Network

2007年 冬の世話人交流会レポート

開催概略
参加者が所属する団体 朝倉市(福岡県)、愛知県、(財)淡海環境保全財団、大分県、大阪市、大野城市(福岡県)、香川県、春日井市(愛知県)、神奈川県、金融庁、滋賀県、スコラ・コンサルト、津市(三重県)、富山県、内閣官房、西宮市(兵庫県)、廿日市市(広島県)、東近江市(滋賀県)、彦根市(滋賀県)、人吉市(熊本県)、広島県、三重県(五十音順)(合計44人)
開催日 2007年2月10日(土)~11日(日)
会場 広島市まちづくり市民交流プラザ
全体の流れ

2月10日(土)
13:00 開催案内
          (交流会の趣旨・目標・お約束、スケジュールと会場説明)
13:10 自己紹介(1人1分スピーチ)
13:50 分科会紹介
      コーディネーターから前回の分科会のエッセンスを含めて紹介
14:00 分科会《その1》
19:00 懇親会
20:00 1日目終了
 

2月11日(日)
 9:30 滋賀県”チョウチョの会”の成長経緯を紹介する「プロセス対談」
10:30 分科会《その2》
12:30 全体会
       ・各分科会からの情報共有
       ・各自から一言感想
13:30 解散

今回の運営チーム 池上 順史(札幌市)、小山  巧(三重県)、渋谷 克人(富山県)、初宿 文彦(滋賀県)、中西 大輔(滋賀県)、杉田 水脈(西宮市)、橋本 康男、三好 弘泰(広島県)、元吉 由紀子(スコラ・コンサルト)
会の特徴

 世話人交流会は、通算14回め。今回は、三重県で開催した2006年秋の会に初参加した広島県の世話人より、「次回はぜひ広島で!」という呼びかけがあり、広島での開催となりました。広島で芽生えつつある世話人のネットワークづくりを応援しようと、全国から多数の世話人が集まりました。距離が近いこともあって、関西以西のメンバーが多くなっていたのが特徴の一つでもあります。
 運営方法のベースは、前々回からの流れを受けた4つのテーマでの分科会を中心としたものです。分科会の回数が重なるにつれ、テーマごとの特色が現れてきたように感じられます。恒例の自己紹介シートの準備も整ってのスタート。1分科会の人数も話し合いが可能な10人程度で、2日かけて同じメンバーでじっくり話し合うことができました。
 懇親会は同じ会場で軽く歓談した後、さらに広島名物「お好み焼」ツアーにでかけて、ワイワイ心もお腹もいっぱい楽しい夜を過ごしました(^^)。
 なお、2日目の始まりには、今回の開催地である広島県のネットワークが、滋賀県と同様に「オフサイトミーティングを活用して職場改善にチャレンジする世話人の養成研修」をきっかけにしていたことから、滋賀県チョウチョの会のメンバーがそのルーツから現在に至るまでの成長経緯を紹介する「プロセス対談」を行いました。滋賀県のメンバーにとってもよい振り返りの機会になり、同じチョウチョの新メンバーから「そういう経緯があったとは知らなかったなぁ」と新たな発見の声が聞こえてきた次第です。
会の最後には、「次回は人吉で!」とのかけ声がかかり、次の開催地はさらに西へ移動して、熊本で熱い夏を迎えることになりました。
 広島県のみなさんいろいろとお世話になり、本当にありがとうございました!!

 

滋賀県 “チョウチョの会” の成長経緯を紹介する「プロセス対談」

紹介者: 滋賀県庁 初宿 文彦、 堤 辰也、 中西 大輔
コーディネーター:  スコラ・コンサルト 元吉 由紀子

 

チョウチョの会の発足に関わった3名から、会のルーツから現在に至るまでの経緯について紹介。

 

1.チョウチョの会が生まれる前
2001年   庁内電子会議室「次世代の行政システムを考える会」が開設された。
この電子会議室のオフ会から、後にチョウチョの会の発足にも関わる自主研究グループ「次世代の行政システムを考える会」の活動が始まる。メンバーは熱い思いを持っていたが、その思いはなかなか実際の変革行動には繋がらなかった。


 
2002年   伊藤忠商事より行政経営改革ディレクターが赴任。目標管理の導入や、職員の意識改革などに様々なアドバイスを行い、職員とも積極的に対話をされた。
 
 

2003年   行政経営改革ディレクターの発案により、行革の取り組みである「県庁改革実践運動」に職員有志のサポーターが創設され、後のチョウチョの会のメンバーも参画。フォーマルな改革にインフォーマルな人のネットワークが関わる一歩となった。
一方、政策研修センターでは、オフサイトミーティング(以下、OSM)を活用する組織風土づくりのための世話人養成研修が実施され、研修を受講した世話人がスポンサーの支援を得ながら各所属でOSMを開始。

 

◆同じ時期、同期入庁の職員による自主研究グループ「スキルアップ研究会」が発足。そのメンバーも、上記の研修に参加し、OSMを実践。

 

2.チョウチョの会の誕生
 2004年 行政経営改革ディレクターの職がなくなることや、OSM研修が翌年で打ち切られることが決まるなど、組織風土改革の取り組みに大きな状況の変化があった。
 こうした状況に危機感を持った、上記の世話人や「次世代の行政システムを考える会」、「スキルアップ研究会」のメンバーなどが、北川正恭氏の「北京の蝶々」の話に感銘を受け、滋賀県庁でも北京の蝶々を飛ばそうと決意。
 その数日後偶然にも、行政経営改革ディレクターの思いを引き継ごうと、「スキルアップ研究会」主催で、琵琶湖に浮かぶ沖島の民宿で「沖島1泊オフサイト」が企画されていて、上記のメンバーなどが、行政経営改革ディレクターとともに、ろうそくの明りのもとで一晩中熱く語りあった。
 その数週間後、「北京の蝶々」を飛ばす決意と、沖島での熱い思いが繋がり、「チョウチョの会」が発足した。

 

3.チョウチョの会の現状
 当初はインフォーマルな自主グループだったが、県庁改革実践運動などフォーマルな取り組みとのコラボレーションを通じて、スポンサー役となる幹部職員も増えてきた。
 発足1年後には、「公務員の組織風土改革交流会」とタイアップし、滋賀での交流会を開催するとともに、北川正恭氏を迎えて、400人規模の「1周年記念フォーラム」を実現した。(一つの大きな成功体験)
 また、2周年の自治体職員交流会をきっかけに、県職員だけでなく、市町の職員にもネットワークが広がっている。

 

4.まとめ
 チョウチョの会の活動がここまで広がるとは、最初は予想していなかったが、今振り返ってみると、いろんな人との出会いから、気づきの輪が広がっている。今回、プロセス対談で「チョウチョの会」を取り上げていただいて、大変感謝している。このプロセス対談のためには、「ふりかえり」が必要だったから。この「ふりかえり」が私たちにとっても大変有意義だった。この「ふりかえり」でわかったことがたくさんあったが、その中で特に発見だったのは、インフォーマルとフォーマルの取り組みの間で、私たちの知らないところでもつながりがあって、連携が既にあったこと、そして、この交流会の分科会の4つのテーマがすべて「チョウチョの会の系譜」の図に入っていたこと、さらに、外部への広がり(市町職員との協働)という意味では新たな第5のテーマまで含んでいたことであった。変化はすぐには起こるとは限らないが、粘り強く継続することが一番大切だと実感している。



 

【分科会1】 ゼロからの改革 ~公務員としての思いを大切に、初めの一歩を踏み出す人向け~

【このテーマを選んだ思い】
公務員として少しでも社会のためになる仕事をしたいと思っている人は沢山います。でも、なかなか、その思いが周囲に伝わらず、落ち込んでしまうことも少なくありません。昨日も今日も明日も同じメンバーで仕事をする無風状態の組織の中での変革の難しさがあります。
でも、変わらないと思えてしまう組織の中にも、同じような熱い思いを持ってこつこつと頑張っている人は沢山いるはずです。そんな人たちと思いを共有することができれば、自分の仕事ももっと楽しめるし、可能性も広がるのではないでしょうか。
理論だけでは割り切れない人間関係の中で、変化を生み出していく取り組みの進め方について、語り合ってみませんか?


【一日目】

進め方の説明
一人15分ずつ語り、一旦静かに振り返る…みんなと一緒に語りたいキーワードを3つあげる。3つのうち1つは両隣の人の話から引き出す。


  →一人3分ずつ発表(3分×10人=30分)
  →本当に話したいことを1つ決めて明日への問いかけを行う
  →次の日はその問いかけに対してみんなでシェアリングする

 

自己紹介 (一人15分×10人=150分)
・ 昔から自分がやらなければという想いでこれまでやってきた
・ 組織は変わらないがそのまま終わってしまうのはイヤ
・ 自分だけの力では組織において限界がある
・ 「一生懸命が恥ずかしくない職場づくり」を目指したい
・ TQCとかじゃなくって、やっぱり対話が基本なんだ!
・ 個人の信念のブレイクスルーと組織のブレイクスルーのポイントを考えたい
・ 周りがどうあれやり抜くこと(信念)+組織の中で一生懸命できること(場づくり)が大切では?
・ オフサイトの流れ以外に自分にできることがまだあるのではないか?
・ 多くの専門家が求められる時代。専門家をつないで活かせることができるのは行政職の役割では?
→ゼニカネじゃない公務員の魅力。社会の原点を青臭く議論できる組織
→自然にできる風土さえあれば、肩の力を抜いてもっと効率よく仕事ができるのではないか?
・ OSM(オフサイトミーティング)との出逢いは柴田さんの“なぜ本”から
・ 去年からOSM世話人研修を受講(一期生)
・ 一生懸命が恥ずかしくない雰囲気
・ もともと自分から手を挙げるタイプではなかったが、待っている余裕がなくなった。
・ 一期生は元気な人が多い。上司も応援してくれる。でもやろうとすると周りの反応が…
→つらくなってヘコんだ経験…なかなかできない
・ 自分のOSMへの想いは本物だったのかどうか?
→やりたいのは間違いないが、「打たれ弱さ」を何とかしたい!
・ 組織には追い風が吹けばいける人、逆風でもいける人などいろんなタイプの人がいる
→大多数の人は本当は動きたいはず→OSMで風土を変えたい!
・ できない理由…自分の怠惰?反対されることがイヤだから?時間が作れない?家庭の問題?(家庭内OSMも必要か??)
・ きっかけは合併。10万人の市~4000人の村までの合併。職員も3100人を越える大所帯
・ 合併後の文化の違いに「違和感」
→時間が経って「慣れてきた」。変えたいという想いが感じなくなった…
→何も変わっていないのに感じない
→パワーがなくなった?元気がなくなった?大人しくなった?
→外と中の意思疎通ができていない。
・ 合併はチャンス!
・ やりたいと思っている職員をどうやってつなげるか?
・ モチベーションをどうやって保つか?
・ 最近職場の人と会話しない
→昔はよく話した。余所の話にも首を突っ込んだのに…
  お互いの仕事の話を良くしていた。
 ※グループ制、一人一台パソコンの導入あたりからおかしくなった?
  「となりは何をする人ぞ」…もっと会話をしたいのに、蔓延的に話をしない状況話すと陰口をたたかれる
・ 今は半分の職員数
→どんどん人が減っているだけ。残っている人は会話をしない
→組織が硬直化している
・ OSMとの関わりは先輩の立ち上げた研究会に参加
ただ会は実質休眠状態。これから残ったメンバーでどうやっていくか?
・ OSMを続けたいが、目的も必要ではないか?
→OSMで話したところで「次どうなのよ?」→答えられない、わからない
→OSMをやることの意味って?
→OSMで閉塞感を打破し、雰囲気を良くしよう!
・ 他流試合の大切さ…自分の視野を広げる、自分の座標位置を見つめ直す
・ OSMのグループ…自分の立ち上げたグループは「アングラ組織」
→公表しない、名前も決まっていない(「毛糸の会(仮称)」)、メンバーもいるようでいないようで活動も不定期、飲み会がメインになりつつある…
・ 研修所勤務時代、風土改革講座を3年でやめた張本人(その後自主グループにシフト)
※公式の講座をなぜやめた?
→風土改革が「逆方向」に向き出した。
 世話人が自主的に出てこない。手を挙げない。
→一本釣りするが“仕事になってしまい”、「気がエラくなる」(何もできない)
 公表しないところから始めよう。「ゆるやかなネットワークづくり」
 “続けること”が一番大切
・ 10年もやり続ける「改革」は本当の「改革」か?
→改革の中身って?本当に改革はできるのか?
→個人の想いと組織の壁。
・ 組織に同化してしまう。組織との距離をどうとるか?
・ 教育委員会3年目。それまでは高校教師。
・ 現場では、「やればできる」という成功体験
・ その後教育委員会へ転勤
→やりたくはなかったが、イヤではない。「与えられたことにベストを尽くしたい!」
・ 今、元気がない…
学校現場にいるときは教師としてやりがいがあった
・ チームで仕事をしなさいと言われるが…実際はみんな自分のことばっかり
・ OSMのテーマとして「チームの仕事」でやってみた
→少しずつ元気を出すようにしたいが、この先どうするのか?
→OSMで突破口がみえるかもしれない、できるかもしれない。
でも自分自身元気を本当に取り戻せるのか?
・ 他流試合で元気をもらった経験。今回も期待したい。
・ 現場のOSM 毎年同じ悩みを言っているのに…
・ 日頃の問題意識を話し合った→なんとかしなくちゃいけないんじゃ?
→学校事務の非効率さを訴えた
・ そこからOSMにシフト。現場から10人ほどあつまり問題提起
→わからないことは上に聞くのではなく、自分たちの力で問題を解決する力をつけないと!
・ 話の中で主張が出尽くすと、「答えを出さなきゃいけない雰囲気」に
・ 「小さなことでもおかしいと言える雰囲気」が大切では?
・ ホームページを見て参加。他の自治体職員と交流したかった。
・ 「24時間体制の職場」
・ 職場の雑談。課長の雑談が多い:“雑談ばかりで肝心なことを話してくれない”
→上と下の連携がとれない!
・ 24h体制の仕事は引き継ぎが上手くないと回らない →意思疎通を上手くしないと…
・ H15頃から勉強会をスタート。
→同じメンバーでは「愚痴会」に…
→…裏でやっている活動の限界。「広がらない」
・ 裏の活動がいきなり表の最前線に出てしまうと、強烈なバッシングにあう。
・ 自分ができること、自分が変えること、自分がやること

<キーワードのシェアリング>
コミュニケーション、意思の疎通の持ち方
自治体の方向性。合併後の自治体経営
自分の想いとの戦い。打たれ弱さを何とかしたい
雑談できる、できないの環境の差。雑談のできる職場の作り方
青い鳥症候群の職員
個人と組織の関係をどうやってつくっていくか?OSMでのメンテナンス
チームで仕事をするとは?仕組みだけではない何か。
モチベーションを保つには?元気の維持、壁の打破にも共通しそう
「輝いていない自分」
壁に当たってどうしても元気が出ないとき(スランプ)。
求められていることに答えられない自分→「自分らしくない」
合併で違う文化の人間関係。風通しをどうやって良くするか?
自分が何かしないと始まらない。自分の中のテーマ設定を
変えたい人をどうやって動かすのか?
何かをやろうとしたときの“カベ”
上からの妨害、横からの妨害→乗り越えた経験を聞きたい
個の力と自分の中にあるカベ
一生懸命さが恥ずかしくなってしまう怖さ→個だけの限界
「怒り」(良質な怒り)が原点になる。不満を言っている自分も腹立たしい…
一生懸命が恥ずかしくない環境
 →当たり前のことが当たり前にできる組織
組織=ヒト+仕組み
  =(ココロ+カラダ)+仕組み
    ココロ…タフネス、人間関係、モチベーション
情報の共有
  ビジョン、元気、ミッションの共有。でも共有って何?

<今日のキーワードの整理、明日に語りたい内容について>
・役所ほど組織のビジョンを明確にしていない組織はない
 県の使命→部の使命→課の使命→係の使命→職員個人の使命
  使命:最終目標は「市民・県民の幸せ」である!
    “市民を笑顔にすること”が使命なら、自分たちが笑顔で仕事をしないと!
・組織の2-6-2の原理
 放っておいても自分で火がつけられる人間(2割)
やらないが火はつく人間(6割) → オフサイトをやればここに火がつく!(オフサイトの意味)
火がつかない人間(2割)
・2-6-2の最後の2のグループをどうするか?
 どうしても乗っかれない人達…とりあえずは6を考えよう!そこをやる気にさせることが大切
・6割を燃えさせるには?
 しんどいと逃げる、でも頑張りたい…「ヒトのため」なら頑張れる!
 OSMの実施→愚痴の言い合い→相手の困っていることを何とかしてあげたいという心の変化
  →もう少し頑張れる、一歩を踏み出させる。
 ※その前に「本当に自分は上の2割なの?」という問いかけを
・オフサイトの効果
 自分のモチベーションは自分で維持できる。でもこれでは「線」までで止まってしまう。
 →点・線の力を「面の力」に広げていくのがオフサイト
・点から線、線から面への広がり
 システム一辺倒の「改革疲れ」→OSMでできることとは?
  →“これでできるんだ”という「安心感」の議論、夢を持てる話をすることが大切
・職場でやるオフサイトと職場を越えてやるオフサイト
 職場を越えてやるオフサイトは仲間発掘の面がある。「同じ想いだ」「共感できる」
  →個人の内圧、職場の内圧、組織の内圧を高める効果
・職場の力を高めるオフサイト
  ヒトとヒトのつながりをつくるだけではダメ。仕掛ける人間の力にならないと
  テーマを上手く引き出すには?
  オフサイトで仕事の悩みのヒント、解決の糸口が見えるかもしれない 
  自分たちのミッションを明確化できる効果もある
・聴くことの大切さ
 考えをじっくり聴いてもらえれば、納得はできる。上司の一方的な言い方は異常である。
・インフォーマルとフォーマルの連携
 フォーマル組織でなかなか思い切ってできないこともインフォーマル組織なら思い切ってできる
 →成功体験の積み重ね、共感、安心、自信につながる
 →フォーマルに展開できるエネルギーがもらえる


【二日目】

<昨日のキーワードの整理、夜の交流、プロセス対談をふまえて話したいこと>
・個と組織のつながりについて
 個人の力の限界とチームの限界。点から線、線から面への展開
・雑談の効用
・失敗をおそれずにやってみると言うこと
 やらずに愚痴を言うよりもとにかくやってみる
  →勢いにカラダがついてくる瞬間が必ずやってくる
・失敗の概念の変化
 失敗してそこで終わってしまうことが本当の「失敗」。失敗してもやめずに続ければよい。
 心と体がついていくならやり続ければよい!
・オフサイトの呼びかけをどうする?
 目的をはっきりさせないといけないのか?
 →オフサイトを呼びかけても人が集まらない…「トラウマ的経験」
  話せば色々出てくるのに、話す場にヒトが集まらない
 →誰でも「一人オフサイト」の時代がある。やり続けることが大切なんだ
 →目的設定はあまり難しく考えず過ぎず「自分の想い」、「問題意識の共有」で集めてみては?
・組織の閉塞感…変えたいと思っているヒトはたくさんいる。でも何をすればよいのかわからない
 →どこに問題があるのかを明確にするためにオフサイトをするものと思っていた
 →でも実際のところ問題は一つではないし、解決は簡単ではない
 →とりあえず問題意識のある人と話をしてつながりを作ることから始めてはどうか
・2の人間が花火になってしまってはタタかれてしまう
 →自分たちがそういうつもりでなくても出る杭はたたかれてしまう…
  (自分たちの想いと周りの自分たちへの見方とのギャップ)
・2-6-2の立ち位置は、いろんな場面がある!
 誰にでも2になるときもあれば、6になるときもある。
・つぶれてしまう職場…自分の仕事は自分が何とかしないと!という雰囲気
 →助けてあげる、声をかける、支え合う…「ない」
 →助け合える職場をつくるには?→OSMの出番だ!
 →OSMで仕事以外の人間関係ができる→しゃべるようになる
  助け合う関係づくりへの第一歩になる
・OSMを成功させるには?
 自分自身の動機付けとして、「絶対に成功させたい」という想いを持つ
 →一生懸命根回し、協力を取り付ける努力、やろう!という空気づくり
  参加した人が「よかった」と思える場づくり、和む空気づくり
・OSMの理想をあまりにも幻想化しすぎてはいないか?
 →OSMをすれば問題が解決するわけではない
  「かくあるべし」「自分を律しないと」と言う考え方→失敗する
 →できない自分もいるし、うまく行かないこともあるんだという想いの共有
 →同じ悩みを持つ「仲間」が広がる。元気も出る。
・OSMのやり方で「弱みを見せて一緒に困ろうとする姿勢」
 →オフサイトの基本はこれだったのだと再認識。
  弱みを見せることは場のムードを変える力がある
・職場内のOSMをやっていくのはやっぱり難しい
 →インフォーマルならやりやすい。感性が合うヒトが集まれば、元気ももらえる。
 →職場内OSMで「成果」を求めすぎてはいなかっただろうか?
  成果が出ないと続けられないという雰囲気になってしまう。→結局やめてしまう…
・自分らしい自分でいられるためには?
 →職場の中ではどうしても「自分を殺す」場面が出てくる。(「しがらみ」)
 →インフォーマル活動は「自分の意志」でやるもの
  これだけは自分の意志で続けたいという想い=自分らしくあり続けたいという想い
・「目的」の考え方
 2種類あるのではないか?
  「何とかしたいという自分の想い」+「具体的なテーマを深めたい」
 →自分の想い=歩みを続けていくための「よりどころ」
  成果を求めずにやり続けることが一番大切
  そもそもの原点は、カチンコチンの組織を変えたい!という強い想いのはず。だからやり続ける
  「テーマ」も全員が共有する必要は必ずしもない
 →やってみる(実践)→かわる(成功体験)→わかる(気づき)→よかったねぇ
   ※体験して自分で気づくこと、わかることはたくさんある
・風土改革にはいろんなステップがある。
 「土を耕す」「種をまく」「水をやる」「肥料をやる」「草を刈る」「収穫する」…
 耕してもいない状態で種をいきなりまいてもうまくいかない。
・2種類のオフサイト
 職場内オフサイト(広島タイプ)と職場を越えたオフサイト(香川、滋賀タイプ)
 →どちらの側面も大切。2つを並行してやっていこう!
  そのときの自分の想いを大切にやり続けることが大切

<まとめ>
・点から線、線から面への広がり
・雑談の効用
・職場内(フォーマル)OSMと職場外(インフォーマル)OSM どっちも大切
・一歩踏み出せないカベ
  →とにかく動かないとほぐせない。→動けばほぐれるしもっと動きやすくなる(好循環)
・想いの原点…「良質な怒り」「逃げることのできない環境での覚悟」
  →結局のところ「やるのは自分」原点の想いを大切に一歩を踏み出そう 

【分科会2】 職場でできる変革 ~小さな取組みを組織に広げていきたい人向け~

【このテーマを選んだ思い】

・ 私は組織風土改革の必要性は感じているものの、旗を振って変えようとするほどの勇気もなく、まずは自分から変わり、それが職場に広がってくれることを期待するような、慎ましい取り組みをしている者です。
 でも、「それじゃ、道は遠いよなぁ~」とジレンマも感じています。 
・ 同じ悩みを持つ人がおられると思いますし、そうした方達と一緒になって、それにどのように向かっていけばいいのかを見つけられたらいいなと思って、この会に参加しています。
・ 身近な職場で何かを変えようとしている人が集まり、その取り組みを紹介しながら、 何故それが職場に広まらないのか、そして広めるにはどうしたらいいのかなどについて話し合ってみませんか?
 

【進行】 1日目、2日目ともに
・ プロフィールシートを基に、自己紹介や現在の課題、悩みなどを紹介
・ これに対する問答や意見交換などにより、悩みや想いなどを深堀するが、結論は求めず
・ この進め方で、一人ずつ順に進行(一人当たりの制限時間なし)
・ 前回に引き続き、一人につき1時間以上語らうこともあり、最後は駆け足に(毎回、同じことを繰り返しています。猛反省!) 

 

【コーディネーター役からの感想】
 この分科会を立ち上げたときから同じなのですが、語らいを通じた自分の想いの顕在化、そして安易な答えを人からもらうのではなく自分で次の一歩を見つけ出すこと、この2点の実現に気をつけながら、進行させていただきました。
 今回も、たとえ組織が異なっても想いを持った方々が集まられたわけですから、私があれこれ気を使うまでもなく、これらは実現されていたように思いますし、私自身はとても有意義な時間をいただいたと感じています。
 答えを求めない語らいを心地よく感じたのは自分だけでしょうか? 異なる組織の方々ともこうした時間を共有することができるのですから、自身の職場でできないわけがありません。できないのは照れや肩書きを意識する自分、そして一歩を踏み出す勇気がないためなのだと痛感します。

 

【意見交換のポイント】
※ 解説
 今回の交流会のキーワードは「広島の謎」。
参加者の多くが、風土改革の必要性、そして改革を進める際のオフサイトの有効性を感じているものの、組織として認知されないジレンマを感じている中、広島県で一人の仕掛け人の想いによって、昨年度から組織としてオフサイトを広める取り組みが進められているという事例が紹介されました。
 参加者の知りたいことはただひとつ、「どうしてできたの?」。
 広島の仕掛け人の答、「できちゃったんです」(笑)。
 その謎解きに多くの時間を費やしたのですが、結局、謎は解けませんでした。でも、その間にやり取りされた語らいが密度の濃いものであったことから、後日、参加者の皆さんから多くの感想が寄せられています。

それらをご紹介し、意見交換のポイントとさせていただきます。

(広島県以外の参加者の方々から)
・ 広島県の事例をご紹介いただいたときに、「そんなにうまいこといくものなのか?こんなにうまくいく人が、真の“世話人”であって、自分は世話人交流会に参加できる立場なのか」とショックであったことを覚えています。
しかし宿に帰って自分の組織と広島県、さらに広島の仕掛け人と私の違いってなんだろうと考えたときに、仕掛け人にあって私にないものに気付かされました。
それは「思いと熱意」です。
元吉さんにも翌日指摘を受けましたが、「このままじゃまずい」という抽象的な思いがあっても、仕掛け人ほど「どうしたいのか?」という思いが明確ではなかったこと、自身の取り組みでは目先の調整を優先し、本来の目的を忘れているのと比べ、伝わらなくても自らが舞台でオフサイトをしたという熱意が広島県の皆さんを動かしたということです。相手の心に打つものがなくて共鳴はしない、言われてみれば当然なことだと思いました。
・ 第2分科会のメインテーマになった感がある「広島県の謎解き」は、オフサイトをやっていない私にとっても、非常に示唆に富む内容でした。
仕掛け人が自分自身の困りごとを自分で何とか解決できないかと考えたときに、オフサイトという手法を見つけて、周りを巻き込んでいくプロセスが、純粋に「すごいなぁ~(*_*)」と思いつつ、ボトムアップであるこの取り組みが、広島県という大きな組織の中で「何でそこまでうまくいく???」という疑問も併せて浮かびました。
 これはあの場にいた広島県職員以外の皆さんに共通した思いだったのではないでしょうか? 決定権を持つ主要ポストにある方たちを、いかにその気にさせたのかというお話を、仕掛け人にぜひ次回人吉で語っていただければと思います(と無理やり人吉に繋ぐ。(笑))
・ 今回の第2分科会は、やっぱり「広島の謎」に尽きますね。(笑)
仕掛け人の「できちゃったんです」の話の裏には、いろんな苦労があったはずですが、「できちゃった」ので、苦労じゃなくなってるんだろうな~と思いながらお話を聞いていました。
 何年か後にふり返って整理されてみると、きっと、いろんな要素(人やタイミング)が繋がって「できちゃった」ことがわかって面白いと思います。
 交流会ではその全容は謎に包まれたままでしたが(笑)、あの場だけでも、仕掛け人以外の広島県の方々が持っておられた動機や、既に持っておられた人の繋がりが、結びついていたことはよくわかりました。
他の方もおっしゃっていますが、ぜひ、次回、人吉でその全容を明らかにされたし。(笑)「その後の広島」を追跡していくのも楽しみですね~(^^;
あちこちの「できちゃった」と「できない」を持ち寄って、謎解きをしながらいい時間を過ごしましょう!(^^)/
・ まず「広島県」の事例は、すごいなあと思いました。
最後の感想の時にもお話ししましたが、自身の組織で人事課と研修所と行革室といったところは3すくみ状態ではあっても、連携するってのは想像もつかないし、人事の部門とはいえ、ボトムアップで持って行って、よくわかっていない人事室の面々をステージの上にあげて、オフサイトをやってしまうってのもすごいです。
県という大きな組織でなぜ出来たの??っていうのが、やっぱり知りたいと思うところで、仕掛け人個人の思いから周りの人をどう巻き込んでいったのかというプロセスを、人吉ででも聞けたらと思います(^^) 

(広島県の仕掛け人から)
・ コーディネーターの方は昨年私のいた人事室の上司にとても似ている感じがあって、部下の思いを引き出してくださり、部下が主体的に動けるよう見守ってくださる「人を育てる上司」という代名詞がぴったりな方という印象を持ちました。
 これまで私は前に進むことだけが精一杯で振り返りをすることがとても少なかったため、今回みなさんと広島県での取り組みのことやみなさんの取り組んでこられたことを共有しながらお話させていただけたことがとても有意義だと感じました。
みなさんに広島でのオフサイトを活用した取り組みについて大変お誉めいただいて、恐縮です。 しかし、広島県は、まだまだこれからだと思っています。
 広島県、7、300名の意識を変える思いの発掘、共感にはオフサイトだけではなく、何らかの形で自分の組織の改善・改革を他責ではなく自責として主体的に捉らえられるよう、何十年かけても地道に継続することだと思っています。私自身も部下を持つようになるころには部下を育てられる人になっていたいです。

(広島県職員の方々から)
・ さて、1日目の「広島県のミステリー」は2日目に解決したのでしょうか。たぶん、解決していないと推測します。
当事者である我々にもあまりわかりません。ただ、1つはっきりしているのは、ある一人の職員の熱い思いを受け、組織的にオフサイトの導入を図った。しかも、成果をあまり求めなかった。そこへ多くの偶然が重なっていったということでしょうか。
しかし、一期生の多くは、次の壁をみんな感じています。
 (1)継続することの難しさ
 (2)業務改善にまでいたるのか?
すでに経験済みの参加者もおっしゃっていましたが、オフサイトをあくまでもツールとしてどう活用していくか。そこを考えていかないと無意味かなと思っています。ただ、あせりは禁物!
この場合、職場の上司がそのような意識を持ってくれると進めやすいのですが、それも期待しながら、まず自分の地固めからと思ってます。
 

【参加者の感想】
世話人交流会に参加をし、いろんなお話をお伺いするたびに気付きが増える、そんな感じです。私が今回気付いた事を大まかに箇条書きしてみました。
・ 結果は、そんなに早く出るものじゃない。
2日目のチョウチョの会のお話にもあったように、今日までの形にたどり着くまでに約7年近くの歳月を要したことを正直この会で知りました。それでも変革の途中であることを聞かされると道はまだまだ長いんだなあと思います。私は我慢が足りない(=修行が足りない)なあと反省しています。
・ インフォーマルからフォーマルへ
わたしの仕事は事業畑(それも公営企業)で、管理畑から遠いところにいます。インフォーマルからフォーマルへの移行は、遠い存在だと思い込み、眼中にありませんでした。正直コーディネーターに「インフォーマルからフォーマルへの取組ってなにかありますか?」と尋ねられて、「そもそもフォーマルへってなんのこと??」と思ったほどです。でも分科会でわたしにもそんなチャンスが多々用意されていたことに正直驚かされました。「事業畑が管理畑に口をだすなんて」と諦めていた私ですが、わたしって結構鈍いです。
・ あきらめない
交流会の帰り、高速道路を降りた頃、同乗者に指摘を受けた(お怒りに触れた?)ことがあります。それは自分自身があきらめモードに入ってしまっているということです。根気の無い私が受けて当然の指摘でしたが、人の顔色を見るところが私にはあります。妥協も大事ですが、思いをあきらめずに発信することしか、確実な方法が無いんだと知りました。

 

◆私自身の今回の収穫は、
・ 一度の挫折であっさりと諦めて、「こんなもんかなぁ~」と自分自身を思い込ませていたこと
・ 私は、「思い」を伝える努力を怠っていたということ
・ 「思い」は伝えようとすれば、伝わるということ
・ 「思い」が伝わった時には、やはり転機が訪れるということ
という4点を自覚、再認識できたことです。
 「思い」を伝えるということは、ものすごくパワーを必要としますし、伝わらなかったときには、失意のどん底に突き落とされるような、無力感を感じるものです。そしてそのようなことが続くと、諦めに繋がっていくのだと思います。
私も、直球ストレートでぶつかっていって折れるのではなく、カーブが投げられるような術?を身につけたいと思います。あと、その時にニッコリ(^^)笑うことですね!
交流会では、後ろ向きの話しをしてしまいましたが、私にも、オフサイトのような話し合いをして、今後どのように仕事をすすめていこうか真剣に話し合える仲間がいることを言い忘れました。
今年上司がかわり、いろいろと昨年のように進むことが困難となり、上司に理解を求めることにおっくうになっていた自分を反省しました。熱い思いとひたむきな努力を忘れず、あきらめず前進していきたいなと思います。

 

◆交流会での語らいの中で考えたことは、1に「人(熱意と行動)」、2に「タイミング(ニーズ)」ということです。これは、組織風土改革だけではなく、あらゆるプロジェクト、ミッションが成功するときに共通だし、魔法は存在しないんだなと思いました。
 また、2日目の最後に、「職場の風通しを良くするのは上役のやるべき仕事と思っていたが、それを自分の仕事と考えればいいのでは」という気づきの言葉に、思わず「うっ」となりました。
 最後の1分の感想で、「あとはやるだけ!」と言ってしまってからまだ24時間ですが、あれから、実際に職場でオフサイトを始めるための算段を考え、いろいろな人の顔を思い浮かべているうちに、やる気満々だった決意の風船がみるみるうちにしぼんできてしまっていますが、それでもまずは、となりの人に声をかけようと思っています。
 いつか、人とタイミングが揃う時のために地道に土地を耕すことから始めないと。

 

◆交流会への参加は4回目。毎回、いろんな動機、いろんなモチベーション、いろんなフィールド、いろんな変革ステージを持った方が集まって来られます。そうした方のお話を聞くことで、毎回、刺激と気づきと元気をもらい、今の自分の立ち位置を確認することができたり、参加者の方の気づきに言葉に、自分自身のふり返りができたりするのが、毎回本当に楽しみです。
 自分の組織の中だけを見ていると、袋小路に入り込んでしまって前へも後ろへも一歩も 動けないような気分になってしまうことが多いですが、ここへ来ると、いろんな気づきが あって、視界が開ける感じがすることが多くあります。
職場に戻るとまた「変わらない現実」に直面して、意気消沈することもしょっちゅうですが、交流会の前と後では、自分自身の気持ちに余裕ができているのがよくわかります。それでもまた職場で煮詰まってしまい、また交流会へ来て気分が解凍される。その繰り返しです。
 2回、3回と参加していると、初めて参加したときの衝撃的な感動は少なくなってきますが、それでも、前回より今回の自分が、ほんの少しでも変わって来ているなと感じることができる。そういう場なのかなと思います。

 

◆この交流会へ参加しようと思われた方は、そう思うに至る、何らかのプロセスを経ておられるんだなということを再認識しました。
 ご自身が気づいておられないだけで、大なり小なり変革へのプロセスを経験していて、その中でもやもやしていたものが、みなさんの話を聞き、自分の思いを話すことで、自分の中で整理されていく。そういうことも改めてわかって、この交流会の意味も理解できたような気がします。

 

◆分科会でお話しましたように、私は割と早い時期に柴田先生の本を読み、自分なりにオフサイトをやってみたものの、継続させることができず、以来、オフサイトからは縁遠くなっていました。
 この度、背中を押された格好で世話人会議に参加してみて、私と同じような悩みを持っている方々は多くおられ、その中には具体的に行動している方々も実際にいるのだということをわかったことが最大の収穫です。
 それともう一点。オフサイトは、先ず何らかの目的・ニーズがあって、それを実現するための手法であって、それ自体が目的になってはならないということです。
 オフサイトを実際に開こうとすると、その目的やニーズよりも、会議を成功させるためのテクニック等に気を使いがちです。もちろん、オフサイトを継続させていくためには、理論やテクニックは大切です。しかし、何よりも大切なものは、第一に熱意、そして、ニーズや目的、メッセージなのだと気付くことができました。
 仕事が忙しいと、目の前の仕事をこなすことで精一杯になり、風土改革について考える時間も少なくなりがちですが、今回の世話人交流会議をきっかけに、再チャレンジしてみるつもりです。

 

◆今回、はじめて交流会に参加させていただき、皆さん方の熱い「思い」を知ることができ、私自身驚きとともに大変貴重な経験をさせていただいたと感謝しております。
 私の組織では、オフサイトの実践はまだまだこれからですが、先駆的に職場でオフサイトを実践されておられる皆さんのお話はすべて私にとって、参考となり、また色々と「気付か」されるものばかりでした。
 特に、オフサイトはあくまでも手段であって、「目的」つまり何のために実施するのかという点が大切であることを改めて認識した次第です。

 

◆第2分科会でも「オフサイト」自体が目的じゃないって、何度も話に出ていました。私の組織でも、定例活動でオフサイトやってますが、「コミュニケーションの取り方」の練習って位置づけなのだと理解してて、最近事例発表等々で定例オフサイトが出来てないから分科会でも上手く話せないかもって思ってました(^_^;)
 「肩書きを外す」「相手の話を聞く」「決めつけない。否定しない。」「反対意見の時は代替案を」「一人称で話す」等のルールでオフサイトに参加していると、相手の話を聞くのも自分の意見を聞いてもらうのも、心地良いって感じられて、いつも元気がもらえます。
 オフサイトを重ねていても、実際、私の組織におけるイベント開催時の実行委員会ミーティング等では、何人かが自分の意見言いっぱなしで、「その主張だけじゃ、みんなの貴重な時間を使ったこのミーティングで、何も決められないやん!」というような場面もあります~(^_^;)
 ん~自分の思いを人にわかってもえるように伝える時に、自分の中にある言葉を言うだけなら簡単???
  でも他の人の話を聞いて、自分の思ってることにつなげて、また話そうと思うと練習っていうか慣れないと私にとっては難しいって思ってるのですが、分科会でいろんな事例等を聞いていると自分が勝手に思いこんでるだけで簡単かもって思ったり。
そんないくつものポジティブ思考のかけら(小さな気づき)が、自分の中に落ちてくるのが今回の交流会に参加した自分の成果かなと思います。 

【分科会3】 ネットワークづくりからの変革 ~部署や所属を超えてネットワークを活用したい人向け~

【このテーマを選んだ思い】
 私は、地域との協働が求められる中、まずは役所内部の協働を行う必要があると考え、縦割りの弊害を打破し、ヨコやナナメの関係で互いに悩みや思いを共有できる場(オフサイトミーティング)をつくりながら変革を起こすグループの立ち上げや運営に関わってきました。その中で、インフォーマルネットワークとフォーマル組織との関係づくりにも関わる経験をしてきました。
  役所の風土は、ひとりで何かやろうと思ってもあきらめがちになり、またそう簡単に劇的な変化を起こすことはできないかもしれませんが、それでもなお、個人の気づきや思いを大切にしながら仲間をつくり、最初は小さな取り組みでも地道な実践から成功体験を積み上げていくことで、組織を超えた仲間のネットワークができ、思わぬ展開になっていくことがあるものです。
  この第3分科会は、部署を超えたネットワークを活用して変革したい人には特におすすめです。この分科会で、組織を超えた仲間づくりやインフォーマルネットワークとフォーマル組織の関わり方などのヒントを探りながら、気づきと行動のエネルギーを得てみませんか?
 

 

【進行の流れ】
1日目は、アイスブレイキングの後、1人15分程度で自己紹介を全員一巡。
2日目は、1日目の中で出てきた話題からテーマを絞りながらランダムに意見交換。

◆1日目 進め方の説明
・ アイスブレイキング:バースデイライン(誕生日順に並ぶゲーム、ただし無言で。ねらいは、言葉によるコミュニケーションの大切さへの気づき。)
・ 自己紹介一人15分ずつ語り、聴きあう。

 

<自己紹介>
一人15分程度×11人=165分(途中休憩は適宜入れながら)
・ スコラ・コンサルトの柴田さんの本を読んで、オフサイトミーティング(OSM)を知る。
・ 日産のカルロスゴーンのリバイバルプランに感銘。
・ 改革もきれいごとではすまない。
・ 大震災の復興の経験から現状を何とかしたいという思い。
・ 北川正恭前三重県知事のローカルマニフェストの集まりで、元吉さんを紹介されて、OSMにつながる。
・ H13年度の研修をきっかけに、有志で月1回OSMを1年ほど実践。
・ 「スーパー公務員塾」を主催し、終了後模索しているところ。
・ 他の自治体の方がうらやましいのは、庁内でOSMの研修があって、OSMが認知されているところ。私たちは内部でけむたがられているものの、私たちのグループの個人個人は輝いている。
・ チョウチョの会の広がりからメンバーと交流。自治体職員有志の会やKGPM(関西学院大学公会計マネジメント研究会)などにも参加し、各自治体職員と交流。ここ3年間こういう集まりがどんどん増えている。
・ ヨコのネットワークはやりやすいが、思いのない職場ではできない。
・ 庁内のオフィシャルの動きとして、ボトムアップがよいのかトップダウンがよいのかこれからのテーマ。
・ 合併直前にチョウチョの会の1泊オフサイトに参加して以来、ほぼ毎月庁内でOSMを実施中。
・ 職場の庁内LANで声かけし、有志が集まって、いろんなテーマで対話をしている。職員同士の交流で、縦割りの打破。
・ チョウチョの会2周年行事には実行委員として参画。
・ 1年半ほど経ったところで出会い系OSMから今後どうすればよいか模索中。
・ 市の総合計画関連で、この自主グループでアンケートをとった意見から、「未来を語ろう」というシリーズを計画中。また市民やNPOとの交流も含めて、異業種交流も。
・ 上司の薦めもあり、この交流会に参加。(旅費は出すが、参加負担金は自己負担。)
・ 柴田さんの2冊の本を読んでOSMを知る。
・ 2005年夏の滋賀での交流会で「生まれてはじめて級」の「ゆらぎ」を経験。こんなに頑張っている人がいるんだという感動。帰りの飛行機で近づくにつれ、交流会の熱さと、自分の市の冷たさを痛感。でも、たぶん上司は応援してくれそうという気持ち。
・ その11月から重い腰を上げて庁内OSMに向けて行動。チラシ配布する中で、ひとりでもやろうという決心。オフィシャルで人材育成を担当している。OSMで若手を中心に5人の貴重な賛同者を得る。ただ3回のOSMが今ひとつ深まり広がりに欠けていたという反省。
・ そんな時に、スコラで開催された「公務員のためのプロセスデザインセミナー」を受講。本当のことが分かっていなかったとボロボロになりながら、再スタートを決心。
・ 「できることから始める」でスタート。私の場合、フォーマルからがやりやすかった。本来業務で人を活かすための研修を企画実施。
・ 岸和田市をモデルに人材育成型人事評価制度を導入。岸和田市の小堀氏を迎えて、キックオフ講演。その中で、おかしいことをおかしいと言える風土づくり、本当の意味のコミュニケーションを学ぶ。
・ インフォーマルグループでは、庁内で「セミナー実行委員会」をつくり、連続セミナーを開催中。イベントに絡めて60人の女性パワーアップ研修。
・ 「三角パス」が有効。直接言われると引かれるが、外から言われると納得。
・ 技術職員。試験場から県庁、そしてまた試験場に戻ってきたとき、中を変えたいという気持ち。
・ 昔からの悪い習慣で、出る杭が打たれるという風土。
・ 人員削減されていく農業の部署の中で、研究機関であっても研究だけではダメで消費者へのセミナーを企画。
→異質なところに身を置くことの重要性。外に出ることで、客観的に中のことを見ることができる。複眼思考。他流試合。
・ 滋賀での交流会の関わりから4回目の参加。もともとは職場のOSM研修を受けたことがきっかけ。庁内OSMの実践から、自主活動グループ「チョウチョの会」の立上げから運営に関わる。
・ 第3分科会のテーマどおり、庁内の縦割りの打破を何とかしたかったことが立上げのきっかけ。
・ グループ結成1周年を機に400人規模のフォーラムを開催し、仲間とのネットワークで成功。大きな成功体験となる。昨年8月の2周年では、実行委員メンバーとして、県職員だけでなく市町職員にも声をかけ、千通近いMLと合宿を含むミーティングのプロセスの中で、対話を中心とする県内自治体職員交流会としてネットワークを広げる。
・ インフォーマルとフォーマルとの連携が課題だが、今回のプロセス対談のためにこれまでをふり返ってみると、チョウチョの会もフォーマルの取り組みと無縁ではなく密接に結びついていたことが判明。今後を見通すためのふり返りができた。
・ 家庭とスキー第1。ONとOFFを自分で使い分け。「おやじの会」を結成し、防犯パトロール(朝の1時間)。自主グループの最初は盛り上がるが、2年目以降マンネリ化、いかに継続できるかが課題。
・ 毎週金曜日の朝に職場でOSMを実施。6月からほぼ継続できている。ポイントは理解のある上司のスポンサーシップ。職場のトップが応援する姿。OSMの日は一番に行って、みんなを待っている。
・ 仕事が忙しくなって3回ほど休みにしたら、上司はやらないことを気にしてくれている。
・ 入庁後13年目だが、なんだこの組織ということが多い。
・ 7~8年前、柴田さんの著書がベストセラーになった頃に気の合う職員で「ぶっちゃけトーク」をやっていたことがある。頑張っていれば何かつながってくる。継続のポイントを探りたい。
→職場OSMが難しい。業務の会議とOSMの違いは?
→職場OSMのこだわりとしては、ただの会議にしたくない。テーマをつくらない。参加も楽にして、報告もしない。ただ、最近テーマでやってもいいんじゃないという声からテーマOSMも検討中。上司の成果目標にOSM。みんな話すことに慣れていないが、回数をこなしてくるとじわじわ慣れてくる。
→成功と失敗。「変わるまで変える」というフレーズのグループもあるように、成功するまでやり続けることが成功への道。OSMに王道はないが、続けるためには、やはり「楽しさと笑顔」。
  (ここで休憩5分)
・ 交流会参加のきっかけは、新設組織(民間と役所の混合組織)への出向。
・ 実態は、各組織の代理戦争状態で、何とかしたいという思い。
・ 飲みニケーションや食事タイムなどで個人としての話を1対1で話していくうちに、徐々にそれぞれの人のホンネとタテマエがわかるようになる。
・ スタッフ全員で何ができるのか?→1)組織内の壁を取り払いたい。2)もっと上の人間を巻き込んでバラバラの状態をまとめたい。3)民間と役所の違いを認め合いつつまとめたい。(スピードやコスト感覚の違い、ここがブレークスルーのポイントと考える。)
・ まさに変革を行うポストにいるので、チャンスと考えている。
・ OSM体験研修に参加して世話人に。保育士として採用され、現場で20年近く。
・ 幹を見ずに枝ばかり見ていてはダメということで、県庁へ。保健と福祉のカベや業界用語も分からない状態だが、分からないと言えない立場で苦しむ。
・ 自分のできるところからのネットワーク、クローズじゃなくてオープンなこの指とまれ方式のネットワークづくり。
・ 女性職員の多い職場なので、時間外はムリ、第2・4木曜に定例ランチOSM。
・ 昔は「飲みニケーション」今は「酒なし赤ちょうちん」と呼んで不定期にOSM。ちょうど丸1年。
・ 課題としては、出てくる人が固定化する、共通項が難しい、テーマも次につながらない、楽しかったけど単発で終わり、思いの掘り起こしもできず、という点。
・ 人材に恵まれていて、上司の理解もあり、継続は力なりを実感。
・ 1年やってみての成果としては、縦割りがだんだんと取り払われつつあることで、話をする雰囲気になってきている。
・ 3年前に柴田さんの「なぜ本」を読んで以来、「フェイス・トゥ・フェイス」のコミュニケーションの必要性を感じていた。
・ 「縁」というものを大事にしている。キーワードは「温度差」。
・ 職員研修所でのOSM研修からOSMを行革担当として主催。OSMがうまくいかず失望したと言われたときの挫折感(第1の挫折)。
・ 部単位で「役所ことばを直そう!」というテーマでOSM。最初にテーマでやるには難しく2回目の挫折。
・ チョウチョの会の活動にはあこがれを感じる。
・ 庁外ネットワークや異業種交流にも参加。
・ OSMを楽しくやるところから始めてみようとやると、少しずつじわじわとうまく行き始めた。
・ 職場での「あいさつ運動」が行われるようになったのは、オフサイトの成果。
・ オープンカーで通勤する公務員らしくない公務員。前例踏襲主義が大嫌い。
・ H12行革担当の熱い思いからOSMが急に導入され、幅広い階層でOSM体験。
・ 最初は勢いがあった。OSMから名札の取り組みや総合案内の提案などよい提案が出てきて、大きな成功体験をもった。関わった人間は楽しかった。
・ ところが、あまりに急に変化が起こったため、関わっていない人から「あいつらは特殊なことをやってしまった、OSMのメンバーは突飛なことをしている集団」というレッテルを貼られることになり、活動がしぼんでくることに。メンバーの固定化からマイナスの方向へ。(低空飛行の時代)
・ 他のグループは消えていく中で、固定化メンバーでも継続していた。自分ともう一人の2人が引っ張って、6人で何とかモチベーションを維持しながら継続。
・ 継続していた結果、楽しそうにOSMをやっていると集まってくることになる。
・ オフサイトはツールで、「オフサイト」という名前を使うと一度レッテルを貼られているので、「しゃべり場」などと変えて実施したら、大変盛り上がった。
・ 合併後の新市になってから業務の落ち着いたタイミングでOSMを再開。テーマを設けないのが普通だが、テーマを設ける試みをしている。
・ こうした交流会のような外部に出て行って、1つでも2つでもヒントをもらってくるのが大事。
・ 低迷していた時期は、職場では難しく、話の分かる仲間同士の自主勉強会でやっていた。
・ 低空飛行の時代でも気をつけていたこと3つ:(1)楽しくやろう(2)オープンに(3)外部の刺激を内部に発信
・ 1市3町1村の合併で海水浴からスキーまでできる市に。
・ 「好きこそものの上手なれ」好きなことをやるときに自分らしさが出る。
・ OSMを何のためにするのか?ネットワークづくり、仲間づくり。
・ 一人でやるのではなく組織でやるのが仕事:「組織力」協力し合う関係で、そのためのネットワークであり、OSM。悩みを言い合える人間関係づくり。
・ OSMを仕掛けたが、つながらないことがあり、テーマと仕事の位置づけを確認。
・ 職場の対話を串刺しにする、横串にするしかけが必要。

 

<キーワードのシェアリング>
・継続のポイント
・温度差
・インフォーマルとフォーマル(オフィシャル)との連携
・できること、小さなことから始める

 

【二日目】


<昨日のキーワードの整理、夜の交流、プロセス対談をふまえて話したいこと>
・ 外に出ての刺激、モチベーションの維持
・ プロセス対談は参考になった。ゴールの見えない不安がある中で、チャートで自分の位置を確認できた。
・ ありたいビジョン
・ 量が質に転換することがある。
・ こうありたいと強く思い続けるとそうなっていく。プラス発想で。
・ あるべき姿をイメージしていたら自然とそういう行動をとる。周りも協力してくれる。
・ 違うことを認めること。
・ 発信し続けること。
・ 愚痴が言える関係。
・ 合コンOSM。出会い系OSM。

 

◆インフォーマルとフォーマルの強みと弱みについて
・ インフォーマルは気楽に声をかけやすい。上司も仕事を離れて声がかけられる。
・ フォーマル(オフィシャル)は、お金(予算)がある、動いていない人も動かせる。
・ フォーマルの後押しがあると、はじめは関心のない人も参加できる。
・ 研修でOSMがあるところとないところでは、OSMへの理解度が全く違う。
・ 研修でないところは、会場を借りるにも説明や手続きに時間がかかるが、今は種まきの時期と考えている。
・ 地道にやっておくとつながる。インフォーマルの動きは無駄じゃないことを学ぶ。
・ つながりのタイミング。
・ 上司に手柄をとらせる。

 

【最後に一言】
・ 2日間得たことを来週OSMがあるので、早速実践したい。
・ ここに来てから肩こりが治ったうれしさ。
・ OSMが合コンにつながるという気づき。
・ やはりフェイス・トゥ・フェイスの関係が大事。縁が生む仕事。
・ 今回ミッションをもらった。楽しかった。話せた満足。
・ 自分の周りから実践。アンテナとタイミング。気分爽快。
・ すっきりした。
・ ヨコのつながり。場づくり。つながる楽しさ。つくれる喜び。
・ 勇気をもらった。

 

【参加者の感想(抜粋)】
 今日、これだけ多くの人に元気をいただきながら、まだ我々には「出来ない理由探し」をしているところがある。上をうまく巻き込んで「楽しさ」をキーワードにした意識改革活動を。ウオームハート+クールヘッドで計画し、展開していくこと。そして、まず1歩前に。いっぺんに大きな成果や広がりを求めないこと。
 継続することは大事。インフォーマルなオフサイトが実はフォーマルなところにつながっていたという事例も聞かせていただき、今は、とにかく自分にできることを、信頼しあえる仲間とやっていこうと思いました。オフサイトのやり方にも、いろいろなやり方があっていいということがわかり、基本ルールさえ押さえていれば、いいのかもと安心できました。また、オフサイトをやることが目的化しないよう、時々このような場で再確認したいです。
 いつも感じることですが、普通に仕事だけやってたら、一生会って話をすることなんて、絶対ないような方々。そんな人達と同じ「場」を共有し、共感しあって話ができる。あれは本当にすごいこと。その体験だけでも職場に持って帰る価値がある。あんなふうに国・県・市町村職員が胸襟を開いて垣根なしの話ができたら・・今あるどうしようもない現実も、意外に簡単にどうにかなるんじゃないか!?なんて、夢想をしてしまった夜汽車の中。
 皆さまが持ち寄られた、変わりたい志は、しっかりと広島の地に落ちてゆきました。何年経つか分かりませんが、この思いがいずれ大きな花を咲かせると信じております。その時は、影からそっと花を見られればそれで良いと思っています。
 いいリフレッシュができました。みなさんの悩みを抱えながら、それでも少しでも前に進もうとしておられる姿に、元気をいただきました。生き生きとしている姿とは、悩みながらも、明るく取り組む姿なんだなと感じたしだいです。同じ悩みだったり、同じような行き詰まりだったりで自分としては「ホッ」としたしだいです。決していい安心感だとは思いませんが、これもありだと思っています。悩みを共有したというだけで不思議とリラックスできるものなのですね。日々行き詰まり感を感じていた自分にとって、非常にタイムリーな2日間でした。1歩でも組織が前に進み、自分がちょっとでも進化するために今日からまたもがいてみたいと思います。
 チョウチョの会の話を聞いて、振り返る必要性を強く感じました。これは早速取り組もうと考えています。これに気付かせてもらっただけでも大きな成果ですね。また悩んでいることはどこでも似たようなものだなーと感じるとともに、長く取り組んでいる当市でも状況は変わらないなーと思いました。試行錯誤を重ねながら、継続することの重要性を改めて思い知らされましたし、このような会に引き続き参加することで、モチベーションの維持を図らねばならない、と思いました。
 最も印象的だったのは、実は最初から2日目の終盤に至るまでに皆さん総じて笑顔になったこと。また私自身、オフサイトの終わりには参加者の皆さんのことが大好きになるんですが、今回もそれが得られてとても嬉しかったです。また、オフサイトの限界とそれに対する打開策の手法案も勉強させていただくことができ、いわゆる「なぜ本」に直接は書かれていない、ライブの発見をたくさん得ることができました。
 今回、参加してみて自分の気づきとして特に強く残っていることはやはり「継続」というキーワードです。トップも含めて異動の周期が1年半~2年という比較的短期間で繰り返される職場の中で、ついつい短期的な行動に目が行きがちであった自分にとって、しっかり足元を見ながら進むことの強さを再認識させていただきました。楽しく(そして楽しむためにも外の刺激をうまく取り入れながら)、常に外に対して開いて、続けていくことに取り組んでいきたいと思います。
 参加者の方たちは、環境も立場も、それぞれ全く違ったフィールドで活動しているのに、「いい仕事がしたい」という思いで集まって話していると、いくつも共通項が見つかるだけでなく、思いや悩みの共有ができ、気づきを得られることに感動しました。
 今回、初めての参加でしたが、全国の皆様の中には、日頃から熱い思いを持たれている方がたくさんおられたことに、感激しました。皆、同じような悩みをかかえているんですね。私は、分科会の中では、少し違った視点を持っての参加であったのかなとも感じましたが、このような会に継続的に参加することでさらにがんばれると思いました。今後も、皆様からいただいたエネルギーを生かしていきたいと思います。
 第3分科会では、私たちのグループでの大きな課題であるインフォーマルとフォーマル(オフィシャル)との連携についての ヒントやアドバイスをいただき、「やはり王道はない」ものの、自分たちでやれることはあるんだという認識を持ちました。 今後も、こうした気づきや認識を踏まえながら、インフォーマルとフォーマルの連携をさらにバージョンアップさせ、「いい仕事」が できるよう行動に移していくのみということを肝に銘じました。

【分科会4】 マネージャークラスの改革 ~組織風土改革におけるマネージャークラスの果たす役割を考えたい人向け~

【このテーマを選んだ思い】
・ 私は行政組織の風土(体質)改革を進めるのにトップやマネージャークラスの果たす役割は大きいものがあると思っています。特にマネージャークラスは、ある時はトップ(所属長)であったり、またある時はスポンサー(参謀機能を果たすミドル)であったり世話人(変革の当事者)であるなど、いろいろな役割を果たすことが可能です。またそのポジションで果たす役割は改革のためにとても重要だと感じています。
・ 今、どこの自治体でも改革が必要になってきていますが、課長として改革に取り組もうとしたり、行政改革担当として新たな改革に取り組もうとしてもいろいろな障害や悩みが多いのが現実です。
・ そこで交流会では、仕事や職場の改革、組織風土改革に欠かせないマネージャークラスの役割とその実践について、取り組み方や考え方、参加者自身の成功例や失敗例などを基に話し合い、一緒に考え、アイデアを提供し合いたいと思います。マネージャークラスの方も、また、マネージャークラスでない方も立場を超えて一緒に話し合いませんか?

 

【進行】
<1日目>
・プロフィールシートを基に、自己紹介や現在の取組、課題、悩みなどを紹介
・これに対する問答や意見交換などにより、悩みや思い、課題などを深堀
・2日目に話し合うためのテーマ出し、選定をした
 (1)上司の動かし方、育て方
 (2)オフサイトミーティング実施の上司への理解の求め方 
 (3)第一線のマネージャーの育て方
 (4)マネージャークラスのスポンサーシップの発揮の仕方
 (5)マネージャーの仲間づくり方法
 (6)本質的なダイヤログをするには
 (7)守りに入る上司をどう変えるか、壁の破り方
 (8)部局の枠を超えるマネージャーの育て方

 

<2日目>
八つのテーマから選定した(1)上司の動かし方、育て方、(8)部局の枠を超えるマネージャーの育て方、の二つのテーマについて話し合うこととしていたが、(1)上司の動かし方、育て方についての話し合いに二日目の約2時間を費やした_

 

【コーディネーター役からの感想】
  組織風土改革におけるマネージャークラスの役割、部下から期待されることなどを主に話し合いたいと思っていたところ、メンバーに恵まれ(マネージャークラスとマネージャークラス以外がそれぞれ数人ずつ参加)、双方の視点からの意見交換ができたこともあり、有意義だったと感じています。

 

【参加者の感想】
・ うわついた変革論だけでは、現場は変わらない。何が大切でどのように変わりたいのか不明確なのではないか。できることから地道に(「ムリ、ムダ、ムラ」をなくす)やることが大事。
・ 現場と管理職や管理部門の間に入って、コミュニケーションを円滑にする中間支援者(組織)が必要。
・ 部課長の管理職の全体最適を考えるベクトルあわせが大切。そのための部課長オフサイトも有効。
・ 管理職は部下を知るためにどんな努力をしているか。部下は管理職の本気ややる気をすぐ見抜く。しかし、管理職になると部下のことが見えなくなるから、見えるように努力することが必要。
・ コミュニケーションはその場限りの場づくりではダメ。日ごろ日常から仕掛けを作る必要がある。「ホウレンソウタイム」「フリートーキングタイム」など。
・ インフォーマルな場づくりを意図的にやると、仲間づくりがしやすい。
(管理職の独り言)
そして、結局、頭では分かっているつもりでも、なかなか行動につながらない自分がいます。何事も一人ではできないのですが、最初の一歩は管理職である私が踏み出さないといけないと思います。でも、なぜ一歩が踏み出せないでいるのでしょうか。
> 失敗したらどうしよう・・・
> 皆がどう思うだろう・・・
> トップが望んでいるのだろうか・・・
> 一人ぼっちになりたくはない・・・
> こんな風に思っている自分を発見して・・・自己嫌悪です。
> 周りには自信満々に見えているだろう自分、そしてそのように振舞っている自分がいます。
・ 交流会前の自分は、職場の不満とか、これからどうしようかとか、何でもいいからヒントが欲しい等々、迷った、イライラした顔をしていたんじゃないかと思います。2日目の最後に集まったときは、今、できることをやっていくこと、あせらず、充電すればいいと思え、元気がでて、穏やかな気分でした。
・ 部下の立場から、上司の立場からとさまざまな視点からの話は、刺激的でもありましたし、本当に多くの気づきを与えていただきました。
・ 自分の属している組織で若い連中が感じている閉塞感を何とかしてやらなければという思いと、どのように関わってやればいいのか道筋が見えていない中で交流会に参加しましたが、結局のところ、彼らと共感できている今の自分の感性を大切にしながら、私も彼らと同様に頑張ればいいのだという当たり前のことに気がつきました。ありのままの自分で彼らと接していけばいいのかなと思っています。見失いかけていた自分の立つべきポジション、進むべき方向が再確認できたような気がします。
・ 継続してこのテーマについて深掘りしていければいいなと思いました。でも、次回も必ず参加というわけにも行かないでしょうから提案です。
>今後も参加いただける方は、次回に参加できない場合は事前に近況報告と併せて次回テーマについて意見を世話人にメールで送り、参加者のみなさんで共有していただき、終了後に話しあわれた内容をフィードバックしていただくというのはどうでしょうか。これで切れ目なく参加し続けることと、自らの取り組みや悩みを相談できる場にできないでしょうか。
・ 「上司の育て方」というテーマはなかなかよかったです。会の最後にも申し上げましたが、肩書き関係なく集まって、本音を言い合えた事で、私は本当に「人間関係」として上司部下の関係を見れたように思います。部下の思いを活かしたいと思いつつ対外的効果も考慮しなければと思う部長、部下を何とか理解して欲しいと思う課長補佐や係長、新たな取り組みをせねばと考えられる係長、今回は思いをもたれる方々が集まっているので特別な点はあろうかと思いますが、本当の職場でも行き違いのまま終わっている点があるのかもと反省しました。実際のところ同じ職場では「肩書き」が強すぎてなかなか上手くいかない点があるかもしれませんが、ある程度の規模の組織であれば、例えば、違う職場のさまざまな立場の方が集まって話をする(まさにオフサイトです。)というのも今回と同じ効果を得られるかもしれません。
・ どなたかが発言されましたが、上司と部下の関係では、それぞれの思いを共感しあうことが重要であって、上司が優れた仕事をする人だけでは部下はついてこないというのは確かだなと思います。皆さんのお話を聴く中で、オフサイトミーティングは、共感力を高め、コミュニケーションを醸成することによって、組織の活性化を図る取組なんだなと理解しました。同時に、日頃の自分を振り返り、部下とのコミュニケーションがずいぶん足らないと深く反省しました。
・ 本県も来年度から、いよいよOSMを全庁に展開していこうとしています。今回参加させていただいた3名で、それぞれの分科会の情報を共有するとともに、既に取り組んでいるメンバーなどにもお知らせして、試行錯誤していきたいと考えています。
・ <ミッション、パッション、コミュニケーション>
ミッション(使命)・パッション(情熱)・コミュニケーション(対話)。これは、私が自分の課をマネージするのに使っているキーワードです。広島で皆さんとお話させていただき、コミュニケーションの大切さを改めて感じました。オフサイトミーティングは迂遠なツールのようにも思えますが、コミュニケーションのツール、そしてパッションを高めるツール、更にミッションを共有するツールとして有効ですね。
・ <小さなことから始める勇気、それを大河にする根気>
これは、北川(元三重県知事)語録のなかで私が一番気に入っている言葉です。広島で得たパッションの高まりを、日々の仕事の中で、「小さなことから始める勇気」につなぎ、更に「大河にする根気」につなげていきたいと思います。
・ 初めての参加にもかかわらず、マネージャークラスではない私が、第4分科会に参加してご迷惑ではなかったでしょうか?
どの分科会にしようか考えた時、マネージャークラスではないにしても、今の私の立場から言えば、「後輩をどう導くか」と考えることもあり、また、万が一マネージャークラスになったとき、その立場になってから勉強したり、考えていたのでは遅いような気がして、生意気にも第4分科会に参加させていただきました。
皆さんが、それぞれの組織の中の、それぞれの立場でいろいろ考えながら、実践されていることを聞いて、とても刺激になりました。
なんか、負けちゃいられないって思いました。

prev 一覧 next
topbtn
TOP組織・代表紹介サービスメディア実績支援実績コラム書籍・研究学会発表公務員ネットワーク活動講演お問合せ
サイトのご利用について個人情報保護方針
Copyright © Scholar Consult Co.,ltd. All Rights Reserved.