが溢れており「課題解決ツール集」に見えるものです。

しかしCCBの本質は、現場のメンバーが、直面する課題について、 自ら考え、自ら解決する点にあります。また、話し合う機会を重ね るごとに、相互の関わり方、仕事への姿勢や行動が変わり、チーム が強くなる。即ち、CCBを実践していくうちに職場文化も変わっ てきます。

CCBの設計コンセプトは、「やらされ感から自律への旅」です。 前例主義や多忙等で、疲弊している現場職員の「気概」と「創造力」 を解き放ちたい、という想いが根底に込められています。行政経営 デザイナー元吉由紀子さんの行政組織の変革目的と着眼点をもとに、 私がGEやマイクロソフトで教育・実践した課題解決、変革推進の 手法を参考に設計しました。

同自治体ではこの研修を通じて3つのプロジェクトが立ち上がり、 今も実行中です。今後はCCBで得た一体感とスキルを、他の課題 解決や他メンバーとの変革推進に広げ、結果を出し続けようとして います。継続していくためには、私や元吉さんが果たしてきたファ シリテーターの役割にもトライして、変革リーダーを育てていくこ とも重要です。

CCBは、2年前にある人の紹介で私と元吉さんが出会い、意気投 合して共同開発したものでした。今回はまだ試行版ですが、この出 会いに感謝して、これからも変化を求める多くの皆さんにCCBを 体験してもらいたいと思っています。

▼CCB研修については、行政経営デザインラボ、支援・活動実績参照
http://gyousei-design.jp/results/

▼公共組織向けメールニュースコラムのバックナンバーは、下記からご覧いただけます。
http://gyousei-design.jp/column/

FJS事務所代表 直井 英樹

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