公務員のネットワーク、交流会・セミナー
2012年 春の世話人交流会レポート
開催概略 | |
参加者が所属する団体 | 愛知県、明石市(兵庫県)、生駒市(奈良県)、大阪市、厚生労働省、神戸市、国土交通省、滋賀県、スコラ・コンサルト、財務省、長崎市、奈良県、習志野市(千葉県)、廿日市市(広島県)、播磨町(兵庫県)、人吉市(熊本県)、兵庫県、舞鶴市(京都府)、南伊勢町(三重県)、農林水産省、和歌山市(合計33人) |
開催日 | 2012年5月12日(土)~5月13日(日) |
会場 | 神戸市勤労会館 会議室 |
全体の流れ |
5月12日(土)
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今回の運営チーム | 菊池 学(愛知県)、上田 淳子(播磨町)、小山 巧(南伊勢町)、中西 大輔(滋賀県)、溝口 尚也(人吉市)、元吉 由紀子(スコラ・コンサルト) |
初参加が多く参加動機もまちまちだったが、「共感」できることが参加者同志の心の栄養になったようだ。また、各自の経験談が抱える課題の問題解決のヒントになった有意義な語らいができた。
◆これからは「ネクスト」を意識してと先輩に言われた。
自身の成長のみならず、後輩の育成もしなさい という2つの意味がある。
自己研鑽は出来ているが後進の育成はまだまだで、このような交流会に参加し、自身のためになることで満足せず、職場に還元し、少しでも良いので組織全体に影響を与えられるようになりたい。
◆自分の仕事や組織に対するモヤモヤは、他の自治体の方も抱えていて、その課題に対して努力や工夫を重ねている方がいるということが知れて元気をもらった。風土改革についての取り組みも勉強になった。
◆肩書きも所属団体もばらばらの人達が2日も話をする機会は本当に貴重で、今回の会での学びをエネルギーにして、より良い役所づくりのために何かしていきたい。
◆真剣に悩み、本気で取り組んでいる方がいるとはびっくりした。庁内で情報発信を行い、参加希望者を増やしたいと思う。
◆悩みや思いを話す機会や、貴重な意見や事案について聞かせてもらい、同じ公務員同士、共感しあえることが本当に嬉しく、また、日ごろ知り合う機会のない、皆さんと知り合い、話ができたことは、自分にとって非常に大きな収穫でもあった。
◆楽しさと嫉妬の2日間だった。語り合いの楽しさは、この上なく、また濃密なオフサイトミーティングをしかけたい、そんな現場に参加したい気持ちになった。
◆自主勉強会などチャレンジを精力的に行っている方々の悩みや苦労の話には、大変だと思う一方で、羨ましい。元気とやる気のお土産をもらった。
◆各地で活躍されている多くの皆さんとの出会いは、今後の人生の財産になった。この経験を早く職場のメンバーにも伝えたい。自主勉強会の参考になるアイデアもたくさんもらい、滋賀県の『遺言シリーズ』はすぐにでも採り入れたい。次世代に伝えたい想いを持つ部長級の方に、学びたい若手の前で語る場はすばらしい!
◆全国からの志の熱い方々話を聞くだけでも勉強になった。同じような悩みを持っている方がいることにほっとし、うれしくなった、いろんな活動を前向きにしているのを聞き、感心した。日本もまだまだ行けるっと実感し、また参加したいと思う。それまでに自分の魅力を高められるよう、志をもって、日々過ごしていきたい。
◆昨年から始めた自主勉強会の運営に関するヒントを得たいとの思いで参加したが、みなさんの経験談や意見から、もう一度原点に立ち返って、コアメンバーで話し合う必要があると感じた。自分自身、「自主勉強会に参加してくれる職員のために、少しでも良い内容を提供しよう」という気持ちが強すぎたと感じている。今は、「職員間の交流」という目的をしっかり押さえつつ、世話人の負担を減らすため、場合によっては、内容のハードルを下げることがあってもいいと考えている。今は2か月に1回程度の開催だが、「自分から「やめた」と言わない限り、終わりは来ない」という言葉に励まされ、たとえ開催頻度が減ったとしても、あきらめずに続けていこうと思う。全国の自治体で、自分たちと同じようにチャレンジしている公務員がいること、みんな悩みながらもそれを乗り越えていることを知って、非常に勇気づけられた。お互いに良い影響を与え合いながら、共に成長していければ嬉しい。
◆年代も所属も多様な方たちがそれぞれの悩みや課題を抱えての参加。一歩を踏み出そうとしている、すでに飛び出しているけど・・・。やりとげた後の宴のような今、熱を持ち続ける困難さ、強烈な現場での役割、これからの自分をさがしていたりと、それぞれが「ジブンガタリ」。2日目は、これからを語る「ミライガタリ」。自然にお互いの課題にテンポよくヒントや体験談から「気づく」瞬間が生まれた。
◆話して何が変わるのか、目に見えて変わることはないかもしれないが、何かが変わっていく。
◆「何のために、するのか」思い出させてくれる場がここ。・・・組織風土ってかえられるんだろうか。また、もやもやしているが、語らい会うことで、パワーを充電できたように思う。次に会えたら・・・何を語ろうか。
◆今回の第一分科会はとても新鮮だった。純粋に仕事や職場の様々な問題に悩んでいる若い人と、それなりに経験(成功体験も)を積んだ中堅層が混じって、お互いに素直な思いやアドバイスがやりとりされ、共感も多く生まれていた。
参加者の話しのほとんどが「あーそれ、自分もあったな~」と思える、古くて新しい悩み。それが、いつの間にか自分にとってはそれほどの悩みではなくなっているが、それは、悩みを克服したからなのか、解決しょうとすることを諦めてしまったからなのか、慣れっこで問題として感じなくなってしまったからなのか、自分自身に問いかけてみる機会になった。
第2分科会では、組織や職場を元気にするための取組として、フォーマルな「仕組・制度」とインフォーマルな「自主グループ活動」の2点について、それぞれの自治体の現状比較をしたり、各個人の意見を聞き合いました。初日は、制度の詳細な設計やネーミング、自主グループ活動の具体的手法など、話題が細かいところまで広がりましたが、2日目の冒頭で「そもそも自主グループ活動は何のためなのか」「なぜ自分はこの交流会に出席しているのか」といったことまで一旦戻り、1日目の議論を踏まえた上で、再度じっくりと語り合うことができました。組織の課題に、仕事として関わる人も、インフォーマルな活動を通じて関わろうとする人も、人と人のつながりを通じて、現状を変えていこうとしている点は同じです。そうであるが故に、自分の「思い」のようには進まないことも多く、取組を継続していくこと自体にも様々な困難がつきものですが、2日間の語り合いを通じて、各々が、チャンレンジし続ける決意を新たにすることができました。また、取組の結果、お互いにどのような変化、成果があったかを報告しあうために再会を誓う声も多く寄せられ、この分科会が、より質の高い議論の場へとバージョンアップしながら、未来へつながっていく姿を共有することができました。参加したみなさんだけでなく、この世話人交流会のこれからにとっても、実り多き会であったと思います。
以下、印象的な言葉をご紹介します。
◆皆さん方のように問題意識を持ち、その問題を解決できるように頑張りたい。そのためにまず、この交流会で聞いた取り組み事例や考え方を職場へ伝え、同じような意識を持つ仲間を作っていきたいと思いました。
◆参加した動機の本音としては、課題に対してすぐに解決できる答えを求めて参加していましたが、やはりそんな簡単なものではないですね。ただ、継続して取り組む必要性は感じ、その継続していく心を支えるのがこの交流会だと思いました。
◆将来に向けて組織風土がとても大切というのはとても理解できました。自主勉強会の取り組みも、若手を腐らさない組織の風土を強くする仕組みとしてとても重要だと思いました。
◆今している活動が、すぐに改革や改善に結びつかなくても、続けることで必ずジワジワきいてくる、というお話を分科会で聴いて、すごく納得ができて、迷いが吹っ切れ、勇気づけられました。
◆「組織を元気にしよう!」という内発的な動機の高まりを1年間維持し、次回の交流会には「組織風土改革担当職員」としてではなく、「組織を良くしようと悩みながら行動している一公務員」として自発的に参加できればいいなと感じました。
◆まだまだ古くさい体制の我が社ですが、他を羨ましく思って、文句や愚痴を言うのでなく、自分ができることを見つけて、ちょっとでも働きやすい職場になるようにやっていきます。1年経って、また「こんなことやりました!」って言えるように頑張ります。
◆市民協働の「場」の力による改革を何か実現したいと思います。気軽に本気でお話できる場があれば、何か前に進むものが見つかると思います。ここに職員を巻き込みたい。地域版オフサイトミーティングが改革の要になるように思います。
◆悩み工夫しながらオフサイトミーティングを定着させてこられたということ、また、立ち上げ間もない団体では同じように課題もありながら進めようとされていることを情報共有でき、勇気づけられ、励まされました。
◆神戸まで来ないと、自分の尻を叩けないとは、情けない限りですが、みなさんから勇気と元気をいただいたおかげで、今年、自分のやりたいこと、やるべきことに取組む動機付けが高まりました。
◆自主グループの運営がついつい目的化してしまうこと。自主グループ活動についても、目的を見失わないように、常に仲間と議論しなくてはいけないということを再確認できました。
地方自治体の首長、副市長、行革担当部門長から、中央省庁の局長、課長までが、それぞれに取組みの中で試みていること、感じていること、思うことを分かち合いました。立場・肩書の中で何ができるか、また、そのことで自分自身がどうあればいいか、組織人として、個人として、相互の狭間で悩むことには、しみじみ共感できることが多くありました。
◆それぞれの想いで「いい職場」作りにがんばっておられるお話を伺い、「元気」と「気付き」をいただきました。私も交流会の翌月曜から、新たな気持ちで「ミッション・パッション・コミュニケーション」を大切にがんばっています。特に、職場の職員と「いい職場」を題材に、気楽にまじめなコミュニケーションの機会を増やしています。わが職場の職員は日頃はそんな想いを口に出しませんが、話してみると、いろいろ考えていたり、私と同じ想いを持っていてくれたりしてうれしくなります。「小さなことから始める勇気とそれを大河にする根気」を持って、より「いい職場」を目指し引き続き私流にやっていこうと思っています。
◆皆さんのお話を聞く中で、自分の考え、そしてやるべきこと、だんだんと整理されていく時間の流れが、すごく心地よく、と同時に、不思議な気分になりました。今回、参加された皆さんが、それぞれご自身の思いを実現することを祈りつつ、自分も、一歩一歩、歩みを止めず、前に進んでいければと思っています。次の機会には、皆さんにGOOD NEWSをお知らせできるように、がんばりたいと思います。
◆このような交流会のありがたさは、共感、気づき、エネルギー再充填でしょうか。
特に若手職員で、まだおずおずと少しずつ飛び出してきたような職員にとって、このような場で想いや行動を共にする同士の存在は何よりも心強いと思います。実際当市の職員も大変勇気づけられたと申しておりましたので、若手の活性化を進めたい当方としてもとても意義がありました。
私自身も、久々のこのような交流会で、想いを新たにしました。
気づきという面でも、経験豊富な先輩方のアドバイスをたくさんいただきました。最後は自分の頭と行動で解決していくしかないと思っていますが、いただいた視差はこれからの自分の行動に大なり小なりの影響があると思います。特に聴く力の話、重要さは理解しているつもりですが、できてないなあ、と反省。仕事でも、家でもです。
◆本当に刺激のあった二日間でした。 自分の立場では、自分の課しか取り組めない、変わらないのが、 首長や部局長クラスになれば、その気持ちを言葉にし、組織全体の風土を変えておられるお話を伺ってとてもうれしくなりました。 自ら取り組む経営幹部を待つだけではなく、何とか横に、あるいは、(人事異動を念頭に) 次代へ伝えていくアクションを起こしたい。そのように思いました。実は今、職場オフサイト(4月実施)から出てきた提案、 プレゼン実演研修(職員有志開催)が実施されていて、これを書きながらも時々こっそり!のぞきにいっています。一歩一歩でも、職員発の成功取組が増えていくよう支援しています。
◆参加者の皆さんの高い志、熱い想いを肌で感じることができ、久しぶりに充実した時間を過ごせ、大きな刺激を受けました。また、同じような立場で、同じように苦闘されている方々とお会いし、少し安心もしました。改革は一朝一夕では成し得ないことは明らかですが、さりとて行動を起こさないかぎり、何も変わらないわけですから、皆さんにいただいたエネルギーを改革エンジンの燃料にさせていただきます。
◆改革を日常的に、あたりまえにやっている、ごく普通に考えている、参加者の皆さんと話しをさせていただき、参加前のちょっと重たいイメージ(そんなに長くコミュニケーションできるのかな?)と全く違って非常に心地よい時間でした。そして会の先輩諸氏が初参加者を導き、後続の改革チャレジャーである後輩を共に支援しようとされる仲間的な風土を実感しました。それと世話人さん達が自分を成長させる為に敢えてご苦労されている前向きな姿に感動しました。
翌日、職場で担当に集まっていただき、原則論、たてまえ、現状改革への抵抗感が出てくるのが当たり前と事前に十分覚悟して、オフサイトMではありませんがとにかく本音トークをやってみました。せっかちな小生ですが、2日間の皆さまのとの経験から余裕をもって話し合いができたような気がします。感謝です・・・
◆自分の思いを言葉にすることによって、自分がどのようなことを感じて行動してきたのか、自分がなぜこの会に参加するにいたったのか、これから何をしようとしているのかを認識することができたことが一番の収穫でした。
◆参謀交流会では私の経験が少しでも参加者のみなさんのお役にたてればと思うことと同時に、時が移り場所が変わり、人が変われば行政組織の変わり方が変わるものとの認識で、いま自治体改革に取り組んでおられる部課長さん、副市町長さん方の新たな取り組み、新たな悩みをお聞かせいただきながら、ともに考えともに悩んでみたいと思い交流会に参加させていただいています。
また、少し欲張りになりますが、各自治体の若い職員さんたちがどういうふうに考え、どんな取り組みを始めているのかも知りたいと思っています。
この交流会はそういう意味で大変いい「場」になっています。
話を始める前は、直近の行政改革に関する問題意識を話す予定でした。しかし、参加者の顔ぶれを見回してみると、私が地域変革や行政改革の支援をしようと思うきっかけとなった阪神大震災で被災した時に、まだ小学生だったという人がいることに気づきました。また、私が行政組織を支援し始めた地方分権一括法の施行当時には、まだ入庁していなかったという人もいます。この会に初めて参加され、私のことをまだよく知らない人がいることもわかりました。
そこで、本に書いているような「何が課題か、いかに変えればいいのか」の方法論を語るよりも、私が「なぜ変えようと思い、行動し始めたのか」について語ることのほうが、ここでしか語れない秘話なのではないかと思うに至りました。なぜなら、この場は、いかに変えるのかの変え方を知識やスキルとして知るための場ではないからです。みずから変えたい、変わりたい、変えていこうとする思いをもって、主体的に行動していく「世話人」たちが交流する場です。私も当然その一人なのですから。
「何かを変える」ことは、本当に面倒なものです。今のまま放っておいたほうがラク。別に自分がやらなくてもいい。でも、そんな厄介をみずから背負い込むことだからこそ、自分の中に「変えたい」という純粋な思いを持っていることが出発点として欠かせません。そして、その思いを信じ、一緒に動き、支えてくれる仲間の存在がとても大切です。
ただし、自分と仲間、自分と自分を支えてくれる人とのつながりは、必ずしも自分が意図してできるものとは限らないということを、ここでお伝えしたいと思いました。
私が思いをもつきっかけは阪神大震災にありましたが、それを実現する行政との関わりは、私がつくったのではなく、14年前に三重県の総務局長をされていた居戸利明さんがスコラのオフィスに電話をかけ、訪れて来たことから始まっています。また、スコラの中でも当時は別の担当者がいて、彼女が産休に入らなければ、私は担当しなかったかもしれません。
また、三重県で風土改革の取組みをご一緒した小山巧さんが、次に南伊勢町長にならなければ、こうして町の職員の方々とも出会っていなかったと思います。
変革の動きは、必然と偶然が織り成してできているものです。働きかける人には意図があっても、それを受ける人には当初意図されていないことがあり、両者の間で見える景色は全く異なります。それぞれが「半分の糸」しか持たない中で、両方つながったときに「絆」ができます。「絆」のもとは、実は自分には見えないところで、知らないところでもっとたくさん生まれていることがあるのだと思います。
世話人には働きかける力も必要ですが、他からの働きかけを受け取る力も重要だということです。
三重県から始まり、今では多くの自治体との関わりができ、そのつながりから新著に書いた取組みや提言が生まれています。そして、この本からまた新しい出会いがあることを期待しています。
どんなつながりも、自分が外に出て、違う人と出会わなければ生まれてきません。ぜひ、自分とは違う「半分の糸」をもった人に出会い、新しい自分に出会うために、またこの交流会にお越しいただければと思います。そして、ご一緒に、さらなるチャレンジにつなげてまいりましょう。