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公共組織支援メールニュース 2009年12月

鳥の眼で自組織の特徴をとらえ直す

今年も残すところあとわずかとなりました。皆様にとって、この 一年はどんな年だったでしょうか。

私たちにとって印象深い出来事は、去る11月に「経営行動科学学 会」年次大会シンポジウムの出講です。このシンポジウムでは、こ れまで個別の自治体を支援しながら得てきた問題意識をもとに、全 国の自治体(人口1万人以上の1362団体)を対象に行なった「行政 組織における組織風土改革実態調査」の結果(509件の回答)の中間 報告をさせていただきました。また同時に、首長や専門分野の異な る教授とも意見交換をすることができました。

シンポジウム後には「行政組織における組織風土改革の実態と課 題」をテーマにした対話会で、参加いただいた皆様と、シンポジウ ムでの報告内容の一部を共有しながら意見交換をする機会もいただ きました。
この対話会の場では、参加者からさまざまな声をいただきました。 その声を少しご紹介しましょう。

・「調査結果にあった『自治体(地域)と行政組織(役所)の境 界線が不明確で、両者を混同していること』や『職員の意識改 革は認識していても、組織風土改革の認識や重要性はまだほと んどしていないこと』について、自組織にもあてはまるところがあり、新たな気づきとなった」
・「庁内全体で改革の必要性や方向性をどのように共有するか。こ の重要性を幹部が多忙であるという理由から、なおざりにしている」
・「組織風土改革にあたり、課などの組織ビジョンを明確にする必 要があることを知り、新たな発見がありました」
・「トップの状況によってすぐに改革が進むとは限らないが、改革 力、モチベーションをもてる力を蓄えておくことが有用と思われた」

行政組織においては全国共通に改革メニューを実施していること が多くありますが、その運営のしかたには自治体間で大きな異なり があります。今回の調査からは、マニフェストに掲げた首長の意志 が、その運営の違いに影響していることなどが見えてきました。そ して、これら行政組織の全国傾向を見ることが、参加者の皆様が自 組織の特徴を再認識することにつながったようです。

一方で、「目標の共有化が必要ですが、市全体になると範囲が広 く総花になって、職員が共有できるものになりにくいように思いま す。簡素なものができればと思います」とのご意見もいただきまし た。今後は、より実践レベルで具体的に問題を把握したり、解決に 向けた課題を考えやすくなるよう、組織診断するシートを開発し、 皆様に提供することを検討しています。また、よりよい役所づくり を進めておられる自治体については、その実態と成功要因を分析す る調査の追跡・継続を行なって、皆様の運営改善に役立つフィード バックをしていきたいと思っています。

迎える年が皆様によい年となりますように、また、ともにより一 層のチャレンジができる年となりますよう、引き続きよろしくお願 いいたします。

プロセスデザイナー/行政経営デザイナー 元吉 由紀子

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