Column コラム
行政経営デザインメールニュース 2023年04月
組織風土をよくするセミナーの特徴と実践コミュニティ
3月25日、2022年度に実施した「公務員のオフサイトミーティング 活用セミナー」の参加者による成果共有会を開催しました。参加者は、オフサイトミーティングを活用しながらそれぞれの組織の 風土をよくしつつ、仕事を進めていく上で抱えている課題の解決を図っていくチャレンジをしてきました。
セミナーは、月1回土曜日夜に2時間半、WEBで開催し、半年間を1クールとして設定していましたが、参加者のほとんどは、通年、また、経年で取組を進めて来ました。参加者の所属する自治体も部署も異なります。抱えている課題もまちまちです。役職も異なるため、自由に動かせる権限や働きかける範囲も異なります。そこで、セミナーの運営にあたっては、いくつかの特徴を持って 進めていました。
【特徴1:安心安全な対話の場】
立場・肩書の異なるメンバーが集まる場では、「肩書で呼ばない」「さん付けで話す」ことが、話しやすさの関係づくりに有効です。セミナーでは、この場の運営自体をオフサイトミーティングのスタイルで行なっています。 正解のない時代、参加者は誰もが不安やモヤモヤを抱えている ものです。そんな中、対等な対話の環境は、互いに思いや悩みを共有できる安心感と、遠く離れたWEB上でも仲間としての信頼感を持って関係を築くことにつながります。
【特徴2:実践場面に応じた分科会の設定】
参加者がリアルな課題を持ち寄るにあたっては、それぞれが活動する場面が似ているほうが、取り組むイメージを 共有し、相談がしやすくなります。 そこで、活動する組織の範囲(ステージ)を<身近な職場> <部署や事業の連携チーム><役所全体>に分けて分科会を 設定しています。
【特徴3:多様性を生かした学び合い】
特別職から一般職まで、また、管理部門と事業部門など、 所属や職位が異なると、人によってものの見方、考え方、 感じ方がずいぶんと異なります。 それは、立場の違いを生かして率直に語り合うことにより、 取り組む上での障害や可能性をとらえるヒントを多く得ることに役立ちます。多様性を包摂した対話は、相互の情報を共有する場から、 内省を深める場へ、そして、互いに知恵を出し合う場へと進化して、グループ学習が促進されていくのです。
【特徴4:場づくりとふり返りから実践力アップ】
組織は急には変わりません。しかし、参加者が現場で一石を投じる場づくりのアクションを起こしていくと、 小さな波紋が広がり、何らかの波風が立ってきます。そこで、実践をふり返り、新たに登場した問題や課題について話し合っていくと、障害に向き合い、機会をとらえて解決につなげるための新たな一歩を踏み出す勇気が湧き起こります。
今回の成果共有会で報告された、 個別の成果事例についてはまたの機会にお届けしていきます。
本セミナーは、2020年にスコラ・コンサルトの対話普及チームが『オフサイトミーティング 仕事の価値を高める会議』を出版した 記念セミナーとして開催したものを、公務員向けに継続セミナーとして発展させたものでした。
▼関連コラムはこちら
http://gyousei-design.jp/column/2020/08/post-119.php
2021年度からは、参加者の中に運営チームをつくり、 2022年度には公共組織に応じたチェックポイントも整備してきました。
そこで、2023年度からは、職員のネットワークの広がりと、実践コミュニティづくりを図るため、 主催をNPO法人自治体改善マネジメント研究会に移し、名称を 「公務員の組織風土改善セミナー」として開催することとなりました。スコラ・コンサルトはサポーターとして後援していきます。
現在、2023年度から一緒に取り組むメンバーを募集しています。新たなメンバーが参加しやすいよう、組織風土改善・改革に関する 基礎的なフレームワークを理解し、オフサイトミーティングを活用した実践プロセスのポイントを 学ぶことができる【基礎コース】をご用意しましたので、 奮ってご参加をお待ちしています。
▼申込は、こちらから
行政経営デザイナー/プロセスデザイナー 元吉 由紀子