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行政経営デザインメールニュース 2017年02月

上司のスポンサーシップで差がつく「改善力」

毎年この時期になると、各自治体で改善事例発表会が開催されます。 私も各地で審査員を務めさせていただくことがありますが、どの自 治体でも、発表する職員はとても元気です。プレゼンテーションで は動画あり、ダンスあり、寸劇あり、ゆるキャラありと、さまざま な趣向が施されています。すべての職場で仕事がこのように楽しく 改善されていくならば、どんなにいい役所になれることでしょう。

それでも職員からは、「課長は、改善活動には関心がないんですよ」 という言葉をよく聞きます。それは発表会場に管理職がほとんど来 ていない自治体が多いことからもわかります。 「改善はいいことだし、必要なことだけど、改善するのは部下職員 で、自分たち管理職には関係がないもの」といった意識があるので はないでしょうか。

確かに、法律や制度で決められた事務を遂行するだけならば、その やり方を職員が主体的に工夫して進めても、上司が職員に指示・命 令して進めさせても、アウトプットにさほど違いはないのかもしれ ません。 しかし、地方分権が進み、人口減少を食い止め、日本に活力を取り 戻す“地方創生”が喫緊の課題となっている今では、それだけでは 事足りなくなっています。仕事を進めるプロセスにおいて、地方独 自のサービスを生み出すことや、民との協働関係を通じて住民がみ ずからできる地域づくりの機能を高めるなど、職員が個々の現場で 付加価値をつけていくことが重要になっているのです。

それには、まず管理職が職員に対して、地域のめざす姿を熱く語り、 職員自身が役所の果たす役割・使命にやりがいを感じて、より高い 目標にチャレンジするよう、しっかり動機づけていくことが求めら れます。

また、いつもの仕事を時代の変化に応じた新しいやり方に変えてい くためには、職場で先進事例や業界動向などの話題を提供し、職員 が情報を敏感にキャッチして、ゼロベースで仕事を見直すきっかけ をつくっていくことも大切です。

さらに、新しいチャレンジをし始めた職員がいれば、途中で挫折す ることもあるでしょう。部署間の壁や、関係団体との交渉上の困難 にぶつかるときには、管理職が他部署や団体への橋渡し役となって、 苦境を乗り越えるサポートをする必要があるかもしれません。

そして、うまく改善が進められたときには、目に見えやすい業績成 果だけでなく、目に見えない波及効果にも光を当て、取組みが次年 度につながるような仕組みにして定着させていくことも管理職でな ければできない重要な役割です。 がんばった職員には、どんな能力の向上があったのかを見極めて誉 めれば、人材育成にもつながります。

これらは、管理職自身が前に出て導くリーダーシップとは違う、部 下を主役にして支援する、管理職のスポンサーシップと言えるもの です。このスポンサーシップの有無が、改善を単発の業務改善に終 わらせるのか、人材育成や職場改善に結びついて持続する組織の改 善力に発展していくのか、大きな差をもたらすポイントになります。

改善活動や改善発表会を何年も続けている自治体においては、さら なる発展に向けて、ぜひ一度管理職の役割見直し、スポンサーシッ プを高めていく方策を補強してみてはいかがでしょうか。

行政経営デザイナー/プロセスデザイナー 元吉 由紀子

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