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2006年 秋の世話人交流会レポート

開催概略
参加者が所属する団体 綾瀬市(神奈川県)、(財)淡海環境保全財団、大阪市、春日井市(愛知県)、金融庁、京都府、札幌市、滋賀県、スコラ・コンサルト、富山県、新潟県、西宮市(兵庫県)、東近江市(滋賀県)、彦根市(滋賀県)、枚方市(大阪府)、広島県、福岡市、福岡県、三重県、横浜市(五十音順)(合計40人)
開催日 2006年9月23日(土)~9月24日(日)
会場 三重県職員研修センター
全体の流れ

■9月23日(土)
13:00 開催案内
         交流会の趣旨・目標・お約束、スケジュールと会場説明

13:10 自己紹介(1人1分スピーチ)

13:50 分科会紹介
      コーディネーターから前回の分科会のエッセンスを含めて紹介
14:00 三重県県税職場における組織風土改革の事例紹介
15:10 分科会《その1》
19:30 夕食及び懇親会~三重県庁食堂にて~
21:00 1日目終了


■9月24日(日)

8:30  三重県庁ワンフロア施設見学
9:30  分科会《その2》
11:30  全体会

      ・各分科会からの情報共有
      ・各自から一言感想・宣言
12:30  解散

今回の運営チーム 池上 順史(札幌市)、小山 巧(三重県)、渋谷 克人(富山県)、初宿 文彦(滋賀県)、中西 大輔(滋賀県)、橋本 康男(広島県)、元吉 由紀子(スコラ・コンサルト)
会の特徴

 世話人交流会は、通算13回目。2005年より結成した運営チームに、今回は新しくコーディネーターに応募してくれたメンバーが加わり、開催地である三重県スタッフの協力を得て運営を行なうことができました。
 今回は、先の横浜での運営方法をベースとして、4つのテーマでの分科会を継続し、先の振り返りをもとに1分科会の人数を話し合いが可能な10人以内に絞って、1日目と2日目いずれも同じメンバーでじっくり話し合うことにしました。前回同様、参加者間で聴き合い・話し合いができるよう、事前に交流会への参加動機と希望する分科会名を記載してもらう自己紹介シートを提出してもう準備も行なっています。
 なお、今回は改革先進地である三重県での開催となりましたことから、1日目の最初に三重県の税務職場における組織風土改革の取組み事例を紹介する時間や、2日目の朝一番の散歩代わりに生活部を初めとした県庁各ワンフロアの施設見学を盛り込むことができました。三重県のみなさんいろいろとお世話になり、ありがとうございました。
 また、会の最初と最後には、参加者全員が一言紹介と感想を述べて、分科会を超えたネットワークづくりと懇親を深める機会も取り入れています。

 

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ひとりごと ~三重での交流会で見えたもの~

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記: 元吉興業(運営チーム)所属  地方芸人 中西大輔

 

組織風土改革世話人交流会は今回で3回目の参加だった。
余興に呼ばれて漫才をしに行ったわけではない。れっきとした参加者なのだ。

 交流会は3回目。気分的には余裕を持って参加できたけど、正直なところ、自分が何を話したくて、何を聞きたいのか、整理できないまま、緊張感無く参加してしまった感じがする。

 なんとなく脱力したまま、最初の自己紹介も、分科会も、最後の感想も、「伝えたいこと」が整理できないまま、ダラダラと話をしてしまった。ツカミもオチも滑ったみたいなものだ。
が、しかーし。
「思い入れ」が少なかった分、いろんなことが見え(三重だけに見え(^^;)、新鮮な感覚でいろんな言葉が耳に入ってきたようには思う。ちょっと不思議な感じもする。
 三重交流会で見えたものをいくつか挙げてみた。


■三重県はやっぱり「ほんまもん」だ。

 今回一番感じたのは「やっぱり、三重県の改革は“ほんまモン”なんだなあ」ということ。
 最初の県税事務所の話には、正直、鳥肌が立った。
 明確な目標があって、素晴らしいリーダーシップがあって、信頼できる仲間とともに困難を乗り越えて、そして「大仕事」を成し遂げた達成感、充実感がありありだった。
 「私もこんな仕事がしたいぞー!」と思ったのは私だけではないと思う。
 そう、「いい仕事」がしたいのだ。感動できるような仕事。
 人を笑わせるだけが能ではないのだぞ、自分。

 4人の言葉は控え目だったが、体育会系のチームメイトの会話のような、信頼感に裏打ちされたやりとりを見て、すーーーーんごく羨ましく思った。本当に輝いて見えた。ちょっとジェラシーだ。
 前回の横浜エンジンルームの話に続き、「こうなりたい」モデルができた。

 また、この2日間、三重県職員の方と話しをしていて、「三重県には変革マインドが風土として根付いてるんだなあ」と感じることが多々あった。
 こういう交流会では、必ず「うちの組織は(職員は)」云々という愚痴めいた話が一つは出る。
 でも、少なくとも私が話をさせていただいた三重県の方からは、ベテランの方から若手の方まで、一言もそうしたネガティブな言葉は出てこなかった。

 私がものすごく難しく感じる「一歩踏み出す」ことも、ごく自然に「あたりまえ」のことのように取り組んで、入庁数年の方でさえ「その次」を見据えて話をしておられた。そしてそれを楽しんでいるようにも見えた。
 失敗を悲観せず、そこから学んでチャレンジすることが自然にできているんだろうなと思う。

 三重県職員であることの誇りと自信が伝わってきて、またまた羨ましく感じた。
たぶん、そういう変革マインドが一人ひとりの職員から職員へ伝承されて、DNAのようにすり込まれてるんだろうな。それが組織の文化や風土として根付いているんだな。きっと。
 ん?、これって、第1分科会で話しあった人材育成なんじゃないか?。
 冒頭に、渋谷さんが言われた「先輩に面倒を見てもらった恩を後輩に返す」という伝承が、自然と根付いている感じだ。
 おごる物は違っても、脈々と受け継がれていくこと自体が大きな力になるのかもしれないな。それが風土なんだなきっと。

 研修センターを使わせていただいたり、休日の庁舎を見学させて頂いたりといったことも含めて、「やっぱり三重は違うな」と感じた2日間だった。

 


■心地よい時間が流れた第1分科会

 ということで、今回は、第1分科会で渋谷さんのアシスタントを担当することになった。
 前回は第3分科会で池上さんのアシスタントを経験したので、両方を比較しながらとてもいい勉強をさせてもらった。アシスタントと言っても、実はな~んにもしてないのだ。(^^;
 なーんにもせずにいろんな人の話を聞きだして、コーディネートも学べる「おいしい」役どころなんだな、これが。
・・っと、これはナイショにしておこう。(笑)

 第1分科会は、前回参加した第3分科会と比べると、立場は違っても、参加動機が比較的近い方が多い感じがした。ある程度、職場での取り組み体験を持っていて「次のステップ」への壁を感じている方が多かったように思う。
 共に育ち合う人材育成。これは共感するところ大だった。
 でも、自分が「育とう」「育ちたい」と思ってない人。かつてはそう思っていたのに、何かのきっかけであきらめてしまった人。育つ必要性を感じてない人などへのアプローチは難しい。そこで壁を感じている人もいた。

 直接的な解決策は無かったとは思うが、いくつかヒントもあったと思うし、少なくとも「さらに一歩」踏み出す動機付けにはなったと思う。
 渋谷さんの、自然と話に引き込まれていくコーディネートもとても参考になった。「何も足さない、何も引かない」自然な流れで対話の場ができていく感じが心地よかった。これは盗んで帰ろう。
 もっと、ずっと話していたい。そんな気分だった。もっと時間がほしいな。


 

■なんだか全国に広がってきた感じ

 交流会に参加するのはまだ3回目だけれど、その間にもどんどん風土改革の取り組みが広がっているなあと感じる。
 上司と部下や、ベテランと若手といった「セットもん」で参加される自治体も増えてきた。孤独な参加者は少なくなってきたんじゃないかな。 オフサイトミーティングも定着している感じだ。

 「オフサイトをやりたい」じゃなく、「オフサイトで何かやりたい」という話が多くなってきた気がする。

 こうして、参加者同士、みんなでステップアップしていけたら理想だな。


 

■もったいない&小さい自分

 懇親会は、時間がタイトで、料理がいっぱい余ってしまった。
 作ってくれた食堂の方たちの目の前で残してしまい、申し訳ない気分で一杯だった。もう少し時間があれば、もっと食べられたんだけどなあ。
 次は、ちょっと少ない目に頼んだ方がいいな。

 ところで、今回、懇親会の司会進行をすることになった。
 司会と言っても、乾杯と締めの挨拶を誰かにお願いすればいいだけ。。。のはずだったのだ。

 しかし、運営チームの事前ミーティングでは、N市のSさんと一緒に進行をせよとのこと。これは要するに「笑いをとれ」というミッションだな。(笑)

 前回の横浜では、スーパー公務員Aさんのマジックと横浜消防局のNさん、Iさん達のパフォーマンスで爆笑したのだが、今回は、事前のネタの仕込みがない。
 仕方ない。Sさんと、ちょっと夫婦漫才の真似事をしてお茶を濁しておいた。
 ネタ合わせする時間もなかったから、ま、あんなもんで堪忍してもらおう。
 しかし、実はそれがプレッシャーで、なんだか緊張して、あまりたくさんの人と話ができなかった。・・・小さいぞ、自分!。(^^;

 そして最後に、広島のMさんが、「次回は広島で開催します!!」宣言をしちゃったのだ。とても爽やかな笑顔で。
 変革チャレンジャーは、決して「持ち帰って検討します」などとは言わないのだと感動した。(笑)

 


■そして広島へ

 毎回、地元のみなさんにいろいろお世話になる。休日に時間を割いて遅くまで献身的にお世話をいただく。本当に頭が下がる思いだ。
 その分、この交流会が「何か」を残して、お返しできればいいなと思う。

 昨年、滋賀で開催したおかげで、県内の自治体職員のネットワークが広がるきっかけができ、一気に仲間が増えた。
 知らないだけで、同じ思いを持った職員は、県にも市町村にもいるもんだ。
 そうした身近な仲間が見つけられる場になって、本当に感謝している。

 あれがなかったら、他の自治体を羨むだけで終わっていたかもしれない。
 運営チームに入らせていただくこともなかっただろうし、今回も孤独に参加していたかもしれない。本当にラッキーだった。

 今回、三重には何が残せただろうか。先進地三重から見れば、目新しい話はあまりなかったかもしれないな。
 改めて変革を考えるきっかけになったり、新たな気づきがあったりしたんだろうか。ぜひ、そのあたりも聞いてみたいな。

 そして、次回は広島。
 Mさんの「熱い思い」に応えられるいい交流会になるだろうか。
 ぜひ、一緒に創り上げていけたらいいなと思う。
 お好み焼きも食べたいし、牡蠣も食べたいし、ん~楽しみだ~!(^^)/

 えー、以上。長~い「ひとりごと」でした。
 参加されたみなさん、お世話いただいた三重のみなさん、そしてまたまた貴重な経験をさせていただいた運営チームのみなさん、本当にありがとうございました。
 また広島で会いましょう!

分科会1:ジレンマの人材育成 「個の取り組みと変化とのジレンマ」~部下の育成を題材として~


第1分科会 画像


<このテーマを選んだ思い>

・ 私は組織風土改革の必要性は感じているものの、旗を振って変えようとするほどの勇気もなく、まずは自分から変わり、それが職場に広がってくれることを期待するような、慎ましい取り組みをしている者です。
・ でも、「それじゃ、道は遠いよな」と思う自分もいます。同じ悩みを持つ人がこの会にはおられると思いますし、また、それにどのように対峙していくのかを共に見つけたいというのが自分がこの会に参加している理由です。
・ 部下の育成に自ら工夫しながら取り組んでおられるチームリーダーのその工夫を紹介しながら、何故それが職場に広まらないのか、そして広めるにはどうしたらいいのかなどについてやり取りしてみませんか?
 

<参加者>
10人 (都道府県7人、市町村2人、スコラ1人)
 

<進行>
■1日目、2日目ともに

 ・ プロフィールシートを基に、自己紹介や現在の課題、悩みなどを紹介
・ これに対する問答や意見交換などにより、悩みや想いなどを深堀するが、結論は求めず
・ この進め方で、一人ずつ順に進行(一人当たりの制限時間なし)
・ 結局、冒頭から一人につき1時間以上語らうこととなり、最後は駆け足に(反省!)
 

<コーディネーターからの感想>
 前回の横浜と同様、語らいを通じた自分の想いの顕在化、そして安易な答えを人からもらうのではなく自分で次の一歩を見つけ出すこと、この2点の実現に気をつけながら、進行させていただきました。
 今回も、たとえ組織が異なっても想いを持った方々が集まられたわけですから、私があれこれ気を使うまでもなく、これらは実現されていたように思いますし、私自身はとても有意義な時間をいただいたと感じています。
 答えを求めない語らいを心地よく感じたのは自分だけでしょうか? 異なる組織の方々ともこうした時間を共有することができるのですから、自身の職場でできないわけがありません。できないのは照れや肩書きを意識する自身のせいではというのが、私自身が今回の交流会で得たことです。
 

<意見交換のポイント>
 まとめをしていないので、語らいの中で皆さんが腑に落ちたであろうと感じたことを紹介します。
 でも、<参加者の感想>を読んでいただいたほうが、第1分科会が目指した「自分の想いの顕在化」と「自分で次の一歩を見つけ出すこと」が実感できると思います。

○ 弱みを見せることの大切さ
 ・ 「弱みを見せることで築かれる信頼関係」、これが今回のキーワードであったように思います。
・ 「オフサイトでは、弱みを見せ、それが人の本音を誘い、やがて三重の税務の事例のみなさんのように、互いにダメ出しもし合えるほどの自然な関係になれるのではないか?」「そうした信頼関係の中で、上司も部下も互いに育ち合うことができるのではいか」ということでした。
・ このことが、「変革し続ける組織風土」につながるのかなと感じています。
 

<参加者の感想>
・ 気づき(悟り)

1.仕事への情熱は十人十色、どこで妥協するか見極めが大切
2.上司が描くありたい上司像と部下が望む上司像は違う
3.組織の作った人材育成基本方針の呪縛(~でなければならない)
私の考え方
1.特別なこと(人材育成基本方針等の策定)ではなく、現場での日々の何気ない上司と の対話の積み重ねが人材を育てていく。ごく当たり前の社会人として良い仕事ができるように。
2.「上司がダメだから人材が育たない」ではなく、それなら自ら自立を模索すべき。
  「人は自学で育つ」(昨年の自治体職員有志の会でのコメントより)
3.人材育成基本方針が人を育てるわけではない。
  決め事が多いほど、細かいほど、そちらに気を取られ、本来のあるべき人材育成の本来の目標を見失う。なぜなら、運用するのはそれぞれ考え方の違う人間だからである。
私の宣言
 人材育成の基本理念を目標とし、社会人として恥ずかしくない人間となれるよう、日々の仕事を通して、対話を積み重ね、みんなの気づきを大切にし、上司と部下が共に育つ笑顔の職場作りを目指します。」
 
・ この体験を経て職場でもオフサイトをやってみたいという思いが強くなりました。
いまの職場では上司も協力的(積極的ではないですけど)ですし、思いを聞いてほしいという職員も少なくない、という状況。あとは「やるだけ」なんですが、今一歩が踏み出せなかった。
 でも、踏み出す「元気」をもらいました。成功しても失敗してもいいので、やってみることも必要かな、と。何もしなければ何も起こらないわけですし。
 もちろん失敗しないような準備も必要!そこはみなさまからもノウハウとアドバイスをもらえれば、と思っておりますのでよろしくお願いします!
 
・ 今回の私の持ち帰ったおみやげは、次の4つです。
1. 上司と部下とが一緒に育とうとする職場づくり。
2. 上司が弱みをみせる。
3. 自分がリスクを背負わないと相手が答えない。
4. オフサイトは、行き詰って、行き詰って、次の段階が踏めるのだから、行き詰まってもあきらめない。
昨日から、このことを支えにいくつか前に踏み出してみました(自分で踏み出したと思っているだけかもしれませんが・・・)。自分の言葉が変わることで、周りの反応も違ってきて、いくつかのこころにひっかかっていたことが解決していきました。このまま、調子よくいくかどうかわかりませんが自分がこれほど周りに影響を与えていたことも再認識いたしました。
 
・ 今回参加させていただいて、まず感じたことは、公務員の中にも斬新な考え方を持った方が少なからずおられるのだ、ということを強く感じました。やはり自分の組織の中だけでは、考え方が偏って、新たなアイデアが浮かばなかったり、前例に基づいた発想になりがちであったります。
 このような機会を得て、発想の展開や考え方の柔軟性、違う角度からの見方があるのだということを、改めて感じました。とくに私にとっては、これから改革をはじめる立場であり、不安ばかりの手探りの状況でありました。そのような私に、初対面であるはずの皆様から貴重なアドバイスや本音の励ましの言葉をいただき、すごく、感動をいたしました。
 この有志の会の持っているパワーと勇気をいただいて、「これからやってやるぞ!」という気持ちに改めてなりました。
 
・  第1分科会は、前回参加した第3分科会と比べると、立場は違っても、参加動機が比較的近い方が多い感じがした。ある程度、職場での取り組み体験を持っていて「次のステップ」への壁を感じている方が多かったように思う。
共に育ち合う人材育成。これは共感するところ大だった。でも、自分が「育とう」「育ちたい」と思ってない人。かつてはそう思っていたのに、何かのきっかけであきらめてしまった人。育つ必要性を感じてない人などへのアプローチは難しい。そこで壁を感じている人もいた。直接的な解決策は無かったとは思うが、いくつかヒントもあったと思うし、少なくとも「さらに一歩」踏み出す動機付けにはなったと思う。
 
・ 「なにということもなく、雑談をしながら・・・」
そんなふうに謙虚におっしゃっていましたが、あの雑談は、すればするほど、内容が深まっていくという、言葉のそのままの意味で「真面目な雑談」だったと思います。
 本当の本当に、「難問解決」していくのは、あんな自然体のミーティングからなのだ!と思います。
 私は公務員ではなく、ビジネスとして風土変革支援をしている身です。でも、広い視点では、交流会のみなさんと同じく、なんとかして世の中をよくしていくために奮闘する仲間のひとりなのだと(勝手に)思わせていただいています。
 今回は、ベテラン世話人のみなさまから、たくさんのことを学びました。学び取り、これを自分のものとするかどうかは、これからの私次第です。

☆ 宣言(←第3分科会風)
第一分科会のような自然な空気のオフサイトミーティング。
そんなコーディネイトを、必ず出来るようになってみせましょう!
 
・ 言ったことが実現できると、次へと繋がる。こうしたことから、職員のやる気に導くツールは実に身近なところにあるのではないかと感じました。
 いろいろとツールは生まれてくるものの、それを活かすにはやはり工夫が必要だし、一律にどの部署でも通用する万能なものはないのだろう。変革のツールは常にニーズに応じたものであるから、ニーズのないところに変革のツールは通用しないのだろう。
 また、オフサイトの経験者の方が多かったので、たくさんのノウハウをお聞きしましたが、私自身軽んじていたことに「弱みを見せる」ということに希薄だったと気付きました。
 これは、三重県の事例紹介の中で4人の方が話されている中で感じたことですが、お互いに「そこまで言うか!」というくらいのダメ出しをいとも平然と話されていたことに驚きました。本音を話せる関係というのは、「弱みを見せる」ことで築かれた「信頼関係」の上に成り立っており、そこから本音の改革が始まるのでしょう。これぞオフサイトの賜物と言わんばかりの最終形をお見せいただきました。
 筋の良い仕事をされている方のお話には迫力があります。今回お会いできた全ての方に共通して感じたことです。こんな居心地の良い会は他にはない、どうやらハマッてしまいました。
 
・ すごく話やすい場づくり とても参考になりました。
 私もたまにコーディネーターまがいのことをするのですが、沈黙が怖くてついつい自分が話しすぎてしまい、終わったあとで反省しますが、同じ過ちを繰り返してしまいます。「弱みを見せることの大切さ」いろいろな場面で頭をよぎりそうです。 

分科会2:ゼロからの改革 「無風状態からの組織風土改革」~特に地方の中小規模自治体を念頭において~

第2分科会 画像
 

<このテーマを選んだ思い>
・ 私は無風状態の県庁組織の中で,新たな事業への取り組みをこつこつと進めてきました。
・ 昨日も今日も明日も同じメンバーで仕事をする地方の無風状態の組織での変革の難しさは同じだと感じています。
・ 理論だけでは割り切れない人間関係の中で、変化を生み出していく取り組みの進め方について、語り合ってみませんか?
 

<進行>
■1日目
1.自己紹介(一人10~15分)

・  職員で集まって話す場を設けたが,愚痴を言い合う会になってしまった。他市の会に参加してみて,自分の市でも何かやりたいと思い,水面下の勉強会から初めて次に公募型の継続的な勉強会を立ち上げたが,若手の議会議員も参加していたこともあってか,役所の中でパッシングにあった。しかし,こつこつと続けている中で,風が変わってきて,理解されるようになってきた。
 仕事でも,前例踏襲での仕事のやり方に対して何故こうしているのかという投げかけを続ける中で,自分の思いが水が浸透するように広がり始めた。指示の理由が理解されないために不満が広がるということがあるように感じる。
・  職場のコミュニケーションがない。要望ばかり多い職場でメンタル的に病んでいる人もいる。リーダーが「フリートークをしよう」と投げかけても、やらされ感が強く(「何か言ったら仕事が増えるのでは・・・・」「沈黙は金なり」)積極的に応じない。
「みんなでやろう」という雰囲気を何とかして作りたい。経営品質、接遇向上、環境改善に取り組んでいるが、みんなばらばらで、昨年度の職員満足度が最低の職場となった。
・  チョウチョの会に参加している。仕事以外で楽しく、やりたいことをやっているという感じ。2周年ではさらに市町村からの参加もあり、新たなネットワーク作りができた。 前の職場では、チョウチョの会で得たネットワーク作りが生かせた。(NPOなど関係団体との繋がりなど)今の職場では、予算を担当。技術職や事務職が混在しており、調整が困難。インフォーマルグループの経験が、職場に生かせない。
・  市役所内の3~4年目の職員を集めて組織のこれからのあり方などを話し合っている。民間から転職したものから見ればお役所仕事は「仕事」というより「作業」。無駄が多く残業も多い。若手が他市の状況を調べ、業務改善提案をしたが、反応は「総論賛成、各論反対」。 所属の仕事のみしか把握していないことが原因か?若手で各部署の仕事を紹介する新聞の発行を始めた。一歩前に出る仕事の仕方が出来ないか、模索中。
・ 役所内でOSMをしている。合併が大きなきっかけ。今までの仕事のやり方がみんな違う県のOSMの合宿に参加して、市でもやってみることになった。月に1回テーマを設けて実施している。縦割りで他の部署のことがわからないと言った意見が多い。メンバーが固定してしまったり、「しゃべっているだけでは進歩がない」という焦りが出てきた。なんとか、インフォーマルからフォーマルへ移行できないか?
・  風土改革にはあまり興味がない。何年か前に「ワーキンググループ」を作るのがはやっていた。家庭と仕事の両立を考えるワーキングループで県庁内保育所(今は凍結)を作る議論をした。女性が働き続けるのは難しい。ワーキングを持ち帰って、職場でランチミーティングを実施。「次は必ず違う人を連れてくる」という事で、広がりがあった。みんなが知り合える場を作りたい。キーパーソンがいないと動かない現実がある。一人が突っ走ってもだめ。何か役に立つところがあるのでは?と思い、組合の女性部の役員もしている。今は、次世代育成行動支援計画や「ライフワークバランス」について考えている。
・  図書館司書の専門職。総務としっくり行かない感じがあった。研修所が実施した「OSMリーダー養成講座」に参加。OSMが職場改革の万能薬に思えた。職場に帰って実践したが、結局愚痴の言い合いになり、うまくいかなかった。その後人事交流で研修センターへ異動になった。県民対象から県職員対象のサービス提供へ。失敗もあったが仕掛けがうまくいき、実績を残せた面もある。情報共有:週1回の会議、朝礼、若手の話し合い時間の確保。だが、たてのつながりはやはり難しい。知事が文化力に力を入れるようになった。横断的組織で議論しているが直接関係のない部署は真剣に考えない。モチベーションが下がっている状態である。
・  役所生活31年目。学生時代の流れから職員組合活動に参加するつもりだったが、係長試験の廃止に関する議論に幻滅。(家に帰って勉強するのがイヤだからという組合の主張) 「役所に入って20~30年たってこんなレベル?」という上司に出会って辞めようと思ったことも。役所の職員は偉そうにするかへりくだり過ぎるかのどちらかで,同じ土俵で話をしようとしないと感じて,民間派遣研修制度を20年前に作った。役所の仕事は,アクセルとブレーキを同時に踏む感覚。一所懸命が恥ずかしくない環境を作りたい。できるまで言い続ける粘り強さでは負けないと言う自負。現在の仕事で「人づくりのビジョン」作成中。自立し、繋がりあえ,社会の中の自分のポジションが見える人という視点。自分がやっていく力、周りをつないでいく力、続ける力が重要。
 

2. 自己紹介を受けてのシンキングタイム~次に話したいこと、キーワードの洗い出し~(5分)
・ 静かに振り返る時間は重要。自分で考えることにより、人の話を真剣に聞くようになる。
 

3.発表(一人3~5分)
《出てきたキーワード》
◇ 危機感・・・給料に見合った仕事をしているか。仕事を振り返る機会。
◇ スポンサーシップ。外の応援団。
◇ 同じ思いを持つ仲間の発見方法
◇ 上司のジレンマ。上司に本音を語ってもらうには。上司の人脈を利用する。直属以外の上司の協力。
◇ 一生懸命を理解してくれる人。真摯に取り組む人をいかに発見するか。
 

4.明日の議論に向けて
抽出したテーマは「個人の思いをつないでいくには?~仲間作り」
 


■2日目
1. 昨日の感想、振り返り(一人5分)

・ 危機感→財政などは大きな話だが、予算的なことを明らかにすれば、要望も現実味を帯びる。自分が何をしたいのか下記らかにするとただの要求に終わらないのでは。
・ 県庁に起こっていることを人事と財政のせいにしすぎる。総体で捉える必要がある。他人のせいにせず、県庁の仕組みをもっと良く知って他人のせいにせず、自分で考えるべき。
・ 巻き込み力。自立して広がっていく。継続性など印象に残るキーワードが多い。少しずつやり方を変えて進化していく。継続することが大事だと思う。
・ そもそもなぜここにいるのか?なぜここにいるのか考えたときに、交流会で参加して発言しているようなことを職場で発言できているだろうか?
・ 根本的に職員間の情報そして意識の共有が足りない。CSとかも「人事課がいているからやる」という人がほとんど。
・ 総論が確立していないのに各論をやろうとする。自分の仕事の方向性を明確にすべき。
・ 継続性の難しさ。チョウチョの会でもコアの人がコアになりすぎている傾向がある。若い人や他の人に広げることが大事、ネットワーク作りには楽しいことから入っていくことが大事では?
・ 自立して繋がっていく。人は変えれないからまず自分から。
・ OSM:PRしていても特定の人がやってくる。誘いにくかったりする。結局同じタイプの人が集まる。広がっていくのは難しい。
・ 個人が自立して社会に繋がっていく。点から線。線から面。「線から面。」が難しい。
・ 自分では色々やっている。使命感もあるし、仲間もいる。信頼できる人もいる。でも広がっていっている実感がない。
 

2. ディスカッション
・ 個人としての0から1を生み出そうとする動きが,もう面になっているのではないか?
・ 「マネージメントとしての組織改革」
・ 一言に言ってもどの組織をさすのか?職場?政策つながり?
・ 仕事の仕組みを変えたいときに解決策としてプライベートな部分を使うこともできる。
・ ぶれない自分を持って展開していくことが大事。
・ 組織改革は目的ではない。その先に何があるのか?自分が何をしたいのか明確にする。
・ 自分個人の行動も大事。でも、組織でやると自分の能力以上の結果を出せる。それはいい仕事である。
・ 全体に広がらない場合もある。・・・システム改革にならない?
・ 一歩すみだすこと。それがないとシステムも変わらない。全体に広がるにはタイミングもあるにでは?・・・タイミングもあるが一歩踏み出していないとそれも始まらない。
・ 異動は公務員に付きまとう問題。・・・どこにいても人に働きかけて共鳴する人を探す。それがしやすい環境を作る。それが組織改革では?
・ 前向きに捉えて仕事をするか?何かにおわれて仕事をするか?
・ 公務員は人からほめられてもうれしくない?
・ 個人のスキルをUPすれば、周りに還元できる。ここの議論に参加するのも自分にとってメリット。
・ いい仕事をする人間は「ありがとう」をいう回数が多い。ムード作りの重要さがわかっている。心が硬くなると発想も硬くなる。
・ 最後まで自分の可能性を外に対して開く。怖さを経験した人だから感謝の言葉が出る。
・ 自分の仕事と周りの仕事をちゃんと理解していれば、いざというときに無理がきく。他人のために仕事ができる。
・ ほめる=質の違いを評価する。可能性を模索する。前向きに考える人、意識のある人は質の違いがわかる。
・ 何のために仕事をするのか?ここの部分を話し合うのが意識共有の第一歩。明確なイメージがないとつらいときに仕事ができない。
・ プロ意識を持つ。成功体験が増えるとモチベーションがUPする。
・ つなぐ力、整理する力。物を整理して人をつないでいく力。それが行政のプロ。業務、分野が変わってもやるべきことは変わらない。
・ の仕事は対象が絞れる=切り捨てることができる。行政は切り捨てることができない。そんな環境で仕事をやっているとそれなりにパワーがつく。
・ ゼネラリスト(管理職に求められる能力)になるためにはスペシャリストの自信がないとできない。
・ 情報発信力も大事。
 

3. 全大会に向けての振り返り(3分)
静かに振り返りました。
 

4. 発表(一人3分)
・ 同じ言葉について議論していてもイメージだけで考えていて、みんなばらばらな場合もある。
・ 何もしないよりは一歩踏み出すことで絶対前進している。やり続けることが大事ということを再確認した。
・ 継続することの難しさ。1→100の部分がわからず今まで悩んでいた。でもOSMの関係作りがそれに繋がることが理解できた。
・ 「ありがとう」の大切さの再認識。その言葉で仕事も繋がっていける。
・ 自分の組織、自治体をもっと好きになろう。自分が好きにならない限り住民さんにも好きになってもらえない。お客さんの視点を意識して仕事をして行こう。
・ 自治体は誰のもの?会社と違って参画者もお客さんと一致する市民の立場は参画者でもあり、お客さんでもある。動かすのは意外と簡単かも?
・ 足元から変えていく。自分がビジョンを持って自分にミッションを課す。それが組織改革。モチベーションの維持が大切。
・ ゼネラリストの上に何かを積み重ねたらスペシャリストになれると思っていた。がその「なにか」について考えたことがなかった。飛び出た部分がやれるのがプロではない。
・ これから自分の仕事はいらなくなるのか?それとももっと価値を高めるべきなのか?そういう視点を持つのが大切。自分をしっかりもたなければいけない。間違った方向に進んだときに正してくれる仲間も必要。
・ まず、今自分が何を考えないといけないか。外部環境や制約であきらめている面は何か?未来と自分は変えられる。
・ 自分のスタンスをちゃんと持って変化し続ける。視野を広げていく。
・ 自分がやろうとしていることを思い描いてメンバーに伝える力が大切。
・ 自分の腹に落とし込む。ワンマンにならない。
・ 自分の給与を高いと思う分は,いい仕事をするために自分を高めていくことに投資しようと思っている。自分が笑顔で働ける職場でなければいけないと思っている。
・ OSMってなんだろう?自分がやっていることはなんだろう?常に問いかけながら前進する。0→1の積み重ねが新しいつながりを構築する。
・ しなやかに したたかに 懸命に。
 

<コーディネーターからの感想>
・ 横浜のときより、一歩進んだ議論が展開できた。
・ 前回は、「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」ということで、自分にできることから一歩踏み出すといった議論だったが、今回は「巻き込み力」「つながり」「継続性」というのがキーワードになった。
・ 個人で一歩踏み出した後、如何に周りを巻き込んでいくか?について個人の経験も踏まえながら深く意見交換することができた。
・ また、スペシャリスト、ゼネラリスト、行政のプロ意識といった内容も飛び出して本当に白熱した議論となった。
・ 次回に向けての問題提起として「情報発信力」というキーワードも上げさせていただいた。

分科会3:ナナメのネットワーク 「個人の思いから仕掛ける変革シナリオ」~インフォーマルネットワークからフォーマルバリューの創出~

第3分科会 画像
 

<テーマの概要>
・ 私は、これまで組織風土や職員の気質に色々な疑問を持ちながらも「所詮ひとりで変革していくことは不可能だ」と諦めていました。
・ しかし、所属や役職を超えた同じ想いを持つ仲間と行動する機会を持ち、このネットワークから生まれた意見や提案を、それぞれのポジションに還元することで、事業が展開できた経験をしてきました。
・ 役所の風土は劇的に変化を起こすことは一人ではできないけれど、同じ仲間と共に「それでもなお!」と行動していくことが大切です。そして、そんなインフォーマルな取組みから施策や事業を実現していく事例、探してみると結構あるものです。
・ ひとり「どうしようか?」と悩んでいる方、行動したいが上手くシナリオが書けなくて困っている方、既に同様の経験をしている仲間から気づきと行動のエネルギーを得ませんか?
 

<参加者>
10人(市職員5人、県職員1人)
 

<進行>
日間とも池上コーディネーターの進行で、気づきのゲームを取り入れながら、参加者の思いや悩みを聴き合い、悩み解決へのヒントや行動へのエネルギーが得られるような工夫を行った。
 

<意見交換の概要メモ>
■第1日目

 

1. 自己紹介
●各自自己紹介シートを見ながら簡単な自己紹介
・ 前回の交流会から参加しての引き続きの参加。自分のミッションを考えるきっかけを得たので、今回もいい刺激を受けたい。
・ 市消防局という組織の中でフォーマルからインフォーマルにつなぐ仕掛けに取り組んでいるところ。
・ 交流会には3回目の参加。インフォーマルとフォーマルとの連携をインフォーマル側から取り組んでいる。行革担当とのコラボレーションの取り組み(行革サポーターとしての協力や行革オフサイトの協力など)も行っているところ。
・ 窓口での県民の声をフィードバックするしくみが必要と考えている。
・ すべて真ん中でよいという県から新しい知事の登場により改革の先進県へ。その知事が替わって「大阪のくいだおれ」「京都の着だおれ」と並んで「三重の改革だおれ」ということを言う人もいる。インフォーマルで「自治体職員有志の会」を立ち上げ、全国の自治体職員とMLやオフ会を中心に知恵を共有する場を設け、情報交換や交流を行っている。
・ 改革の部署は過渡期のものとして捉えるべきと思う。
・ 市長の公約で、行革が目玉となる自治体の一つ。改革が当たり前となると不要になる組織であると思う。
・ 行革をもう一年やりたかったが、内部でいろいろあって、この4月全くわからない職場へ異動。私へのバッシングが続いている。都市部の水道局は黒字で潤沢な財源があるために、かえって危機感がなく安住していて改革が進まない。
・ 環境の仕事を長くやっている。経営品質アセッサーの資格も取ったが、環境部での仕事は重い割には職員満足度が最低と思う。当県も環境先進県の看板を下ろしたよう。この春までスリランカで仕事していたが、みんな楽しそうにやっている。帰国後日本では楽しそうにしている人は見かけないという違和感を感じた。「楽しく」をキーワードにしたい。
・ 「違和感の火種」を常に燃やし続けることが大事。
・ 役所に入って、元気に仕事をしてはいけないところを思いこんでいたが、チョウチョの会との出会いにより、楽しく元気に仕事をしている人がいて、そんな風にしてもよいと気づいた。偶然の出会いからインフォーマル活動に関わるようになったが、一人の人間としてよかったと思っている。
・ 「セレンディピティ」という言葉がある。「偶然を幸福に変える力」という意味で、偶然を自分のものにできるかどうかも実力のうち。偶然と思っていることも実は必然で、それをパワーに変えていく力が大事。
・ よく「ネットワーク」というと「人と人との関係」と見られがちだが、「モノと人」や「コトと人」「人としくみ」などもあると思う。
 


2. アイスブレイキング~Win-Winゲーム(ギブ&ギブン)~
●本当の”Win-Win”とは何か、”ギブ&ギブン”とは何かを知り、「一緒に勝つ」「ともにうまくいく」やり方があることに気づかされる目からウロコのゲーム。

 

(ゲームの内容)
・ 「このゲームの目的は勝つこと」
・ 市職員チームと県職員チームの2つのチームに分かれ、10回戦のスコアボードに一つずつ記号を入れていく。
・ 両チームが同時に記号を出し、相手チームがどの記号を入れるかで得点が変わる。
・ 両チームが△なら両チーム共にマイナス2点、自分のチームが△で相手チームが□ならプラス2点で、自分が□で相手が△なら0点、両チーム□ならプラス1点というルール。
 

●対戦結果(時間短縮のため9回戦までとした。)


市職員チーム 計-10
県職員チーム 計-14
 

●ゲームのふりかえり
・ 「ゲームの目的は勝つことです、と言いましたが、勝つと言っただけです。相手に勝つと言っていないのに、勝つと聞いて、すぐに相手を負けさせようとした人はいませんでしたか?実はこのゲームでは両チームが一緒に勝つ方法が一つだけありました。」
・ 私たちの仕事のしかたもずっと△を出し続けていませんか?唯一一緒にプラスになる方法は□を出すことだが、自分から出すのはとても勇気がいること。でもそれを出し続ける行為が大事なのではないでしょうか?これが”Win-Win”あるいは”ギブ&ギブン”の本質です。
・ 「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。」の続きがあって、「自分が変わることで他人が変わる可能性がある。」
・ 皆さんは□のカードを出す勇気がありますか?相手にはねられても□のカードを出し続けることができますか?
・ 互いに□を出すという信頼関係、□を出すことで見返りを期待しない。(フォーマルの中でも財政が□を出したときに□を出せるか?インフォーマルグループの仲間づくりでも、現場と本庁の関係でも。)
・ 行革担当だけでできることは今はない。→庁内ネットワークの重要性
 


3. 意見交換
●「Eメール119番事業」での庁内協力関係の事例
・ 耳が不自由な人の家庭に対する119番サービスを他市で行っていたので、自分のところでも必要と思い、消防だけではできないのでIT担当や福祉担当に協力依頼したとき、「こういう事業をどうしてもやりたいんで協力してよ」とお願いした。それなりのネットワークがあると協力してもらえる。市民にハッピーになってほしいと□を出すと、相手も□を出してくれる。
・ ある母子家庭の母親からもらった感謝の言葉がとてもうれしかったが、あのメールシステムがなかったらその母親は死んでいたかもしれない。「総務や官房系の仕事でも人の命を救うことができる」という気づきがあった。
・ Win-Winゲームでは、両方勝つという考え方がストンと腑に落ちた。ギブ&ギブンというのが自分のポリシーとなった。
・ 私たちの仕事は人の命を救う仕事もある、つきつめて言うと「市民を幸せにする仕事」であり、企業の利益や利潤を追求する仕事とは違う。そこで行政マンとして何ができるか。市民の信託を受けて何ができるか。
・ 行政マンとして、信頼感・正義感・志・使命感・責任感・やりがいというものを大切にしている。「市民の信頼を追求しないといけない」という人がいたが、それは庁内でも同じこと。自分に何ができるか、相手にどううまく伝えるか、答えてくれる人はどんな人か、思いを叶えてくれる人はどんな人かを考える必要がある。
・ Win-Winゲームは非常に示唆に富むものだった。
・ 最近、安部氏の『美しい国』と小沢氏の『小沢主義』を読んだが、私は『小沢主義』の方が心に残った。痛みを伴わない改革なんてない。それが誰にとって痛みが伴うのかが重要。カルロスゴーンの改革は、痛みを伴う改革であったが、退路を断って痛みだけでなく将来の方向を見据えたものだった。
 

●K市の事例について
・ 名古屋市のベッドタウンで人口微増都市。人口30万都市で、職員数は約2500人(消防・病院を含む)。5期の市長が終わり、5月に民間企業から市議を経た市長が就任。
・ 今年から行革担当係長となるが、仕事を頼む頼まれるの関係の限界を感じている。改革疲れで、夢を語っていかないとしんどい職場。
・ 内部ではあきらめ感が蔓延。ウチはこういうところだから仕方がないと勝手にあきらめている空気がある。こういう空気をなんとかこわしたい。幸いうずうずしている若手がいる。「4階の人間という人種」と内部管理系の人をさしていう言葉があり、全体に蔓延しているあきらめムードをどうやって払拭するか。
・ 一方いい上司に恵まれていて、今回一緒に参加させてもらっているが、こういう場を設けて言い続けることの大切さを感じた。
・ 今までの話の中で、2つの収穫があった。一つは180度変わったということ。自分の組織を否定的には見る必要がないということ。本当にやらないといけないことをおさえる。上を向いて仕事をしようと感じた。もう一つは消防の人との出会い。よく職場の消防の人から「役所の人はいいよね」と言われる。自分も役所の人のはずなのに。その言葉にショックを受けていたが、今回改革に前向きな消防の人がいることを発見してよかったので、内部でもぜひ発信したい。
・ 消防とそれ以外で以前は人事交流があったが、今はない。インフォーマルネットワークの必要性を感じている。
 

●H市の事例について
・ 40万人の特例市で、K市と共通点が多い。市長が長期政権で、改革を言う割に固定観念があり、守りに入るきらいがある。「4階の人間」の話もまさに同じ。
・ 「官から民へ」とよく言われるが、本当に全部出してしまっていいのかという疑問がある。現業の仕事など専門職で民間にできないこともある。
・ 40万人都市になってかえってダメになったと思う。若い人の研修制度が最近までなかった。公務員の安堵感に群がるという印象。目標管理のシステムは入っている。今回良いところをみつけようと思った。
・ 行政も経営資源が限られている中で、いかにヒト・モノ・カネを効率よく投入して成果を出していくかが課題となる。機械でできることは機械に任せていく。ただ、市営プールの排水口で女の子が死亡した事件は悪いアウトソーシングの顕著な例(再委託、ずさんな管理)。ただサービスレベルを下げているだけ。安けりゃいいとなれば本末転倒。大切な命を失い、信頼が失墜する。こうしたはき違えがあちこちで起こっている。相変わらずの隠蔽体質と何か起きてからでないと重い腰を上げない対処療法的な対応。「改革疲れ」が悪い方向に行かないことを祈るばかり。
・ 「改革疲れ」という話の続きで、財政難の中で県から市町村へ仕事を委譲しようとしているが、金を出さずに仕事を渡そうとしている。行政同士なのに、なぜ会話ができないんだろうと思う。
・ フェイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションが確実に減ってきている。
・ いろいろと反論する人や声の大きなネガティブな人は、見方を変えれば味方になる。少し変わった人を探し当てるために、自分から声をかける。
・ ネットワークは、まさにネットをワークさせる人、つまり人のつながりを機能させる人こそネットワーカー。
 

●インフォーマルとフォーマル
・ インフォーマルグループがフォーマルな組織とくっつくためにどうすればよいか。仕事としてはできないが、有志で集まるのはできる。オフサイトミーティングで、言いたい放題言える場、悩みを共有し合える場をつくれたらよいと思う。
・ そのポジションで、上司も理解があり、そういう場を求めている若い人たちもいる状況の中で、自分もそう思っているのであれば、あとはやるだけなのでは?私がその立場ならやる。
 


■2日目

1. リスクテイクゲーム(ボールを使って投げ入れるゲーム)
・ルール

 ・ 目的はボールを用意した箱に投げ入れること。
・ ノーバウンドで自分が入ると思うところから投げ入れる。
・ 声を出してもよい。
・ 一人2回投げることができ、入った場合は「グッドジョブ」で拍手、入らなかった場合も「ナイストライ」で拍手をする。
・ アシスタントが箱の横にいて、ボールの取り出しなどをする。
・ポイント
  ・ 参加者は全員自分だけでボールを入れようとしたが、コーディネーターは遠くの位置からアシスタントに声をかけアシスタントにボールを投げて箱の中に入れてもらった。
・ 目的を達成するためにどうすればよいかをいろいろ考えて、協力してもらえる人がいれば協力をお願いするというチームワークについての気づきを得る。
・ 固定観念や壁をぶち破り、前例踏襲からの脱却をする。
 


2. 二日目のディスカッションのために
《まだ解決できていないキーワード》
「チームワーク」「インフォーマルとフォーマル」「組織の壁」「自分が変わったのか?」「元気だけで本当によいのか?」「この交流会で気づきを得られるのか?」
 


3. ディスカッション
●「チームワーク」「インフォーマルとフォーマル」「組織の壁」

・ ナナメのネットワークでは、スポンサーを見つけることが重要。
・ チームワークから思うことは「信頼関係」とそのプロセスの重要性。
・ コアになる4人から始まって、民間出身の副市長を交えてのオフサイトを機に、12人が結束し、メンバー限定の紹介制MLをスタート。シンポジウムやフォーラム、親睦会、バーベキューパーティなどを通じて100人のメンバーができた。
・ リアルとバーチャルの話は、まずリアルから始めないと始まらない。
・ イベントをやったときにアンケート(オープンクエスチョンで記述式)を行ったが、一緒にやるメンバー探しの目的があった。
・ 意識改革から始まる意識改革はない。行動を変えることから始まる。そして、チームワークは行動した結果によってできる。
・ 同じ組織内でも、「壁があるよね」と言う人と「壁はないよね」と言う人がいる。
 

●「コミュニケーション」
・ チームワークのためのコミュニケーションが欠如していることがある。
・ 「常識」とは何なのか?「常識」という言葉にとらわれずに、「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」と問うと、「ああその人の価値観なんだ」と思える。
・ 1対1のコミュニケーションでは積極的傾聴(コーチング)が重要。うまくクレーム処理をする方法。自分中心でなく、相手に寄り添っていくスタンス。
・ 職員同士のコミュニケーションも同じことで、「部下の育成」という言葉も上下関係を意識していて、発想の転換が必要。最近の人材育成は「一緒に成長していくスタンス」。
・ 組織の変革は、まずきっかけを誰が作るか?やはり一人では難しいので、仲間を見つける。
 


4. 「四行日誌」でふりかえり
○ 交流会で発見したこと (事実)
○ 交流会で発見したことからの気づき (気づき)
○ 気づきから得た教訓 (教訓)
○ 教訓から「ありたい姿」を表明する (宣言)
 

(コーディネーターの四行日誌)
○ 第3分科会は1番人気であった。 (事実)
○ テーマも奥深くなかなか複雑であった (気づき)
○ これからも行動していくという教訓を得た (教訓)
○ 次期交流会も運営委員としてやります (宣言)
 

○ ゲームで体感すると非常にわかりやすい (事実)
○ 立ち位置を変えると新しい視野が広がる (気づき)
○ やはりまずは自分から (教訓)
○ 所属するインフォーマルグループで連携の具体的事例をつくる (宣言)

分科会4:マネージャークラスの改革 「立場と思いで進めるマネージャークラスの行政改革」~経験に基づく行革議論あれこれ~

第4分科会 画像
 

<このテーマを選んだ思い>
・ 私たちの行政組織の風土改革には仕事の改善・改革から職場の風通しを良くすること、組織全体の体質改革を目指すものまで大小さまざまだと思います。
・ 私は県の行政システム改革を進めてきた一員として、また、県税事務所長あるいは税務政策課長としての立場をもって県税事務所の体質改革を進めた経験から、行政組織の風土(体質)改革を進めるのにマネージャークラスの果たす役割は大きいものがあると思っています。
・ そこで、交流会では、行政改革推進室長などの立場と改革への思いを持って、まさに組織の体質改革に苦戦しながらも取り組んでいるマネージャークラスの人たちと取り組みの考え方、取り組み方などを具体的に話し合い、アイデアを提供しあえればいいなぁと思っています。
・ 職務上行政改革の推進を背負って苦戦している人たちでぜひ一緒に戦略を相談しあいませんか?
 

<参加者>
9人
 

<進行>
■1日目・2日目

 分科会メンバーは、現在自組織の行政経営改革等に取り組んでいる行政改革等担当課長、係長始め、組織改革経験者、改革支援者の9名で、自己紹介シートを中心に現在の取り組みの状況と今後進めたいと思っていることを紹介しあい、意見交換を行なった。
 意見交換は、特に、行政改革等の担当課長を始めとするマネージャークラスが組織風土改革に果たす役割について話し合った。
 

<意見交換の概要>
・ 職員の意識改革を進めたいと思っているが、どうしたらいいのか悩んでいる。
所属長によって職場の雰囲気が変わる、職場風土改革の答えは現場にあるように思う。 
・ 経営品質向上等を進めているが上滑りしているようにとらえられがち、自分たちが何のために仕事をしているのか全職員に考えてもらいたいと思う。
・ いろいろな課題の中で、市の責任で解決できるものは多くあるのに職員はあれだこれだと動かない。
しかし、部下との信頼関係をつくることが先だったと思っている。
行政を運営から経営へ変えようとしているが出先職員に全然伝わっていかない。
・ 市民の目線、行政コストの意識等市町の要求をどう実現していくかが求められている。
行革推進課長の役割は市町と職員との間の信頼関係を保つことだと思う。
職員は指示待ち族が多くなっている、また、中間管理職が高齢化してきている、役所の中をどう動かしていくかが課題になっている。
・ 組織風土改革についてのコアの部分は行政組織も民間企業も同じだと感じる。
トップは組織変革が必要なことを理解しているが中間層は意識が薄く、そのことが変わりにくい要因にもなっている。
・ 課長レベルの人数が多い、ここをどう動かしていくのか、改革の目をどうつくるかに悩んでいる。
トップダウンを実現するのが課長の役割であり、ボトムアップの取り組みを支えるのも課長の役割。
自分たちも変わらないといけないが、現場で変わろうとしている人たちにどう関わっていけばいいのか。
行政推進室長は黒子でいることが大切。
・ マネージャークラスをどう変えていくかに苦労している。
・ トップが点(ワード)で示した方向を点線で(本当は実線がいいのだが)各部に示した。
→各部はその点線を面にした。
各部が書いた絵を、多少疑念があるものでもまず実現させる。(スポンサーシップの発揮)
改革担当はhowを考えwhatは各部。
 

<一言感想>
・ 意見交換の中でキーワード、ヒントが胸の中にできてきた、点線にして、面にして活かしたい。
・ キーマンは管理職、今まで力を入れすぎていた、今後はもう少し力を向いてやっていきたい。
・ 悩んでいることを打ち明けてみた、ヒントをもらった、これからまとめて、発酵させていきたい。
・ 組織変革における悩みは行政も民間も同じだと感じる。
・ 悩んでいるが仲間ができた、今後連絡も取りたい、役所へ戻ったら波紋を起こしたい。
・ 改革を後戻りさせない方法は、(1)仕組のビルト(2)人を育てること
・ 行政体も変革を求められる時代、行革担当部署は、とにかく組織改革のためのいろいろな改革ツールを学んでは組織の中に導入しやらせようとしがち、組織が変わるにはまず行革担当部署が身をもって変革する姿を見せるのが組織変革の近道だと思う。

事例紹介:三重県税務職場での組織風土改革

事例紹介
紹介者: 三重県 税務政策室長 中西 三紀夫、
  税務政策室副室長 篠原 誠
津県税事務所調査課長 早川 雅彦
元四日市県税事務所長&元税務政策課長 小山 巧
                  (現政策部副部長) 
コーディネーター: スコラ・コンサルト 元吉 由紀子

 

[変革の発端]

 
小山:  平成11年度に四日市県税事務所長、12年度に税務政策課長として、初めて県税分野を経験。
県税事務所長として仕事をしてみて、当時進んでいたシステム改革が地方事務所まで理解されていない、「生活者起点」として取り組まれていないと感じ、職員が自分の思いを自分の言葉で語り、本音で話す場が必要だと考えた。このため、12月にオフサイトの経費を補正予算で獲得して実施。
 また、税務政策課に移動してからは、各県税事務所長の会議を、それまでの年2回から毎月開催に変更し、自分の事務所のことだけでなく、県全体として情報を共有し考えるようにした。また、所長会だけでなく、次長会、課長会も開催するなどの取り組みを進める中で、皆の思いが形になりだした。

 
中西:  私は35年程県税に関わってきている。当時、県税を知らない小山さんが県税事務所長として着任したと話題になったが、長くやっている者には気が付かないところに気が付いて指摘を始めた。
 当時は、北川改革も、本庁ではかまびすしく取り組まれていたが、地方機関ではどこ吹く風という感覚だった。
 県税の仕事は、大きくは、課税(申告させる)と徴収(納税させる)の2つが基本であるが、難しい案件に正面から取り組んでいかず書類の整理だけなら楽に済んでしまう。

 
小山:  私は、県税がどういう状態になればいいのかを問いかけた。課税に関しては、申告数字を調査する課税調査が、徴収では時機を逃さない差し押さえ・公売などの取り組みが必要になる。

 
早川:  当時、桑名県税事務所の課税課長をしていたが、県税を知らない小山所長が課税の目標を立てて取り組もうと言い出しても、皆は受け付けず、楽な目標を立てておこうという雰囲気だった。

 
篠原:  当時はまだ若手だったが、他部門が改革という中で、県税事務所は一番変わらなくてよい職場であり、組合も強く以前の体質を根深く引きずっていた。
 それが、平成12年度に、県税事務所長のオフサイトでの民主主義の根本は税であるとの思いから生まれた「明日の県税を考える会」の納税部会に参加する中で、県税は楽だと言う人間を追い出しても、税に頑張る者だけを残そうというように変わってきた。

 
中西: 「明日の県税を考える会」はその後「県税のあり方を考える会」へと改名し、現場の意見や問題を出し合おうということにした。また、全体会だけでは細かいところまで議論できないので、課税部会、納税部会、自動車税部会、広報部会を設置して、所長・次長だけでなく、やる気のある課長や担当者も参加させて議論することにした。

 
元吉:  本庁が企画して県税事務所に一方通行で流すというのではなく、事務所の所長や次長、課長など横串しをさした会議体を設けて議論するようになった。
 ただし、会議だけでは動かないので、各階層ごとに何人か特定個人に目を付けて集めたのが「明日の県税を考える会」。思いのある人が集まると火がつく。

 
早川: 「明日の県税を考える会・県税のあり方検討会」の部会は、若手も参加して、課長会議では話せないことも話せた。
 


 
[専門能力を高める課税調査班の設置]
 

 
中西:  このような議論の中で平成13年度に生まれたのが、「課税調査班」である。それまで、申告書を受け取っても、それが妥当なものかどうか相手のところまで行っての調査ができていなかった。そこで、全体で6人の課税調査班を設けて、3人1組ずつに分かれ、それぞれが3か月ずつ各県税事務所に巡回駐在して、県税事務所の職員と協力して調査をすることにした。全部で8つの県税事務所があるので、2チームがそれぞれ年間4か所の事務所を回ることで、全ての事務所をカバーできることになる。この調査班は、3か月ごとに移動するので、ジプシー部隊とも呼ばれていた。

 
早川:  最初は、事務所の職員からは「何しに来たんや」と疎外された感じで一緒に調査に出ることもできない状態であった。そこで、1年目は調査の方法を事務所の担当者に指導するようした。すると、事務所の職員も、調査班の仕事を見ていて、自分もやってみたいという意識になり、だんだんと事務所の職員も一緒に参加するようになっていった。
 調査班スタッフの中でも、自分の専門能力が上がっていくのを実感し、調査班から出たくないと言う人も出だした。

 
元吉:  調査能力を高めるためには専門性が必要。国税の職員は初めから税を専門とするという前提で採用されるが、県税の場合は、人事異動で移ってくるというところに難しさがある。そこで、専門職制度を設ける動きが出てきた。

 
早川:  三重県でも3~4年で異動するが、自分で手を挙げた人を年に2~3人、税のプロフェッショナルとして育てるようにした。また、他に経験者をアドバイザーとして任命し、8つの県税事務所に専門力を活かす横のネットワークも作るようにした。

 
中西:  県税職員240人中150人までを動員して20~30か所を強制立入調査した軽油に関する取り組みも行なった。これについても、県税職員の、公平・公正が一番大切という思いが背景となっている。
 このような積極的な取り組みをしていると、納税者にも胸を張って自らの取り組みを言えるようになり、職員の目が輝いてくる。職員は、つまらん仕事をさせるとつまらん目になってしまう。
 


 
[現場と本庁をつなぐ特別徴収機動班]
 

 
元吉:  課税が質を上げている中で、収納も、特別徴収機動班を作るという話になってきた。事務所側が、本庁任せではなく、自分たちもやりたいから本庁は力を貸してというスタンスになってきた。

 
篠原:  公務員は基本的にはまじめである。自分の意識上はまじめに一生懸命やっているつもりでも、徴収の場合、相手がやくざだったり、金がないと言うなど難しい案件が多いので、「忙しくてできていない」などと言ってしまう。本庁がやれと言っているだけではだめ。
 本庁の納税支援グループを8人体制に強化し、非公式名称ではあるが「特別徴収機動班」として平成16年度に立ち上げた。地域が自らやろうするところを本庁が応援するという体制をつくった。組織上の正式名称ではないが、議会への報告書などにも使っている。これは、30歳前の女性職員の「自分も頑張るがそれをバックアップしてくれる後ろ盾になる組織があればもっと頑張れる」という言葉がきっかけになったものである。組織として取り組んでいく中で、トラブル案件について、それまでの寝た子を起こすなという意識が変わってきた。
 特別徴収機動班とともに、市町村の一部事務組合として、「三重地方税管理回収機構」を茨城県に次いで全国2番目に設置した。
 


 
[柱にある税務の理念と行動指針]
 

 
篠原:  平成12年度に、税務の理念と行動指針をまとめた。最初は、そんなものは無駄という指摘もあったが、その人に、それではやるべきことがちゃんとできているかというとできていない状態で、どうすればいいかアイデアを出してくれといっても出なかった。
 アイデアは上からも下からも出して、実現するのは上の判断。
 最初は、風土改革をそんなに意識はしていなかった。それまでの県税部門は、上位下達の体質だったが、現場の課題や問題点と下の人が思っていることから変えて、政策に反映できるように、当たり前のことができるようにしたいとの思いであった。
 その結果が、他県の人と話をしてみて、三重ではある程度出来ているのかと思うようになってきた。
 課税の取り組みを見て3年遅れで始めた収納の取り組みも、平成15年度には全国33位だった徴収率が平成17年度には15位にまで上昇した。この時には、全員に室長から感謝メールを出した。 

 
小山:  自分が初めて税の分野に異動となり県税事務所長になった時、仕事のことは分からないが、疑問点は沢山あったので、それは何か、どうしたら出来るのかを聞いて回った。役職者別や一般職員とのフリートークも行い、沢山話を聞いて、どうするかを考えた。
 その中で、一番大切なことは、納税者の立場から考えるというように考え方を変えることだと思った。どうして税が払われないかを考えると、払った税が何に使われているか分からないということがあったため(点があり、それでは:削除)、税金を何にどう活かしているか説明できるようにならなければと考えた。
 組織の体質を変えていくには、トップが逃げない姿勢を示し、話を良く聞き、努力をすることが大切だと思う。 

 
元吉:  オフサイトだけでなく、行政経営品質、ISOなどの仕組みも活用して、眠っている問題意識を引き出す場をつくっている。そして、その場から出てきた意見・アイデアを実際の動きに変えていく人と人、階層間、組織間のつながりをつくっている。一発ホームランを打って終わりではなく、地道にヒットを打ち続けながら、チーム全体が強くなっている。
 

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