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2007年 秋の世話人交流会レポート

開催概略
参加者が所属する団体 朝倉市(福岡県)、綾瀬市(神奈川県)、宇土市(熊本県)、(財)淡海環境保全財団、大分県、大野城市(福岡県)、沖縄県、香川県、春日井市(愛知県)、金融庁、熊本市、滋賀県、(財)滋賀県建設技術センター、スコラ・コンサルト、富山県、長野県、新潟県、西宮市(兵庫県)、直方市(福岡県)、野尻町(宮崎県)、廿日市市(広島県)、人吉市(熊本県)、広川町(福岡県)、広島県、三重県、八女西部広域事務組合(福岡県)(五十音順)(合計50人)
開催日 2007年9月1日(土)~9月2日(日)
会場 中小企業大学校人吉校
全体の流れ

9月1日(土)
14:00 開催案内
        (交流会の趣旨・目標・お約束、スケジュールと会場説明)
14:10 自己紹介(1人30秒スピーチ)
14:50 「どうすれば役所は変われるのか」著者と登場人物と読者
         代表との「プロセス対談」
15:50 分科会紹介
        (コーディネーターから前回の分科会のエッセンスを含めて紹介)
16:10 分科会 《セッション1》
18:30 夕食
19:00 分科会 《セッション2》
21:00 懇親会~食堂にて~
23:00 二次会
1日目終了
 

9月2日(日)
8:30 分科会《セッション3》
11:30 全体会
・各分科会からの情報共有
・各自から一言感想
13:00 解散
14:00 ~ エクスカーション

今回の運営チーム 池上 順史(札幌市)、小山  巧(三重県)、渋谷 克人(富山県)、初宿 文彦(滋賀県)、杉田 水脈(西宮市)、中西 大輔(滋賀県)、橋本 康男(広島県)、元吉 由紀子(スコラ・コンサルト) 【九州実行委員会】 溝口 尚也(人吉市)、山崎 栄子(大野城市)、吉田 幸樹(朝倉市)、関 隆晴(大分県)、荒川 誠、井上 敬明、尾方 正康、鎌田 育江、椎葉 博紀、徳澄 佳史子、豊田 泰彦、濱 雄二郎(以上人吉市)
会の特徴

世話人交流会は、通算15回め。今回は、2005年より結成した運営チームと今回の開催地である九州実行委員会が連携して運営を行なうことになりました。
 運営チームメンバーでは、先の広島での交流会後、交流会の目的に立ち返って分科会の見直しを図る必要性を感じ、4月28日~30日に神戸にて合宿を行い、検討を深めることをしていました。その結果、参加者の取組み段階に合わせて分科会を3つに再編することにしたのです。また、会場に宿泊施設付きの施設を確保できたことから、参加者全員が宿泊を共にすることが可能となり、夕食後にも分科会を継続してじっくり話し合うスケジュールを立てました。これらのことから、会の最後に述べられた参加者の感想からは、一人ひとりにとってとても有意義な会であったことが伺えた次第です。
 なお、今回のプロセス対談では、6月末にスコラ・元吉が『どうすれば役所は変われるのか』を出版したばかりであったことや、交流会の参加者に本の登場人物がいることから、読者代表の参加者が著者と登場人物とに質問を交えて対談することになりました。
 また、会後には、人吉市の職員がエクスカーションを用意しており、街の散策、観光を楽しむこともでき、充実した2日間を終えることができました。

 

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「どうすれば役所は変われるのか」 著者と登場人物と読者代表の「プロセス対談」

著者: スコラ・コンサルト 元吉由紀子

登場人物: 元三重県総務局長 居戸 利明(現金融庁)
        元四日市県税事務所長&元税務政策課長 小山 巧(現環境森林部長) 

読者代表: 滋賀県(チョウチョの会) 中西 大輔

 

 

◆三重県「改革の種蒔期」<<風土改革を庁内で始めた頃の裏話
(居戸)  

もともとの発端は、私(当時は行革担当部長)が知事のトップダウン的行革手法を末端の職員まで浸透していくにはどうすればいいのかを悩んでいたとき、偶然書店で『なぜ会社は変われないのか』(スコラ・コンサルト代表 柴田昌治著)を立ち読みして衝撃を受けたことに始まる。
 読後すぐにスコラへ電話して面談を依頼した。その時に偶然電話を取ったのが元吉さん。年末でなかなか時間の調整がつかなかったところ、「1時間でも」「30分でも」「いや、3分でも」ということでしつこく会いたいと訴え続けたら、その熱意に折れましたということで柴田さんと会うことができた。それからスコラと三重県との付き合いが始まった。
 
(元吉)

 三重県でオフサイトミーティングを活用した取組みを始めたが、最初改革担当部署で試行したところ、担当者には制度や仕組みやなどハード改革の手法とは異なり、組織風土・体質などソフトの改革をプロセスデザインしていくやり方は上手く理解されなかった。また、最初の部署(生活部)に関わってまだ1ヶ月しか立たない頃、「次年度予算を立てるのに、1年半後にどういう成果が得られるのか、見積根拠となる数字を計画にして出して欲しい」と求められた。「まだ庁内で思いを持った人がどこにいて、その人が何をしたいと思っているのかわからないため、自発性を生かした取組みの内容を(こちらで一方的に)計画することはできない」と反論した覚えがある。(その頃は、行政の予算システムのことを全く知らなかった。)
 当時、改革推進部署では、いろんな制度や仕組みなどハードを変えている段階にあり、それと並行して風土・体質などソフトを変える手法にはなじみがなかったようだ。そこで、まず後者の窓口を研修センターの研究グループに移して取り組まれることになった。改革には段階がある。そのタイミングに応じた采配を振るったのが、居戸さんだった。
 
(居戸)

 スコラ・コンサルトの柴田さんから部局長を対象に講演をしてもらった。スコラからは講演のための講演はやらないと言われたので、そこから主体的に取り組む部長や職員(世話人)をみつける目的で開催した。
 丁度その頃、北川知事が名古屋駅で元吉さんと出くわして、新幹線で相席をしたことがあった。そのとき、元吉さんが知事に熱心に話をされ、知事は元吉さんの熱い思いにいたく感激していた。
 
(元吉)

 新幹線で知事は、私が生活部と関わり始めたことを話すと、今度出版される本に三重県の取組みが書かれていると読ませてくれた。そこには、私がまだ会ったことのない生活部のNPO担当者の話が書かれていて、その職員がこれまで目立った存在ではなかったことやNPOという新しい取組みで活躍したこと、このような職員がまだまだ眠っているだろうということを語ってくれた。
 
(居戸)

 北川知事がうまかったのは「出る杭を打たない」+「幹部や改革推進部署には厳しい」という両面を使ったこと。
 
(元吉)

 三重県を支援し始めて1年後、生活部での取組みから他部署へ取組みが広がり始めた頃、知事と部局長の間でもオフサイトミーティングをしようということになった。そのとき部局長から私たちプロセスデザイナーに要望があったのが、「知事に黙っておいてもらいたい」ということだった。いつも部局長たちは、知事から質問され、それに応えるといったやりとりをしていたため、オフサイトミーティングの場で、部局長たちがそれぞれに思いを語り、それを知事が何時間も黙って聞いておられたことは、部局長たちにとってとても印象深い出来事となった。また、肩書きを外して話をすることは、知事と部局長が対等に話をできるということでもあり、それが新鮮で、有意義な話し合いにつながった。
 その体験から、その後部局長たちは、「自部門でもオフサイトミーティングをしよう!」と呼びかけるようになり、実施するにあたっては「自分は聞き役になるから」と率先もされることになっていった。
 

 

◆三重県「改革の萌芽期」→県税事務所での最初の失敗と身近な改善からスタートした裏話
(小山)  

私は財政課で改革に携わったが、当時の改革担当部署は生活者起点の理念のもとで様々な改革を行い、新しい仕組みをつくり実行してきた。各部署にも浸透するようにと、何度も説明会を開き、共有しているつもりだった。考え方はすごく良いものなので当然全庁で取り組んでいると思っていた。しかし、県税事務所長として地域機関に異動したら、事務所は昔の仕事のまま、セピア色の写真のようだった。当時は三重の改革も有名になっていたが、何のことはない、三重県の改革のことを知っているのは学者と他県の行革担当部署のみ。現場の職員は…という惨状だった。
 このままのんびりしていても過ごせただろうが、でもいかんせん居心地が悪い。今まで現場をたきつけておいて、いざ自分が現場に行って何もしないというのはいかがなものか…という意識があった。
 その頃、他部署でやっているオフサイトミーティングの素晴らしさを聞いた。県税事務所内でも自前でやってみたが、うまくいかなかった。決裁の時所長室で個別に話をしてくれる若手職員がいたが、いざ他の職員と一緒になったミーティングの場では話をしてくれない。皆「集団の輪を乱す怖さ」「言い出せない怖さ」があった。そのことに気づかず、オフサイトミーティングという場所だけを持ってしまった。一人ひとりの信頼関係づくりが先だった。その後スコラにお願いした。元吉さんに手伝ってもらい再トライすることにした。
 
(居戸)

 小山さんのよさは、「メンバーと一緒に悩み、皆で答えをつくる」というプロセスを徹底していたこと。トップ一人で独走しなかったこと。職員のささいな不満を受けとめ、「なぜ?」と問いかけ一緒に考えて改善するプロセス。「あきらめない」という信念と行動。だからこそ、部下からの信頼も厚かったと思うし、組織を上げての取組につながって行けたんだと思う。
 
(元吉)

 小山さんは、県税事務所の職場では、最初に小さなことから手がけていった。職員と「やればできる」という体験を積み重ねていった。例えば、昼休みの消灯について、職員が「課税・納税に来た来庁者に対して、窓口でいきなり昼になったからと消灯するのはまずい」と考え、「なんとか窓口だけでも点けられないか」と提案をしようということになった。
 しかし、電灯は窓口と直角に配線されており、窓口だけをつけることはできなかった。また、職員が施設管理担当のところへ行って調べてみると「消灯はISOに基づいて義務づけられているもの。勝手に変えることはできない」という答えだった。職員だけならあきらめるところだった。それを所長が、もう一度調べてみるように言うと、「ISOは決まりなので、その決まりを変えれば可能」ということがわかった。配線も所長が他の部署へ直接相談に行くと、「配線工事をすれば可能」ということになった。職員の思いや行動をもとに、所長がスポンサーになって職員にはできないところをカバーすることによって可能となった改善である。全員の力で小さくても成果に結びつくことができるようになり、事務所全体の雰囲気が変わってきたような気がする。
 
(小山)

 オフサイトミーティングが効果的なのは、それぞれの思いを「自分の言葉で語る」ということを通じて当事者意識が芽生えていくこと。何となくモヤモヤしていることを解決しようとする時。
 それでも、オフサイトありきで進めたわけではない。あくまで「滞納者をなくす」という本来の業務課題から入り、「そのために税のあり方を事務所の皆で一緒に考える」ということが必要だということになり、その手段として最もふさわしいのがオフサイトなんだということにたどり着いたにすぎない。
 
(元吉)

 オフサイトミーティングには、上の人が「『やろうよ』と全員参加の声をかける」環境づくりをすることと、下の人が「まず参加すること」の両方が大事。その後、「悪くないね。もっとやりたい」と継続するかどうかはその人次第。また、職員の中から世話人が出てきて続けるときに再びトップのサポートがあると回り出す。いわゆる世話人がボールを投げたときに、上司がキャッチャーミットになってどんな球も受けとめられる関係があればいい。どちらか一方通行ではなく、双方でキャッチボールをしながら進めていくと、少しずつでも前にころがってくる。

 

◆滋賀県:元吉本を活用して「知事と職員のオフサイトミーティング」へこぎつけた道のり
(中西)

 もともと、滋賀県ではお隣の三重県の行革の制度や仕組みをいくつか取り入れてきた経緯があるが、どうも「仏造って魂入れず」の状態なのではないかと感じていた。この交流会を通じて元吉さんや小山さんにもいろいろお話を聞き、北川前三重県知事のお話なども聞いていると、決定的に違うのは制度や仕組みそのものではなく、それ浸透させる「対話」が不足していることではないかと感じ、チョウチョの会では対話を主体に活動してきた。
 今回、元吉さんの著書に出てくる三重県の取り組みを読んで、さらに、ただ単に対話だけでなく、居戸さんや小山さんが担ってこられた役割や、様々な職員が関わって生み出されてきたプロセスと、対話を通じて根付いてきた風土が、滋賀県にはないところだと感じた。
 一方で、滋賀県では、昨年「対話と共感」を掲げた嘉田知事が就任されたが、公務で多忙を極め、職員との対話の機会が少なく、知事の思いや情報が末端まで伝わらないという背景があった。
 今年になり、チョウチョの会のフォーラムとマニフェストの検証の機会に北川前三重県知事が来県され、その指摘もあって知事が「職員との対話」を発言された。そこで「やるなら今だ!」とチョウチョの会が発案し、秘書課と相談して知事の日程を確保。「職員と知事とのオフサイトミーティング」を実現するに至った。開催に当たってはチョウチョの会を応援していただいている部長や課長など、いろんな方に相談し、アドバイスをいただいた。庁内に限らず、元吉さんにも電話で進め方等を相談し、様々なアドバイスをいただくことができた。先の北川氏からの指摘も、実は北川氏がチョウチョの会の行事に来られた際に、「知事と職員の対話」についていろいろ相談していたためかもしれない。正攻法プラスアルファの手法で、多くの人の力によって実現できた。
 数名の部長級・課長級の職員にチョウチョの会のメンバーが加わって17人、盆明け8月16日にオフサイトを実施。元吉本の中から変革に必要な項目をピックアップして現状のチェックリストを作成し、相互の認識を共有した。知事はインターネットの「かだ便り」等を通じてご自身のメッセージを出されており、それで職員に伝わっていると思われていたようだが、当日のオフサイトを通じて現場に自分の言葉が届いていないのを知り、ショックを受けておられたようだ。これまで上司と上司とのつなぎ役というか仲人役に自分たち部下の人間がなっていなかったことや、知事の思いを翻訳して職員に伝える参謀機能などが不足していることにも気づいた。
 結果として、知事と幹部の間でも対話が必要という問題意識を共有することができ、次回は知事と幹部らで1泊2日の合宿オフサイトをやろう、といった「次につながる提案」も参加者から出た。勝負はこれから。

 

会場からの質疑
Q: 自分たちの進言に耳を貸さない、鶴の一声の首長=上司にはどう対応したらいいか?
A: その人を好きになること。やはり多くの住民から選ばれた人なので、行政職員としてはその知事の思いが生きるようにサポートするのが本来の役目ではないか。好きになれば首長の素晴らしい点が見えてくるし、首長からも何かおいしいという話が出てくるかもしれない。
 


Q: 三重県では議会の意識をどう変えたのか。
A: 北川知事は議会を元気にした。後日談で最近知った話だが、当時知事は議長と個別に会い「オレは知事部局を変える。だからあんたは議会を変えろ」と密談し合ったそうだ。お互いが対抗意識を持って良い形で変えていったと思う。そして、成し遂げた議会を知事はほめた。そういうシナリオを用意したところはさすがだと思う。
 なお、多くの職員にとっては、議会とか知事とか風土改革とかは話が大きすぎる場合がある。各自のできる範囲でできるものがある。身近なところから改善改革をスタートしていくこと、その取組みを見せていくことも必要。『いつでも、そして思いついたところから』は、そのような主役になった職員が自ら語ったものとして作成した(庁内向けの)本だった。

 

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【分科会1-a】「 変革への思いはあるが、なかなか実践することができない」という人向け

【テーマへの思い】

みなさん、オフサイトミーティングをやることだけが組織風土改革だと思っていませんか。
 もちろん、オフサイトミーティングは、肩書きをはずして、個人としての互いの思いを理解し共有するという点で、組織風土改革の重要なツールです。
 でも、公務員の組織風土改革の目的は、社会のために働きたいと思って公務員になった 私たち一人ひとりが、その思いを大切にしながら、伸びやかに思いっきり仕事に取り組むことのできる環境をつくることです。
 しかし、そうした思いを持ち、「何かやらなくちゃ」と思いながらも、どうしていいかわからず、はじめの一歩が踏み出せない人は意外と多いものです。
 
第1分科会では、そうした「変革への思いはあるが、なかなか実践することができない」と悩んでいる人達同士が集まり、公務員としての原点となる思いを共有し、自分たちが、仲間と力を合わせていい仕事をしていけるような環境づくりとしての組織風土改革を、 一緒に考えてみたいと思います。

 

【一日目】 セッション1
※ 1日目は、基本的にホワイトボードは使わず、できるだけメモも取らず、人の話を良く聞いて、印象に残る話は、記録でなく記憶に留めようというスタンスで進めた。
 
■ アイスブレイク(10分)(←本当は3分で終わるはずだった・・・)
  「3分で出来る組織風土改革」。全員が手を繋いで絡まった輪を解く。みんなで知恵を出し合い、身体を使ってコミュニケーション。残念ながら輪は解けなかったが、たっぷり時間を使ってコミュニケーション。
 
■ 議案熟読の時間(10分)
  身体を使った後は静かに考える時間。参加メンバの自己紹介シートを、主に「自分との共通点は何か」「なぜこの人はこういう風に考えたのだろう」という視点でじっくり読み、「聞いてみたいこと」を整理。
 
■ 自己紹介(80分)
  一人10分程度で、簡単な質疑も交えながら自己紹介。自己紹介をした人が次の「この人の自己紹介を聞きたい」人を指名して一巡。


【一日目】 セッション2

■ フリートーク
  自己紹介の延長で、「この人のもっとここが聞きたい。」「みんなにこんなことを聞いて欲しい。」ことを自由に出し合う。
話は次第に、うちの組織や職員のここがダメで・・・、ここが壁で・・・といった、自分の外にある「壁」の話しが多くなり、堂々巡りになってくる。ある程度予想した展開だったが、セッションの終了の頃には、少々話し疲れ・聞き疲れの雰囲気も出てきた。


◆セッション1・2で印象に残った発言

1)チャレンジと成功体験
・ やる気のなかった人が異動し、元気な人が異動してきた。以前は対立することも多かったが、今は職場を良くできるようなミーティングを少しずつ重ねている。
・ 行革部門で様々な仕掛けを考え努力してきたつもりだったが、事業部門に異動し、それがほとんど浸透していないことにショックを受けた。縦割り等、現場で改革をすることの難しさを痛感しているが、一歩づつ仕掛けていきたい。現在部内各セクションの連携のタネとして、視覚障がい者用の音声コードを名刺に刷り込む改善プロセスを通じて、風土改革の火付けをしようとしている。
・ オフサイトミーティングを6年間続けている。オフサイトフォーラムで総合受付の提案をしたら実現した。諦めずにくり返し続けることが大切。劇的には変わらないものではあるが、ずっとオフサイトをやってきたおかげもあってか、ひょっこり副市長が参加したり、組合でも「オフサイトをしたい」という声があがるようになった。役所内でも朝のミーティングを正式に行うようになった。
・ 年中しかめっ面の係長を何とか笑顔にしようと毎日1回声をかけて世間話をするようにしていたら、少し笑顔で話してくれるようになった。
・ 自治体の枠を超えて、2~3ヶ月に1回、ファシリテーションの技術を高める自主研究グループを開催・運営している。前の職場でボランティアグループを結成するのにファシリテーションの技術を学びたいと思い研修に参加。役立った。今でも各地に出向いたりテーマを変えながら会を進めている。また、凹みそうになるとき、こうした仲間から力をもらうことができる。
・ 旧態依然とした役所の中で、分煙を提案し続けていたが、周囲の職員からやり玉に挙げられた。どうやったらこの環境を変えられるかを考え、「住民の意見には弱い」と気がついた。住民アンケートに庁舎内の分煙提案を書いてもらい、それにどう回答するのかという形でアプローチしたら、10年かかって動かなかったものが翌週から全館分煙になった。
・ 自主研をやっていたが堂々巡りの議論になり10回でボツになった。今はオフィシャルに改革を進めることの大切さを感じている。「本気でやる職員提案」等々いろいろ仕掛けを考えているところ。そこから進めていきたい。

2)失敗と悩み・壁
・ 少人数の組織でトップのやる気の無さを感じている。例えば「大きな名札を着けよう」と改善等を提案してもすぐ跳ね返される。他の職員も退職間際等で今さら変えようという意欲がない。コンプライアンスも乏しい。
・ 市長のマニフェストは事務事業をチマチマ当たるような感じの削減型。自分自身がどっちを向いて仕事をしたらいいんだというジレンマに陥っている。最近は「待つ勇気」や「辛抱」というのも大事かなと思っている。
・ 10年勤めたが、公務員に対する理想と現実のギャップを感じている。
・ 役所も住民も閉鎖的。周辺自治体との合併もできず、孤立状態。財政的に危機状態。
・ 財政改革が迫られており、旗振り役を担っているが、実際「どうしたらいいんだ」という感じ。
・ 今の課に来て5年。係は今年から変わったが、前の係の人から今もよく質問を受ける。それに対して私が当時の経験から「こうじゃない?」と一言話すと、吟味する様子もなくそのまま係~課へと組織が動いていくのが、かえって怖い。

 

【二日目】 セッション3 
■ ファースト・インプレッション・ゲーム(30分)
  「じっせん」(実践)という単語から連想・イメージする言葉を各自が書き、その言葉を「誰が・なぜ」書いたかを1人づつ推理して当てる。なんとH市Aさんは全問正解。 ・ 同じ言葉・テーマでも、そこからイメージしたり受け取ったりする意味は人それぞれ異なる。「伝えたつもり」でも、自分の意図した意味は相手には伝わっていないことがある。
 → コミュニケーションの受け取り方の違い
・ 書いた本人が、なぜそう思ったか(そう書いたか)という理由と、周囲の人が「その人がなぜそう書いたか」と思う理由も異なる。その人を「知っているつもり」でも、実はあまり理解できていないことが多く、逆に自分自身も、周囲からはちゃんと理解されているわけではない。
 → 1日だけでは分からないその人の思い。その人の置かれている状況。
  等々といった「気づき」を共有。
  参考に「じっせん」という単語からメンバが連想・イメージした言葉は、
「ささえ」「チャレンジ」「山に登ること」「繰り返しやること」「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」など様々。
 
 
■ フリートーク(90分)
  1日目は、「自分の外にある壁」の話しが大半。数人の組織から数千人の組織、立場、役職等、「壁」は千差万別で「自分のこと」としてはなかなか捉えにくい。2日目は、「自分の中にある壁」について順番に話すことにした。カミングアウトタイム。
外の壁は千差万別でも、(心の)内の壁は共通したところが多かった。
 
■ ある自治体の臨時改革プロジェクト(60分)
  これまでの話題の中で、かなり「壁」が大きいと感じたあるメンバの悩みを掘り下げ、全員が本人になったつもりで改革(実践)のアプローチを考えてみることとした。
・様々な質問・アドバイス等、対話を通じて出てきた要素を、メンバの1人がSWOT分析でまとめたところ、少しづつだが変化の兆しがあり、「仲間の存在」、「外部からの刺激」等にチャンスがありそうだ。 ・ 問題の大小はあれ、これは、実は自分たちにも同じ事が言えないか? といった気づきを共有した。
 
 
■ 1分間の誓い(1分)
  最後に2人づつペアになり、1分間、お互いの目を見つめ合って、この2日間で得た気づきから、「自分は明日からこれを実践します」ということを無言で誓い合って終了。
さてさて、みなさん、何を誓い合ったのでしょうか。


◆セッション3で印象に残った発言

1)自分の中の壁と思い(乗り越えようとする自分・挫ける自分)
・ 自分を守ろうとするところがあるかもしれない。担当者には指示できるが、その上には…。
・ 繰り返しが足りない。また失敗したくないという負い目があるのか。
・ 周りの意見を気にしすぎて、聞いているうちにやりたいことが変わってしまう。
・ 失敗すると人のせいにしている自分がいる。
・ 風土改革の必要性を説いていく中で共感者を求めているところがある。
・ 「まずはやってみよう」という感覚が大事ではないかと思っている。
・ 言いたいことは言うが認められないとあきらめる。
・ 逃げ腰になっている感じ。
・ 役所の風土を下に見てしまう「なんでこの人達と一緒に…」という目線。
・ 人見知り。最近は、行動を起こす前に自分に宣言してから動くようにしている。
・ 職場の雰囲気的には風土改革というムードがあるが、それをうまく回せない。
・ 今の職場のメンバーに飛び込んでいけない。逃げている。
・ 余計な波風を立てて、職場の「和」を乱したくない。
・ どうせ何も変わらない。元々怠け者で楽な方が良い。と言う自分がいる。
・ 庁内はみんな「敵」だと思っていたが、外の知人に言わせれば「目くそ鼻くそ」だった。
・ 一人になりたくなくて、もう一歩踏み出せない。


◆1aメンバーの感想・・・ 「48時間メール」から抜粋

・ 私はこれまでオフサイトを続けてきたのですが、悩むことも多く、このままでいいのかなっと思っていたところ、みなさんのお話を聞いたり、聞いてもらったりしている中で、このまま頑張っていこうと思うことができました。
なんせ、本来が人見知りなので、みなさんとうまく話せませんでしたが、元気はいっぱいもらって帰りました。ありがとうございました。
 
・良かったー、人吉へ行って!
分科会1aの皆さん、2日間にわたる熱き聞き合い、大変ありがとうございました。
おかげさまで、みなさんからの一言一言のおかげで今回も知恵と元気とやる気、そして勇気をいただきました。
皆さんの実績は自らの勉強になり、また皆さんの悩みも対岸の火事ではない自分のこととして悩んだり反省したり…と、笑いの中に数多くの収穫があったと思います。
最後の「1分間のまなざし」、皆さん、何を思われたのでしょうか。私もあの時に誓ったこと、次にお会いするまでちっとでも成就できてるよう頑張ります♪
 
・お互いそれぞれ全く違った場所に生まれ、全く違った育ち方や考え方をした人同士が、どうしてこの地に熱く集うことができたのか…そんな縁の持つ不思議さを、今回は特に実感しました。
本当にありがとうございました。
 
・私自身こういう会に参加したのは初めてだったので、ただ驚くばかりだったように思います。分科会に参加して、置かれている状況は違うが同じような悩みや壁にぶつかっているということ、その思いを聞くことができただけで元気をもらい(風邪を引いてしまいましたが)この交流会に参加してよかったと思います。また1a分科会の皆様には、私のまとまりのない話を聞いてもらったことに感謝しております。
では、またお会いできる機会を楽しみにしております。本当にお世話になりました。
 
・交流会は今回が初参加ということでしたが、みなさん、元気ありすぎです(^^A 驚きました。
 交流会に参加していろんな人の話を聞きながらいろんなことを考えましたが、自分の考え方について自分で再確認できた気がします。
みなさんの活動に比べたら、まだまだ私はこれからですが、“準備運動”と“助走”をしっかりやりたいと思います。パワーを分けていただいたみなさんに感謝します。ありがとうございました。
 
・二日間ありがとうございました。
1aの皆様の奥深さに感心しました。聴けば聴くほど皆さんのガンバリに感動しました。二日目の席の並び順に感謝を込めて感想を述べます。
 Sさん、私のイメージと異なる県庁マンの姿に感動しました。たまごっちが普及しますように。
 Aさん、底力を見ましたよ。あきらめないことを思い出させてくれてありがとう。
Kさん、もっと自分のことを話したかっただろうにと思いながら流れを作れずごめんなさい。孤軍奮闘から協同連帯へシフトできることを祈ります。
Nさん、笑顔の奥にそんなに深い悩みがあるなんて。見てる人は見てます、組織は生き物のハズですから。
 Kさん、上司からの信頼が厚いんだろうなぁ。貴市の組織風土をみたように感じています。
Aさん、あなたの笑顔、言葉にグループの皆が安心感を得たことでしょう。市を引っ張っていく職員になるなぁ、きっと。
そして隊長の中西さん、暖かい表情、話し方に感動しました。人をひきつけるツボをみたように思いました。・・・・感謝することばかりで、言い尽くせません。
またどこかでお会いしましょう。そのときは、それぞれ成長した自分でありますように。日々努力します。

 

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【分科会1-b】「 変革への思いはあるが、なかなか実践することができない」という人向け

【一日目】 セッション1
「静かに考え,静かに語り,静かに聞く」ことから始めようということで,まず3分間,それぞれがこれからの場を共有していくために,自分から伝えたいことを3点メモしました。
その後,一人10分間ずつ,思いを語りました。ここでは,原則として質問や議論の発展をせず,まずそれぞれの思いを聴くことにしました。


【一日目】 セッション2
セッション1で提起された思いの中から,いくつかのテーマについてみんなで掘り下げて語り合いました。

 

[主な内容]
・ 上司から反対されながらも事業を推進したが,結果うまくいって,結果的には上司からも認めてもらった。
・ じっくり住民の話を聞くことが必要だと考えているが,税の分野では時間がかかり過ぎと言われたのに対して,福祉分野に移ってからはその姿勢が評価されている。
・ オフサイトをやっている仲間が,なかなか輪が広がらずに悩んでいるので,自分は,「あせらなくても,それでいいんじゃないの」と言う役回りをしている。続けていれば参加する人も出てくると思うので,止めないことあきらめないことが大切だと考えている。
・ 仕事で,知識・経験不足でコテンパンにされたことがあり,それ以来,自分がスキルアップすることの大切さを感じている。資格取得もしたいと思っているが,なかなか進まずにいる。専門性を生かした仕事をしたい。
・ 自分で実際に経験してみないと言葉に重みが出ないと考えている。若手は行政内部の敷居を高く感じてしまい,思うように発言・行動において一歩が踏み出せないでいる。組織が大きいとそれだけトップの熱意が感じ取れない。
・ 職場ではまだ女性がお茶をいれるのが当然という状況。気分転換に喜んでやっている人もいる。その時間仕事をすべきだと思う。変更を提案しても,感情的な議論になり,勝ち負けの議論になってしまう。数年前に,若手の職員が仕事のやり方の改革を提案したが反応がなくいつのまにか立ち消えになっている。仕事は楽しいが,職場には誇れるものがない。
・ おかしいことが続いている現状に対し,やり方を変えれば時間を有効に使える等,視点を変えて考えることも必要。
・ 小さくまとまりたくないと思っている。
・ 管理部門にいて,上から見下ろす目線の問題点を感じた。駄目なところを指摘するようになる。説明を聞くのはうまくなっても,事業課や市民に説明をするのは下手。管理部門が情報発信をしていくことが大切。
・ 外国人と関わる仕事をしてみて,外から見直す目の大切さを感じた。また,学生時代のアルバイトで,専門職の補助スタッフの仕事をしてみて,プロ意識のすごさを感じた。
・ 上司が見る必要がないものまで決済に回しているのではないかと感じる。役所は,自分で問題を複雑化しているのではないか。
・ 合併した時に,職員個人の力の差が出ると思うそのようなことがないように,支えていく仕組みが必要。
・ 住民参画型の計画作りに取り組んだが,議会からの反発などにより立ち消えになった。
・ 問題を問題だと認識すること,共感できる人を見つけること,今の自分が持っている問題意識が間違っていないということを感じられることが大切だと思う。
・ 問題を他の人も気付く仕掛けが必要だと思う。ベンチマーキングなど。
・ 仕事の質の差を見せること,意識することも大切。自分たちがやっていることを疑わず正しいことだと思い込んでしまい,不合理なことがまかり通っている職場は,仕事の質も相対的に低いはず。
・ 横並びにどっぷりと浸って満足している自分がいたことに気付いてなかった。
・ オフサイト以外に,自分がへこたれないようになる方法も考えてみたい。
・ 環境が変わらないとできないこともあるが,機会を待つ間に自分の力をつけていかないといけない。

 

 

【二日目】 セッション3
前日の語り合いの中で感じたこと,話し合ってみたいと思ったことを出し合って,掘り下げました。

 

[主な内容]
・ 自分の思いを伝える説明能力の重要性の大切さを感じた。
・ 人のつながりの橋渡し,行政と住民,行政と民間団体や企業との橋渡しをするのが公務員の仕事ではなかろうか。
・ あるビジョンをつくる時に,民間からリーダー的な方に会長になっていただき,人選も任せた。すると,日頃厳しい意見を述べる人が集まり,行政の内部からは,「行政への不満や批判が噴出してまとまらないのでは」と危惧する声が強かった。確かに当初は,ガス抜きの時期としてそういうこともあったが,皆さんがいろいろ発言される中で,言ったからにはやらないといけなくなってきた。そして,どんどん行動していただけるようになった。行政は,そのような方々のバックアップ役に回った。そうすると,アイデアを出すと役所がバックアップしてくれると思っていただき,活動が広がって,お互いに居心地の良い状況になってきた。
 

・ これだけ他人の話を聴いたのは初めて。
・ 思い込みや決め付けをしていることがある。初めて言われて気づくことも。
・ 目の前のいくつかの問題しか見えていなかった。それだけが問題だと思い込んでいた。視点を変えて,それを引き起こしている本当の問題は何かから考えていきたい。
・ 役所に頻繁にクレームを言ってくる人たちを集めてオフサイト的なものをしたらどうだろうか?⇒クレーマーと思いを持った人では生まれる場は違うのではないか,との意見あり。
・ 気づく力の大切さを感じた。
・ 心地良い緊張感ある場から生まれるものがあると感じた。
・ 一度にいろいろと解決しようとしないで,いくつも釣り針をたらして根気強く待っておいて,変化が起きるのを待っている。
・ 市民との協働には,行政への不信感を安心感に変える必要がある。環境の変化と人の変化の両方が必要。感性とフットワーク。自分に真剣に話をしてくれても,空振りにならないというメッセージを出す必要がある。


【まとめ】
◆旧態依然とした体質を持った行政組織の話を聴き,最初は,まだそんなところがあるのとか,気の毒だねとか,少し自分が優位な立場から「同情」していたところがあったが,話し込んでいくうちに,旧態依然とした体質の保持が何をもたらしているか⇒行政の質の低さとして現れているのではないか⇒ベンチマーキングをしてそういった問題を表面化させる工夫をしていったらいいのではないか⇒変革のできない体質が行政のレベルを低いままにしているはず⇒行政のレベルを問うとすれば,旧態依然とした職場体質だけではなく,横並びで現状に満足せず変革への継続的な取り組みを十分しているのかという自省も自分たちには必要なのでは,というように,「他人の話」から「自分たちの話」へと気付きが生まれた。
 
 

◆行政と民間企業の人達とが,同じ土俵の上で気楽に真面目に議論していくことがこれからは大切であり,ここでも風土改革が必要だと感じた。また,そのような仕組みをうまく動かしていくためには,行政は多くの「雑用」をしなければならないが,それによって何をめざしていくかがはっきりしていれば,それは「雑用」ではなく当然やるべき仕事と捉えられるようになる。
 

 

◆雨が降った日は役所の廊下が濡れて滑りやすくなって,来所されるおばあちゃんが難儀をしていることに,問題を感じる人と感じない人がいる。そういった問題に「気付く力」が大切。そのためには,仕方ないからやるのではなく,仕事への取り組みにおける目線の高さ,めざすもの,使命感,思いやりが大切。
 
 

◆何が大切かを考えて,しっかりこだわって良い仕事をしていくためには,普段から要らない仕事を削ぎ落として,身軽にしておくことが大切。
 
 

◆職員と職員,職員と住民,立場の違いや背負っているものの違いはあれ,「適度な緊張感」から生まれる何かにスポットを当てることが大事。そこに組織風土が絡むと面白いのかも。
 
 
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【分科会2-a】 「実践に取り組んでみたものの壁にぶつかっている」という人向け

【テーマへの思い】

「何かやらなくっちゃ」という思いに駆られ、意を決して改革の実践に取り組んでみた皆さん、その取り組みは思ったように進んでいますか。
とりあえず勉強会を立ち上げてみた人、身近な職場を変えるために何か仕掛けてみた人、第1段階の仕掛けはうまくいったもののなかなか次の段階に結び付けられない人など、ステップはいろいろありますが、結局、壁にぶつかっていませんか。
うまくいかなくて当たり前です。思うように改革が進み、組織がそのようになっているのなら、風土改革に思いを馳せる人などいるわけがないですよね。 
でも、そうした壁にぶつかっている人が集まれば、何か突破口が見つかるかもしれません。
第2分科会では、そうした「実践に取り組んでみたものの壁にぶつかっている」人が集まり、それぞれの取り組みと直面している壁について紹介しあう中で、壁を乗り越える方法について、一緒に考えてみたいと思います。

 

【進行】

■ 始めに、全員が自己紹介と風土改革に興味を持ったきっかけを発言
 
■ その後、順に自己紹介シートに記載してある現在の悩みや相談したいこと(壁)の背景や詳細を説明
 
■ これに対する問答や意見交換などにより、この壁を乗り越える方法について一緒に考えるが、結論は求めず
 
■ この進め方で、一人ずつ順に進行(一人当たりの制限時間なし)

 


◆コーディネーター役からの感想
 この分科会を立ち上げたときから同じなのですが、語らいを通じた自分の想いの顕在化、 そして安易な答えを人からもらうのではなく自分で次の一歩を見つけ出すこと、この2点の 実現に気をつけながら、進行させていただきました。
 今回も、たとえ組織が異なっても想いを持った方々が集まられたわけですから、私があれ これ気を使うまでもなく、これらは実現されていたように思いますし、私自身はとても有意義な時間をいただいたと感じています。
 特に、今回は同じような悩み、壁に直面している方々が集まりましたので、全員がgiverかつtakerという理想的な関係の中で、参加者ひとり一人が自分なりの壁を乗り越える方法を見つけることができたのではないでしょうか。

 


◆意見交換のポイント
まとめをしていないので、後日、参加者の皆さんからいただいた感想をご紹介し、意見交換のポイントとさせていただきます。 ○  分科会では、「ともに悩む」ことの大切さを心から実感しました。
 答えが出なくとも一緒に悩み、考えることで励まされたり、安心感が出るんですね。また他の人の悩みを考えている中で自分自身の悩みの解決に糸口につながるヒントもいただいたように思います。うまく言葉にできませんが、結局のところ本質的な部分って共通する 部分が多いのかなと思いました。
 焦らず背伸びをせず自然体で、自分の持ち味である「笑顔」と「元気」を大切に今の自分にできることから一歩ずつやっていこうと思います。
 
 

◆当日はアホみたいにはしゃいでいましたが、正直なところ今回の参加をするかどうか最後まで悩んでいました。4月に職場が変わり新しい仕事と新しい人間関係に悩み体調を崩し、参加しているインフォーマルな会の活動はもちろん仕事も満足にできないような沈んだ 時期を過ごして何もやっていない自分がいたのです。
よくよく考えてみればこの参加の決意も僕なりの一歩だったのかなと。
 できない言い訳、後ろ向きな心ではなく、とにかくもがいてでも良いから前に進もうとする想いを持ち続けることが大切なのだと再認識しました。
 


◆実は人見知りの私ですが、皆さんの暖かい懐と熱い思いに支えられてすっと溶け込むことができました。
 皆さん、表出方法は違えど、もがきながらも思いの実現に向けてのエネルギーがすごい。
 じっくり聞きあい、一緒に困って、一緒に考える。
 きれいな言葉ですらすらと表現こそできなくても、何かしらの気づきをもらって、明日への一歩にする。・・・・といった大事さを改めて感じました。
 
 

◆私は、分科会の中で、現在の自分自身の業務に関する悩みを相談させていただきました。
 今、私が担当している業務は、政策的な色合いが濃い事業で、実際に携わる現場職員では「やるorやらない」の選択はできません。(いわゆるトップダウン)結果として「やらなければならない」状況に追い込まれたのであれば、携わる職員が、嫌々ながらではなく、やりがいを感じながら楽しく仕事ができる環境を整えることができないかと、私自身いろいろとやってはみているものの、所詮はイチ平職員で、やれることに限界があり、結果として現場の職員や労組からの強い反発を受け、かなり凹んでモチベーションダウンしていました。
 このような漠然とした悩みを分科会の皆さんに聞いていただいたところ、具体的なアドバイスや、住民からの視点に基づく率直なご意見をいただき、とても参考になりました。そして、議論を通じて、自分自身が無意識に目を背けていたことを顕在化させることができました。
 分科会での気づきは、即業務に活かすことができるものばかりでしたので、昨日から実践していっているつもりです。
 


◆今回自分が「自分の問題」として持ち込んだこと(物品担当者で集まっての事務改善の  取り組みでまず信頼関係が築けてない)は,別に問題でもなんでもなくて,ただ自分が  「サボってた」だけでした。 幸い相談すべき世話人仲間は今いますので,どう場を運営  していくかの事前の相談,事後の参加者へのフォロー,泥臭くやっていこうと思います。
 実は,自分でもうすうす気づいていたことで,これもあって今回の交流会には「こんな  レベルで参加していいのかなぁ」と参加を躊躇していたのですが,参加させてもらってよかったです。
 それは,この当面の問題(じゃなかったこと)について次のどう動くかが明確になったことが1つ。
 もう1つは,意識してなかった(無意識で考えないようにしていたこと)問題に改めて  気づいたこと。
 意識してなかった問題というのは,自分のいる県庁全体のことです。
 いつかは訪れるジャンプの時期のためにどんな助走をしておくか。
 滋賀・チョウチョの会のみなさんが「概ね」1年に1回開催されているフォーラムで,  仲間作り(仲間を発掘し,仲間の成長を支援し,しなやかな絆を強めている)をされているようなことを自分の県庁でもやるのか。
 今はその時期か? 自分にできることか? 自分がやるべきことか?・・・・考え出すと悩みはつきません。が,そのステージも今の自分には「ジャンプ」だと感じます。
 まずは自分の職場のことに取り組み,1つずつ自分で答えを探っていく中で助走に求められる,筋力と技術とセンスを養っていこうと思います。
 やったことないことはできません。でも,同時に遠くをみることも忘れないようにします。
 
 

◆公務員という同じ組織内で、同じ様な仕事をされている方々と同じ様な悩みを腹を割って、真剣にウソ偽らず本音で語れたというのが第一印象です。
 普段の職場では、そういう土壌が出来ていないと思われるので、結局表面的なつまらない話をただ話しているだけなつまらない毎日を送っているのに対して、とても充実していた 二日間だったと思いました。
 分科会の皆さんには、私の愚痴に付き合って頂き、まことにありがとうございました。
 何か理由をつけ、人のせいにしていた自分自身努力不足だったということに気がつきました。このまま流されず再度自分を律し奮起しなければならないと感じました。
 
 

◆当初は、九州観光のついでに参加するという不純な動機でしたが、交流会に参加したことによって、グループのメンバーに仕事上の問題や悩みを相談し、様々な立場の人からご意見をいただくことにより、一筋の明かりをもらったような気がします。
 次回みなさんにお会いする機会があれば、停滞している我が市の組織風土改革について、少し進捗したお話ができると思います。
 
 

◆分科会の構成なども工夫され、回を追うごとに色々な試みなどの積み重ねが進んでいる ようにも思います。なかなか試行錯誤的なところもありますが、それもまた財産。それを  よい形で参加者や世間に還元していけばいいだけですよね。
 今後も、色々な工夫が必要なんだと思いますが、いつまでも門戸広く、ただ楽しい、元気が出るという私の様な天の邪鬼でも、何の遠慮もなく参加できる会であって欲しいとお願いします。
 何時までも元気を貰う側ではイカンので、分科会でお話したような課題に、私なりのやり方で、少し立場も変えて取り組みつつあります。その成果を、いつかご報告できるようでありたいですね。
 

 
・ 熱い人(突破口)、共感する人(拡げる)、シナリオを書く人(コンセプトメーク)
・ この3つの役割が、トライアングルのように相補すれば、うまくモノゴトが動いて、  スパイラルアップできるんではないか
・ この3つが直線的に並んでしまう(響き合いにならない)ときは、うまく行かないの  ではないか、時を待たねばならないのではないか
 
 
・ 考えるよりまず実行。
・ 坂があれば馬力に任せて一気に昇りきる。
・ 馬力不足で登れない急坂ならば、別のエンジンを補強し、スクラムを組んで登りきる。
・ 壁があれば壊せばよい。
・ 例え大きな壁でも、時間をかけて押し続ければ、壁は必ず壊れる。
これまで、こんなスタイルで活動(チャレンジ)し続けてきたつもりです。
 今回、県内(人吉)での開催ということもあって、初めて世話人交流会に参加させて頂きました。
 全国の熱い方々と「熱い議論をしたい」というのが、参加した最大の理由でした。
 分科会(2a)の議論?で感じたことは、自分が「これまでに大きな壁にぶつかったことがないのではないか?」ということでした。
 これまで、よき仲間、よき理解者に恵まれ、力添えを頂きながら、多少の壁は乗り越えてきたと思っていました。しかし、壁と思っていた障害物は、実は時間をかければ誰でも登れる坂道に過ぎなかったのかもしれません。
 将来、とんでもない壁にぶち当たった時、今のままのスタイルで乗り越えられるのか?と思うと、大きな疑問符が付きます。
 10馬力で駄目なら20馬力にすればよい。20馬力でも駄目なら50馬力にすればよい。しかし、たとえ100馬力に補強したとしても越えられない壁があればどうするのか?を、真剣に考えておかなければならないと、初めて思いました。
 具体的にどうするのかは今後の課題ですが、このような「気付き」があったことが、今回の交流会に参加して最大の収穫だったような気がします。
 これからも、私のモチベーションの源である「熱さ」を捨てるつもりはありませんが、今回の「気付き」を意識しながら、一工夫してチャレンジ(活動)していきたいと思っています。
 
 

◆今回、本格的なオフサイトミーティングを初めて経験しました。
 グループ全体が「否定することなく、真剣に話に耳を傾ける」雰囲気だったため、かなり本音をお話することができました。また、「自分の性格」について話が及んだときに、  皆さんから肯定的にフォローしていただいたことが印象に残っています。特に、自分よりも年下(と思われる)方からフォローしていただいたことが新鮮な体験でした。

 

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【分科会2-b】 「実践に取り組んでみたものの壁にぶつかっている」という人向け

【一日目】 セッション1
まずは、アイスブレイク。ペアを組んだ人と1分間見つめ合う。人の目を見るというのが意外と難しいということを実感。途中に笑い(苦笑)が漏れたり、終了後はすこし和やかな雰囲気になりました。そのまま一人15分間の自己紹介を開始。
それぞれの自治体で何らかの活動を始めている人が集まっているため、とても熱い内容の自己紹介になりました。それぞれいろんなステージで活動を進める中での悩み事や「壁」についてお話しいただきました。
6名まで終わったところで、時間となり夕食会場へ。


【一日目】 セッション2
分科会メンバーで一緒に食事をとったせいか、セッション(1)よりも打ち解けて話ができるようになりました。職場の話だけではなく、趣味や家族の話が出てくるようになりました。残っていた4人の自己紹介終了後、セッション(3)で深掘りして話をしたいテーマについて、5分間各自で静かに考える時間をとりました。その後、ブレインストーミング。30テーマを目標にどんどんホワイトボードに書き出していきます。目標の30達成!というところで、ちょうど時間となりました。


【二日目】 セッション3
 まずは、ファーストインプレッションゲームで再びアイスブレイク。自己紹介ではどうしても仕事や取り組みの話が中心になってしまったため、「ひととなり」についてもっと知り合おうと思い、実施しました。
 完全に氷が溶けたところで、セッション(2)で挙げた30のキーワードをグルーピングし、その中で掘り下げて話し合ってみたいものを3つに絞りました。

1) ネットワークづくり、場をつくる力(仲間づくり)
 
2 )メンバーの固定化、マンネリ化の壁
 
3 )ミッション・ゴールイメージの共有
  (オフサイトのためのオフサイトにならないように)
 
3つとも充分に議論できた感じがあります。

 

【皆さんの感想】
◆ 晩御飯食べたら、「旧知の仲」のような雰囲気で遠慮なしの議論ができました。
 

 

◆皆さんの壁に比べたら、僕のは「段差」であることが良くわかりました。
やはり「場の力」があると、なんだか自分自身までパワーアップした気がします。あとは、この熱をどうやって維持するかです。消えそうになったらまたもらいにいきます!
 

 
◆30に及ぶキーワードからテーマを絞った深掘りの中から、いろんな知恵や工夫などお持ち帰りいただけそうなお土産が生まれました。ありがとうございました。
 

 
◆ひとりで解決できない壁の時には、仲間と一緒に、原点に還ってみることの大切さ。セーフティネットとしてのネットワークづくり。そんな場(プラットホーム)をつくる力。ネーミングの力などなど。今回もまた、新たな気づきとエネルギーをいただきました。
 

 
◆30に及ぶキーワードをみんなで出していって、そこからテーマを絞って深掘りしていく中で、でもやっぱり他人の意識を変えるのなんて出来ないので、自分の働きかけを工夫していけばいいんやって気づきがあって、それからいろんなヒントもたくさんもらえて、また前向きな気持ちになれて、とてもよかったのでした。
 


◆自分は壁を避けてるんぢゃないのかな。って思ったんですね。
まあ、オフサイトミーティングとか職場の意識改革とかいろいろありますが、自分としては単に風通しのいい職場づくり!(隣の人がどんな仕事をしてるのか、何に悩んでいるかなどを知る)それを自分個人でやっていただけなんだろうと思います。
 周りを引き込んで。。。。って大胆な発想まではあまり持てなかったんで
2bのお話は、自分からは非常にハードルが高かったかなってのが正直な感想です。
 そんな自分の行動は、「種まき期」に当たるのでしょうか
とにかくいろんな人と情報有共有をして、問題点を共有して。。。まだその段階です。そんな自分の状態を再確認した会となりました。今後自分がどのような段階にステップアップするのか、場合によってはずっとこのままかもしれませんが(笑)
そんなお話を、これまた一つの共通問題として皆さんと一緒に共有できればと思います。
 

 ◆「オフサイト」ってそんなにいいものなの?という懐疑的な気持ちを持っていましたが、2bの皆さんの温かさの中で、少しずつかたくなな気持ちも溶けていったような気がしてます。
 
 

◆分科会では、各地から、オフサイトミーティングのマンネリ化が指摘されていました。 三重県の小山さんがプロセス対談のときに発言されていましたが、オフサイトミーティングは、手段であり、目的ではないとのことです。
 問題意識があって、どうするかというときに有効なツールのひとつにオフサイトミーティングがあるということです。
 私たちも、ともするとオフサイトミーティングを開催することが次に繋がるとの認識から、オフサイトミーティングを開催することがありますが、その限界は、自ずと明らかだということが認識できました。
 当県の組織風土改革でもオフサイトミーティング的な手法が脚光を浴びていますが、その限界は明らかだと、改めて認識することができました。
 
 

◆参加者が固定化することは、是か非かという検討も行いましたが、固定化したメンバーがコアメンバーとして活動し、次の段階で、周囲を巻き込んでいくという取り組みもあるのではないかと、提案されていました。それもそうだなと感心しながら聞いていました。
 
 

◆今まではもっぱら、シンポジウム(講演会)に参加することはあっても、今回の交流会のように、自分のことや、思い、考えなどを語ることや、ほかの参加者のかたから、同じようにお話をうかがうといったことは、初めての経験でした。参加してみて、とてもよい経験になったように思います。
 
 

◆わたしが参加した、第2分科会Bのみなさんとは、2日間にわたって、かなり「濃い」お話ができて、とてもよかったと思っています。そして、交流会全体を振り返ると、どんなかたちであっても、それをひとに伝える「場」の大切さを痛感しました。
職場の公認のオフサイトミーティングでもいいし、非公認とか、まだ少人数であっても、それは決して、優劣がつくものではなく、いろいろな「場」であっていいんだ、そう思いました。その「場」は、そしてあくまでも「手段」であって、そこで完結する「目的」ではないんだと思いました。
まだまだ、先は長いですが、結果を恐れずに、さまざまな試行をしながら、「今よりも、ほんのすこしでもよい明日」にできるようにしていこうと思いました。
 

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【分科会3】 「仕事や立場上、改革を進めなければいけない、進めたい」という人向け

【テーマへの思い】

地方分権推進計画から三位一体改革、市町村合併へ、歳出・歳入一体改革へと地方自治体を取り巻く環境が急変してきています。
 今やどの自治体も、その中のどの職場も改革・変革が迫られているのではないでしょうか。また、変わらざるを得なくなって来ているのではないでしょうか。
 行政改革担当とか、研修担当として改革の一翼を担うことになったものの、実際どう進めたらいいのか悩んでいませんか。
 自治体の改革は、組織全体の取組みとともに、課、室、係などそれぞれの職場の中から業務改善、風土・体質改革の取組みが生まれてきてこそ、本物の組織風土改革につながっていきます。
 また、マネージャークラス、係長クラスになったものの、この変革の時代にどのように組織 (課、室、係)経営をしたらいいのだろうかと悩んでいませんか。
 仕事や立場上改革を進めなければならないが、なかなかうまく周囲の理解を得にくい、みんなの動きにつながっていかない、と悩んでいる人は結構いるものです。
第3分科会では、そうした「仕事や立場上改革を進めなければいけない、進めたい」人たちが集まり、上からの思いや下からの思いを話し合う中で、課や室や係の改善・改革や自治体の組織風土改革について、一緒に考えてみたいと思います。

 

【進行とコーディネーター役からの感想】
 第3分科会では参加者11人の内過去にもこの分科会に参加された方が6人、新たに参加された方が5人で計11人、そのうち管理職5人、一般職5人という構成でした(他にプロセスデザイナー1人)。
 中小企業大学校をお借りしての全員合宿だったので、分科会を1日目16:00~18:00、19:00~21:00、2日目8:30~11:30と結構時間を取れたこともありましたがとても充実した話し合いになったように思います。
 1日目と2日目のほとんどの時間を自己紹介と今取り組んでいることやその背景、うまくいかないと感じ悩んでいることなどを語り話し合い、それぞれについて意見交換し気づきを得ました。
 管理職はそれぞれ個々の悩みを話しながらも結構共通した悩みでもありますし、一般職の方々から見た上司への思い、不満はとても参考になるものでした。
 また、一般職のみなさんにも管理職の本音の悩みを聞くことは新鮮なようでした。
 2日目の最後のほうに、ある市の部長さんの組織風土改革への取組について、ケーススタディとして風土改革の再構築への部下の課長として、係長として、担当として、また、同僚の部長として等々の意見、思い、提案などを出し合いながら変革への取り組み方を話しあいました。
 2日間の交流会の中では心に残る言葉、提案が多くありました。

 


【意見交換のポイント・思い】

◆現在は、体育会系のノリで部下を引っ張っていますが、部下は「たまらん!」と思っているのではないかと、交流会以後は、後ろを振り返りつつ仕事をしています。(これも交流会参加のおかげです。)
 第3部会に参加された多くの方が述べておられますが、メンバー構成もよく、「上司の悩みと葛藤」、「部下からみた上司へのアドバイス」と内容のある交流会でした。
 今回で2回目ですが、毎回インパクトがあり勇気を奮い立たせていただいた交流会であり、また皆さんから頂いた「記憶に残る数々の語録」は、職場の中で活用させていただきたいと思っています。早速、「壁にあたったらラッキー」は使わせていただきました。
   これからも、機会あるごとに参加したいと思っていますのでよろしくお願いします。
 
 

◆交流会では第3分科会初参加。マネージャークラスの改革組織風土改革の手法において、仲間を集めてやる「有志勉強会」はやる気のある ものだけが集まりますが、職場でのマネージャーは職員個々の立場の違い、モチベーションの違いが多々ある中での改革です。
 組織において、その職責の中で職場風土を改革していくため部下への声のかけ方。立場。首長の関心。他の幹部との関係・・・多くの問題が複雑に絡みます。
 日頃、自分の職場において幹部の方から、一人称で語る悩みをお聞きすることはなく、本当に良い勉強になりました。分科会2日目朝は、Kさんの事例を皆で立場を変えて考えあうことによって、論点の整理ができていきました。
 分科会で、皆様の言葉をお聞きする中で、まだまだ部下の気分でしか仕事ができていないことを再認識し反省しています。部長、課長の指示をそつなく、こなすだけではなく、その意味を立場を変えて考えてみてから動くことを心がけます。
 
 

◆私は第3分科会に参加させていただきましたが、比較的、管理職・マネージャー クラスの方々が参加されており、本市では考えられないような役職という垣根を超えた熱い議論を交わすことができたのは大きな収穫でした。
 みなさんの話の上手さには開いた口がふさがらないほど感服しました。今回の大きな気づきの一つとして、私のプレゼン能力の未熟さが浮き彫りになったことも大きな収穫です。
 本市でも常日頃から同様の会議ができれば、若い職員にとって奮起を促すに違いありませんが、「助走のないジャンプはない」という名言どおりに、いきなりではなく、まずは真綿で首を締めるようにジワリジワリと縦横無尽に行政改革を進めていきたいと思います。
 また、管理職には管理職の悩みがあるということがわかっただけでも今までとは違った視点・作戦で管理職にアプロ-チすることができそうです。
 次回皆さまとお会いするときは、「組織を良い方向に導くことができました」と自慢できるような実績を引っさげてお会いしたいと思います。
 
 

◆それぞれ、所属や職場の規模、仕事内容は違っても、抱えている悩みや課題の本質は同じで、かつ共通の言語で話せて、自分自身への振り返りの場にもなりました。また、第3分科会では、素敵な人生の先輩方に囲まれて、充実した時間を過ごす事ができました。
 先輩方のように、謙虚な心を忘れず、いつまでも新鮮な目で物事を見て感じ続け、出来る範囲で出来ることを行えるようになりたいと思いました。
 「壁」は、近づいてみると「厚さ」と共に、「素材」も分かると思います。木製なのかコンクリート製なのか・・・、意外と発泡スチロール製で、すぐ飛んで行っちゃったり・・・。
 時には鉄製で、「壁」どころか凄い厚みで「直方体の塊」であるかもしれません。
 でも観察してみると、きっと「はしご」や「迂回路」があると思います。
 そして、その壁を手を取り合って進む仲間も近くにいるかもしれません。
 一人で爆破したり、崩すことだけを考えないで、進んで行こうと思いました。
 
 

◆今回特に良かったと思ったのは、第3分科会に管理職以外(管理職予備軍)の方々が参加されており、一般職員の立場からの意見が聞けたことです。日頃の自分の言動を見直す良い機会となり、部下とのコミュニケーションが不足していたと痛感しました。(すこしうるさいオヤジになろうと決心しました。)。
 
 

◆この度は,第3分科会で,よいメンバーに囲まれ,私の悩み(愚痴かもしれませんが)を聞いていただき,救われたばかりではなく,これからのヒントもいただき,4時間半列車に揺られた甲斐がありました。
 若い職員の皆さんが,それもいい仕事をしようとしている方にとって,マネージャークラスの言葉が,どれほど大事なものか,考え直させられました。また,共感できるような環境づくりが大切なのも,今更ながら再認識しました。?単なる指示で終わっていないか,これからは一つ一つ考えながら,思いと一緒に伝え,ともに考えていきたいと思います。
 理屈ではなく思いを伝え,焦らず人を育て,一点ねらいで成功事例を作る取り組みへとプロセスを見直します。
 壁にぶつかっていると思ったら,それは,とにかくやってきたことへのご褒美であり,乗り越えるものが分かったことの幸運だったのですね。素敵な気付きでした。
 泥をかぶる覚悟で壁を乗り越えて行きたいと思います。公務員ってすばらしいと若い職員にも伝えます。
 改革の思いは現場にはなかなか届かないのですね。でもそれにめげずに,リーダーとして,具体的に変えるための行動をしている姿を見習いたいと思います。また,改善と職員育成の手法をパクらせていただきます。
 今日から早速実践です。じっくり取り組みたいと思います。次にお会いできるときには,成功事例を発表できるように。皆さん,本当にありがとうございました。
 
 

◆第3分科会では、たまたまですが管理職と一般職がぴったり半分、といういいバランスになっていて、それぞれ違う視点からの本音の言葉がとても新鮮でした。
 管理職には管理職としての深い悩みや下への不満があり、一般職には一般職としての思い、悩み、上への不満があるということがお互いに実感できたのではないでしょうか。
 私も管理職として同じ管理職の悩みは共感しやすかったし、一般職の方々からの意見はああそういうふうに思うのかといい勉強になりました。悩みを聴き合い、意見を述べ言葉を重ね合う中で胸に残る言葉も多くありました。
 その中でも、特に「壁にあたったらラッキー!壁の厚さが分かる。」誰にでも言える言葉ではないと思いますが、これには私も本当に「目から鱗」でした。「そうか、そう思うのか」とともに、「そう思えばなんだか壁にあたればワクワクするかも」という感じになりました。
 また、ある管理職から、「課長、係員を巻き込んで一緒に考えてなかった。」「指示はしていたけど一緒に創るというのはなかった。」この言葉は一般論としては言えるけど、自分を振り返り自分の本音の言葉として語るのはなかなかできないことだと思います。
 この交流会でいい気づきや次への思いを強くする言葉をいっぱいいただきました。

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