Experience 体験記

「期待される役所へ」 広島県福山市(平成26年10月30日実施)

組織名 広島県福山市
実施日 平成26年10月30日
応募者 自主研究グループ「コアネットワーク研究会」 都市計画課 佐藤 展好
場所 福山市役所
テーマ どうすれば役所は変われるのか ~オフサイトミーティングによる組織風土改革~
構成 講演会90分
対象者 福山市役所職員有志80人

※敬称略

Q1.セミナーの申込み以前に、既に組織風土改革の取組みに着手していましたか

本市では、2010年度から、市長のリーダーシップのもと、既存施策をゼロベースで再検討、再構築、そして再始動する再(Re)という取組に着手しました。
この取組の基礎となる手法としてFA(ファンクショナルアプローチ)※1を採用し、2013年度から全職員約4,000人に研修を実施しています。 この手法は「誰のため」「何のため」という考え方のもと、物事の原点に立ちかえってワークショップ方式で施策を再構築するもので、現在、多くの職員が「誰のため」「何のため」を合言葉に業務の再構築に着手しています。
※1ファンクショナルアプローチ:これまでも建設部局で設計に係るVE(バァリューエンジニアリング)を進めてきましたが、VEを色々な施策に活用できるよう柔軟性を持たせたもので、ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役社長 横田尚哉(ひさや)氏の開発した課題解決手法です。

セミナーを申込み、開催するにあたって、どんな準備をされましたか

A1のFAは、組織横断的な課題を解決する手法であり、「誰のため」「何のため」を合言葉にすることはできても、FAで解決すべき組織横断的な課題を見つけることができていなこと、そして何より、変えたいと思う組織風土ができていないと感じていました。
そんなとき2014年1月に、柴田昌治氏著の「コアネットワーク~変革する哲学~」を読み、大きな共感を受け、課長5人で「これをやってみよう」と自主研究グループを立ち上げました。

しかし、実践経験の無い我々であるため、もっと事例が欲しいと本を探していて、元吉さんの著書「スコラ式風土改革 どうすれば役所は変われるのか」と出会いました。
早速FACEBOOKで元吉さんと友達になり、アドバイスを受けながら、職員を公募し「コアネットワーク研究会」という自主研究グループ※2を立ち上げ活動を続けてきました。

半年ほど経って、更なる進化がしたいと思い、元吉さんに相談したところ出張セミナーをしていただけることになりました。
我々のグループの一番のモットーは、管理職自らが改革の渦の中心になるということでしたので、セミナー開催の案内を管理職中心に配布していきました。
※2 福山市では,研修の一環として,有志職員による政策課題自主研究グループの立ち上げを支援しています。

出張セミナーは、どんな目的、方法、状況で開催されましたか

我々自主研究グループがオフサイトミーティングを実施していても、実績に裏打ちされたブランド力が無ければ参加者、賛同者の拡大は期待できません。
見よう見まねでオフサイトミーティングを実施してきましたが、更なる参加者、賛同者の拡大のためには、多くの自治体に対して組織風土改革をしてきた実績のある元吉さんのセミナーがどうしても必要ということで、オフサイトミーティングを始めて半年が経過した頃を見計らい講演会を開催することとしました。

管理職が自主研究グループを結成すること自体がセンセーショナルなことであり、我々の活動を知らない管理職はおらず、一般職員においてもかなりの周知が図られているものと思っていました。
その一方で,いきなりオフサイトミーティングに参加するのではなく、まず講演会に参加してみたいという要望もかなりあったので、対象は全職員、参加できやすい18:30以降を前提として元吉さんと調整を行いました。

前出の著書の内容の中で、職員が最も興味があると思われるもの(組織風土とは、他市の状況、オフサイトミーティングによる組織風土改革のやりかた等)を選び、90分という短い時間で講演をお願いすることとしました。

セミナー参加者の感想や反応は、いかがでしたか

セミナー開催決定から開催まで時間も無く積極的な周知が図れなかったにも関わらず、約80名の参加を得ました。なかでも局長や部長の参加が目立ったのはうれしかったです。
変えるための場の設定の大切さや、変えたいと思う人が集う大切さなど、新たな発見があったという感想が多々ありました。

セミナー後、何か変化はありましたか

12月24日に,3分間ではありますが、自主研究グループの活動報告をさせていただきました。
報告では、セミナーの開催のこと、組織風土改革におけるオフサイトミーティングの活用方法、管理職が渦の中心になって組織風土改革を進めていくことの重要性について説明をしましたが、一定の評価はされたものと思っています。

本を読んだ時と一連の体験を経た後では、組織風土改革やプロセスデザイン、改革を支援するプロセスデザイナーの存在などについて、とらえ方に違いはあります か

本を読むと、前向きに活動が進んでいくイメージが強く打ち出されていますが、実際にオフサイトミーティングに参加してくるのは、組織の中でリーダー的な人材ではなく、その影でがんばっている「変えたいと思うメンバー」が多いことです。そのため、集まるメンバーは大人しいタイプが多く、忌憚の無い意見がでるまでに時間がかかります。こうした意見を引き出し、ひとつにしていく専門のプロセスデザイナーの必要性を感じました。

スポンサーから一言

参加した局長のひとりからいただいた意見です。
「取組として、非常にいいところに着目していると感じた。また,こうした場をサポートしていく必要性を感じた」とのことでした。

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