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行政経営デザインメールニュース 2018年04月

年度初めは、課内で「交流型」オフサイトミーティングを!

「オフサイトミーティングを知っていますか」と尋ねると、知っていると 答える人が増えてきました。
それでも、「オフサイトミーティングをいつ、誰とやっていますか」との質問には、定時後に庁内で部署の異なる有志と開催したり、土日に他団体の人と開催したりしているケースがほとんどです。

「オフサイトミーティング」の直訳は、職場を離れた場所で行なう話し合いですが、 行政職場の多くでは、“仕事場”を“オンサイト”としてとらえ、“オフサイト”は“仕事場の外=業務時間外”で行なうものだという行き過ぎた解釈がされているようです。

今日は、この解釈を是正するために、まず初めに「オフサイトミーティング」をなぜ職場から離れて行なうようになったのか、その目的に立ち返って、新年度が始まる4月に課内の同僚と業務時間内に導入できる 「交流型」のオフサイトミーティングについて、実施するときのポイントをお伝えしたいと思います。

わざわざ職場を離れて実施することの意味、場づくりの目的には大きく二つあります。
一つは、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮して、変化を生み出しやすくするため。
もう一つは、人と人が相互に安心して関わり、互いに尊重し、 助け合えるチームとしての関係を築きやすくするためです。
これらは、最終的に職場の仕事に反映されてこそ意味があるものですので、身近な部署(課内)の同僚とも開催できるようになることが望まれます。

ただ、部署には、予め設定された職務分掌があり、担当ごとに役割分担が されています。上司と部下の指揮命令系統も明確で、課題や目標も 設定されています。必ずやらなければいけない事項に満ちているため、日々の業務に追われている中では、つい「それだけをやっておけばよい」「それ以外はやってはいけない」といった固定したとらえ方に陥る傾向があります。
それゆえ、課内でオフサイトミーティングを実施するときには、 事前の準備を入念にしてコーディネートのスキルも身につけておく 必要があるのです。

しかし、年度当初の場合には、人事異動や業務分担の見直しなどがあるため、 職場全体に異なる視点、異なるアプローチを取り入れやすい状況にあります。職場のチームワークをリセットして、再スタートするタイミングにあるため、一人ひとりが「素の人」として知り合う「交流型」のオフサイトミーティングを 実施するにはベストチャンスと言えるでしょう。

ここでの実施ポイントは、時系列で定量的なデータ系のプロフィールを 述べるのではなく、内なる思いを込めた定性的な非データ系のエピソードを 語ってもらうこと。これを「ジブンガタリ」としてじっくり聴き合う場を つくるのがお勧めです。
 ・自分がこだわっている趣味  
 ・どんなときにワクワクするか
 ・他の人にはないだろう自分だけの特別な経験
 ・人生で一番悲しかったこと、感動したこと
 ・入庁後最も残念だったこと、やりがいを感じたこと など

人は、一人ひとり異なる視点や感性を持っています。
職場の中に多様性を受け止め合う場を設けていくことは、仕事においても地域の多様な住民ニーズを把握したり、様々なパートナーとの協働関係を築いたりするうえでも大いに役立つ ベースになるものです。

特に最近は、地域の課題も複雑化しており、単独の部署だけでは 解決することが困難になっています。地方創生の難題解決には、 他部署や地域外ともネットワークしてイノベーションを起こす取組みが 期待されています。
「働き方改革」では、残業時間を削減し、 ワークライフバランスを図ることまで求められるようになりました。

職場の担当者どうしが目の前の業務をこなすだけでなく、公私ともにざっくばらんに話ができる関係になり、困ったことを相談し、 協力し合える人間関係をつくっておくことが重要です。
それでも、ほとんどの職場ではアフター5の飲み会をする機会は 年に3回程度と少ない状況です。歓迎会と送別会の他一回程度 しかありませんので、これらの関係づくりを業務時間内にうまく行なっていくことが課内のマネジメント課題になっています。

そのため、ジブンガタリの中に、
 ・休日の過ごし方
 ・家庭人としての自己採点
 ・地域とのつながり
 ・地域外とのつながり などの要素も織り込んでみるといいかもしれません。

最初は、少し時間を多くとってじっくり話し合うことがお勧めです。その後歓迎会もセットすれば、飲み会の質もグッと深まることでしょう。
しかし、すべてを一度に行なう必要はありません。
お互いをよく理解し合うもとができ、いつもと異なる側面で互いに 何らかの結びつきを身近に感じることができれば、この1年をともに過ごす 仲間としてのスタートは成功です。
その後は、「交流型」の要素を朝礼や定例会の導入場面で組み入れていけば、通常の会議にオフサイトミーティングのような話しやすさを 盛り込むことができたり、次のフェーズとして「問題発見型」や 「目的共有型」のオフサイトミーティングにチャレンジしたり しやすくなるでしょう。

みなさんの職場のチームづくりにぜひご活用いただければと思います。

行政経営デザイナー/プロセスデザイナー 元吉 由紀子

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