公務員のネットワーク、交流会・セミナー
2014年 春の世話人交流会レポート
開催概略 | |
参加者が所属する団体 | 愛知県、綾瀬市(神奈川県)、各務原市(愛知県)、橿原市(奈良県)、春日井市(愛知県)、滋賀県、自学工房、静岡市、スコラ・コンサルト、精華町(京都府)、習志野市(千葉県)、日本政策投資銀行、廿日市市(広島県)、播磨町(兵庫県)、人吉市(熊本県)、三重県、南伊勢町(三重県)、美濃加茂市(岐阜県)(合計21人) |
開催日 | 2014年5月10日(土)~5月11日(日) |
会場 | ウインクあいち(名古屋) |
全体の流れ |
5月10日(土) |
今回の運営チーム | 菊池 学(愛知県)、上田 淳子(播磨町)、中西 大輔(滋賀県)、藤原 秀雄(三重県)、溝口 尚也(人吉市)、元吉 由紀子(スコラ・コンサルト) |
この交流会のあり方については、これまでの15年間をふり返りつつ、時代の変化に応じて、いかにあるべきか悩むところがありました。
そこで、運営チームでは4月26日~27日に 南伊勢町にてオフサイト合宿をして、現在の運営メンバーによる チームメイキングと運営の見直し検討をして臨みました。その努力の甲斐もあり、交流会は参加者一人ひとりの「ジブンガタリ」を大切に、お互いに自分と向き合うことができる場になっていたように思います。一皮むけた運営チームのみなさん、お疲れさまでした!
組織は人でできています。
組織風土を変えることは、単に仕組みを変えるだけ、コミュニ ケーションをよくするだけ、職員の意識を啓発するだけでは 成し得ません。 職員一人ひとりが何のために変わるのか、何をめざして変わろう とするのか、自分自身の働き方、暮らし方、生き方に遡って納得でき、自分ごととして自ら変わるチャレンジ行動をしていくことが原動力となります。
この交流会ではそんな原点にあたるそれぞれの人の「ジブンらしさ」を立場・肩書きをはずして語り、聴き合うところから、それぞれの人にとっての次の一歩について話し合うことを中心に、お互いがしっかり向き合える場の運営に立ち戻ってこれからも進めてまいります。
来年は、5月16日~17日に関西方面で開催を予定しています。
お仲間を連れて、また、リピーターどうしが相互に成長を刺激し合える定点(人)観測の機会として、ぜひご活用ください。
第1分科会のメンバーは、県や市の幹部職員や管理職ではありながら、過去から立場を超えて自らのフィールドで自らの信念に基づいて活動されてきた改革活動のいわゆるベテランぞろいという状況になりました。
1日目から2日目の前半にかけては、ベテランぞろいではありましたが、オフサイトミーティングの基本に戻ろうという掛け声のもとで、しっかり聴きあう「ジブンガタリ」にチャレンジしていただきました。途中、氷山モデルの確認も行い、風土改革とは何なのかという基本的な事項や人づくりのあり方、人材育成とは何かといった事項に関して、それぞれの信条をぶつけあう場面もあり、おだやかな中にも、緊張感のある語りあい、聴きあいが展開されていたと感じました。
2日目の後半には、「ミライガタリ」に入りましたが、それぞれの興味に沿って、最終的にみんなで話し合うこととなった話題は、今それぞれが自分自身でチャレンジしていることではなく、人づくり(人材育成)と自分のゴール(退職を見据えた今後の目的)というところに落ち着くこととなりました。 ジブンガタリからミライガタリへの流れの中で、今のそれぞれの場の変革チャレンジのためになるような悩みや課題を深掘りしていくギラギラした展開にできなかったことは、非常に残念に感じておりますが、それぞれの改革チャレンジの経験や信念から出される重みのある言葉で語られる、人づくりの話や組織に何を残していくかといった終わりのイメージの話は、私には新鮮で興味深いものでした。
ゴールイメージとしては、「世の中を変えたい」とチャレンジしつづけるという話をされた方もあり、私もチャレンジに終わりはないと自分の気持ちが引き締まる思いでした。 第1分科会メンバーが共通に興味のもてる2つの話題で盛り上がれたことで、分科会メンバーそれぞれにとって気持ちの良い時間となっていたように感じられたところが非常に良かったと思います。ありがとうございました。
個々のメンバーの気づきと学びは以下のとおりです。
●人を動かす工夫 人材育成から自育支援へ(上から目線から職員目線) 弱みを強みに 念ずれば叶う これらを自分なりに咀嚼し、実践し再会するときに良い報告をしたい。
●ジブンガタリで人に話すことで、自分自身が見えてくることを今回も実感しました。ミライガタリでは、自分が今目指しているゴールの先の次のゴールもぼんやりとですが、見えてきた気がします。出発点は常に「気づき」なのだなぁ!が一番の感想です。
●人にはそれぞれ人生物語があり、最終形として幸せな人生、心豊かな人生にどう自分がしていくのか?が大切だと再認識しました。結果それが人を幸せにし、社会が明るく地域が元気になることにつながればいいな!と思います。人が活きるには、どう自分がアプローチしていくか!
●他の方からの意見やアドバイスを聞き、自分のことを客観的に見ることができました。共感できる部分がかなりあり、今後も引き続き楽しく突き抜けたいと思います。今後は異動したことから自らがそのモデルになって情報発信ができればと思っています(これは仕事上取り組もうと思っていることです)。究極の目標としては、生まれてきた全ての人が生まれてきて良かったと思うことができる世の中にしたいと思っており、それに1ミリでも近づくように走り抜け、笑って死にたい!!
●「うらやましい」と思うことがたくさんありました。これは、自分自身の今後への動機づけになる話。少し迷いがなくなった。自分のためにがんばろうと思えたのが収穫です。
●今回はより一層聴かせていただきました(以前参加させて頂いた時と比べて)参加前と変わったところは、「しなやかにしたたかに」「自分らしく、がんばっていけばええやん」ってより強く思えました。今の取り組みにおいて、独りよがりにならないように自分なりのやり方で、みんなを巻き込んでいこうと思います。まずは、(「オフサイトミーティング」というかどうかは別にして)気軽にまじめに語り合う場づくりに着手したいと思います。
●国や地方公共団体が抱える超高齢社会や財政への対応、組織マネジメントなどの共通課題を自分の役所だけでなく、広く伝導することの意義。
●悩んでいることや考えていることに対して新しい気づきがありました。実際に行動し、目標に向かって1日1日前進していくこと、悩んでいることを人に話すことで、整理し、理解できたような気がします。 やりたいと願っていることを人に伝えて共有する。その時間を作る手法や考え方まで聞くことが出来た。その時間をつくるための時間を使っていきたいと思います。
●皆さんがいろんな取り組みをしているのをお聞きしてやりたいと思ったこと。 ①庁内勉強会で自分が出向した経験を語ること ②他市町との交流
●各地で仕事に対して真剣に取り組んでいる方々がいるのを再認識するとともにパワーをいただきました。庁内で学びの場を作る準備中だったので、その具体的方法など参考になりました。業務内外で学んだことを他の職員に伝えることができる場の存在は重要だと思いました。
●自分語りを行うことによって、過去の自分の仕事や思いの棚卸を行う事が出来た。 他の自治体の抱える課題や風土改革等、メンバーで共有することで、参考となる意見が聞けて良かった。 今回、聞いた内容を参考に行動を移したいと思います。*有志による勉強会の開催を秋までにやります!
●どこかで他者のせいにしている自分を発見。なりたい自分をメンバーの話を聴きながら想像を膨らませていました。 なりたい自分とは…そこを整理したい。一杯やりたい事があって夢見る夢子で終わってはだめだと思うから。なりたい自分の先はなりたい組織があるはずで、それを、自問しながら、具体的なイメージを持ちながら、日々積み上げたいと思います。
●部下とのコミュニケーションについて 仕事の教え方を変えることで、部下の仕事に対する考え方やモチベーションを変化させることができる。特に仕事を任せる時のアプローチ方法を工夫してよい職場をつくりたい。
第3分科会のメンバーは、国、市町村の幹部職員や管理職、行革担当者など、どちらかというとそれぞれのフィールドで立場や役割を背負いながら、制度や仕事のやり方などの「仕組」を変える改革に取り組んでいる方、役所の将来や改革の実行を担う中堅若手の人材育成に取り組んでおられる方などが中心でした。
1日目から2日目前半にかけては、各メンバーが肩衣を脱いで一人称で語り、互いにそれをじっくりと聴き合う「ジブンガタリ」にチャレンジしていただきました。今回は2日間開催であり、かつ、例年より幾分コンパクトな人数構成もあって、比較的ゆとりのある「ジブンガタリ」の場となりました。そのため、より深くお互いの人となりや取組の状況、課題や悩みを知りあうことができたように思います。特に、語る立場にあっては、ゆったりと安心感をもてる場の雰囲気の中で、ひるみも気負いもないニュートラルな気持ちで自己開示ができていたように感じました。
次いで、2日目後半の「ミライガタリ」にあっては、以上のような場の安心感もあってか様々な意見が出始め、「組織に横串を刺す、あるいは、役所全体を動かすためには、様々な聞き合う場が必要」であり、そのような場を通じて「仕組はつくるだけでなく同時に魂を入れることが大切」なのだという「気づき」をメンバーで共有することができました。また、「自組織でも中堅若手の話をもっと聞くようにしたい」、「部長や課長対象の戦略的オフサイトミーティングにチャレンジしたい」、「(取組において)これまでスローペースであったのでギアをシフトアップしよう」という声もあがり、それぞれが次のステップへ自ら踏み出すきっかけとなる分科会になったように思います。
さて、今回この交流会の運営や分科会の参加を通じて、得心できたことがひとつあります。それは、人が成長したり進化したりするには、役職等に関わりなく周囲と水平のフラットな関係が不可欠なのだという気づきであり、フラットになるにはジブンガタリのようにお互いが弱みを見せ合い内面を吐露することができる場が必要であるという実感です。言い換えれば、教え教えられるという上下の関係ではなくて、歩みの遅い早いの程度はあれ、同じ水平面を歩いているのだという感覚。その感覚をお互いに共有すること、共有できる場があることが人の成長には必要なのだという納得を得ることができました。
このようにふとした気づきと実感とが自分自身への納得へと深まり、とても深く濃密な時間を過ごすことができました。参加者のみなさんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
参加メンバーの気づきと学びコメントは、以下のとおりです。
●中堅の方の悩みが理解できた。自分の組織でもそういう立場の人の話をもっと聞くようにしたい。
●多くの共感と気づきが得られました。 特に若手職員の人材育成では機会の付与(きっかけ)、手を差し伸べる、背中を押してあげる。 管理職の人材育成はさらにできていないが、部長や課長を対象にした戦略的オフサイトミーティングなどにチャレンジしたい。
●・仕事の見える化ができる仕組みをつくる。
・組織に横串をさす仕組みを庁内で作り上げる。
・部員一人ひとりに真剣に向き合うことの大切さに気付いた。
→今後全員と面接を行う。
●役所全体を動かすためには、まず自分たちからだと再確認できた。 しくみを作ることと同時に魂を入れること、「現場起点」を忘れず取り組みたい。
●少し斜に構えていた自分がいます。 数年前までのハイスピード〝声を大"にする存在を抑えようと思うこともありまして、スローペースに徹するようにしていましたが、ローからセカンドあたりにギアをシフトします。
●①課長層の人材育成→『相互学習の場づくりとしての「仕組みづくり」』
②庁内ネットワーク活性化、多元化 部長会だけの情報共有でいいのか→一人だけ声を上げても無理なので、仲間を増やす。
●大いに刺激を受け、素晴らしい人脈、ネットワーク形成ができ、自らの職場に戻って、またガンバロウという元気をいただきました。
●楽しかったです。自分を見つめ直す機会を得たと思います。想像していた以上で話しやすい場でした。がんばる勇気、前に進む気づきを得たと感じます。
●多くのヒントや気づきをいただきありがたかった。
●全国で同じ悩みを持つ方々の話を聴くことが出来、改革に取り組む勇気がわいてきました。
●多様な人の多様な話を聴きながら一緒に体験したように感じます。そういう考えもあるんだと気づくことが大事だと改めて思います。
●明日への第一歩を踏み出すきっかけをもらえたように思います。
●庁内ネットワークの活性化、多元化、を「人材育成」の柱にしたいです。
●周りに宣言しちゃうということは大事なんだなぁと思いました。
●皆さんの考えや現在に至った経緯、これからの目標を聞くことができ、大体どのような方かということしか知らなかった方たちのことをよく知ることができ、同じような悩みや怒りを持ってみえたことなど知ることにより、より親近感を持つことができ感謝しています。
●今回のグループが年代も近いこともあり、共感すること学ぶことが多かった。
●全国から多くの方が参加されていたのが印象的でした。
●「気づきや学び」がやや抽象的でその場限りで終わってしまう可能性があると感じましたが、交流会終了後にも自分自身で継続的に「気づきや学び」を繰り返しながら成長していくキッカケとなるのが今回の交流会であろうと理解させていただきました。
●悩みは人それぞれですが、良い仕事をしたいと思う気持ちは参加者共通。次回交流会までには、自分のチームがどのように変貌したかを伝えられるように取り組みます。
●今回、メンバーに恵まれ自分を振り返るチャンスとなりました。定点観測の意味でもこの会は大切にしていきたいと思います。
●初めて年齢層の高いグループで共感することが多く、良いアドバイスがもらえた。
●2日目午前中のグループ替えは必要。2日間でもすべての人には話せないので、できるだけ工夫をこれからもしてほしい。
●やはり動かないと語り合わないと何も見えてこないし、「気づき」も生まれない。今回参加できなかった方々。次回はぜひ参加して楽しく自分を発見してください。
●小さいことから始める勇気とそれを大河にする根気でチョウチョをはばたかせていきましょう!