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滋賀県セミナー体験記

組織名 滋賀県
応募者 副知事 澤田史朗

※敬称略

セミナーの申込み以前に、既に組織風土改革の取組みに着手していましたか?

◆していた

 

 時代の変化や県民のニーズに対応して、県庁も変わる必要があります。県民の皆さんに「県庁は変わったな」と実感していただくためには、行政の制度面の改革だけでなく、職員各々の改革意識を高め、県庁の組織風土を改めるなど、県庁を内面からも改革していく必要があります。
 そのため、平成14年度より滋賀県職員の意識改革に向けた具体的行動指針である「滋賀県庁『五事を正す』」を具現化する取り組みとして県庁改革実践運動を展開しました。仕事の内容やその進め方などについて、職員自らが改革、改善に向けて提案し、実践してきました。その成果は、「OMI改革」として成果発表会を開催し、外部委員による審査を経て優秀事例の表彰も行いました。
 また、平成17年度には、尼崎市YAAるぞ運動の事例発表を中心として「OMI改革シンポジウム」を開催、さらには、平成18年度からは、業務について、改善や効率化の観点から提案を求め、改善につなげる「日々改善提案」を実施してきました。
 更に、平成19年度からは「県庁力最大化プロジェクト」を手がけてきました。

セミナーを申込み、開催するにあたって、どんな準備をされましたか?(著者との事前打ち合せなどを含め、準備にあたり考え、動き、気づかれたことなど)

 著者元吉さんと複数回にわたって打合せを行い、現状とそれに対する私自身の考え、方向性などについて整理を行いました。打ち合わせを進める中で、それまで漫然ととらえていたことが、徐々に整理されていきました。
 その上で「県庁力最大化プロジェクト」を強力に進めるには、まず、知事や副知事、各部局長等の、県の最高幹部が、県政経営の基本的な考え方や向かうべき方向についてしっかりと共通理解を持ち、一丸となって取り組んでいくことが最重要であると考え、今回のセミナーをお願いしました。
 あわせて、セミナーを一つのゲートとして、県庁全組織で取り組んでいる組織目標の内容、設定方法、協議などについて再検討を行いました。
 各部局での組織目標設定に先立ち、新年度早々(セミナー開催2週間前)にオフサイトミーティングを開催するとともに、その後、各部局における組織目標設定のプロセスとして、知事と部局長の意見交換の機会を設け、各部局の課題と取組の方向性について共通理解をしました。

出張セミナーは、どんな目的、方法、状況で開催されましたか?(対象者、人数、時間帯、対話会の有無、進め方、主な内容、参加者の思い、様子など)

 対象者は、県政経営会議のメンバー(知事、副知事、地域振興局および行政委員会、県警本部を含む部局長等)全員で22名。行楽にぴったりの穏やかな日曜日ではありましたが、昼食も元吉さんをまじえ、全員でとり、10:00~16:00のたっぷり6時間実施しました。
 セミナーはオフサイトミーティングの形で、私が進行役をつとめ、適宜元吉さんにサポートをいただきながら進めました。
 事前に全員に元吉さんの著書『スコラ式風土改革 どうすれば役所は変われるのか』を読んでくることとしており、まずは自己紹介を兼ねて本の感想とそれに関する自分の体験などを全員が語りました。
 それらの発言を踏まえて、それぞれのメンバーの役割は何か、一丸となって県政経営に取り組むにはどうすればいいのかなどについて、自然な流れの中で、忌憚のない意見交換ができ、とても有意義だったと思います。

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セミナー参加者の感想や反応は、いかがでしたか?

 当初は、今回のオフサイトミーティングの意義や目的が見えない、との意見もありましたが、終えてみて、年度当初に本音が語れる機会があったことはよかったというのが全体的な反応でした。
 また、がっちりとした結論を求めないオフサイトミーティングに、今ひとつしっくりこないといった感想もありました。しかし、「知事を中心に組織としてのベクトルをあわせて、県政経営を行うとの意識を再確認できた」「全体最適の視点での論議の大切さを実感できた」というのが大方の意見でした。その一方で、「お互い本音を言いあえる場としてはいささか人数が多すぎた」と言う声も多く聞かれました。
 そのほか、「職員を主役にするスポンサーシップの視点の大切さを感じた」「ハードの制度改革よりもむしろソフトの風土改革が必要と感じた」「生活者としての住民の視点と、職員の中からわき上がってくる動機づけ、という2つの要素を大切にしない改革というものはうまくいかない」「部局単位で、抱えている課題もしくは自由なテーマでオフサイトミーティングを実施すると大いに意義がある」「著書も先進事例を豊富に取り入れながらの実践的な内容で大変多くの気付きをいただいた」「元吉さんにも、タイムリーかつ適切なアドバイスでフォローしていただいた」「従来型とスポンサーシップ型の両方式をTPOにより使いこなすことが大切と感じた」などの感想や意見がありました。

セミナー後、何か変化はありましたか?(いつもと違う様子、ちょっとした会話、新たな気づきや動き、取組みなど)

 急に動きがあったとか、会議の流れが変わったということはありませんが、メンバーが県政経営に一丸となって取り組んでいこうという素地ができたように感じます。
 例えば、県政経営会議の場で、これまで以上に論議や情報共有を積極的にすることにより部分最適から全体最適を目指していこうという意識が高まったと思います。
 また、メンバーが職場に持ち帰って、元吉さんの著書や当日のレジュメを紹介したり、このセミナーでの気づきを各職場で共有するなど今回のセミナーが徐々にいかされているように思います。
 この後、メンバーをさらに拡大したオフサイトミーティングを予定しており、全庁へこの意識が拡大していけば、私たちが目指す「県庁力の最大化」へとつながるものと確信しています。
 今回セミナーを活用させていただきましたが、「県庁力最大化」の取組みの入口として効果があったと思います。しかしながら、その先の道のりはまだ始まったばかりです。今後に向けて、まだまだ困難はたくさんあるかとは思いますが、更に取組み続けていく努力が必要と考えています。

本を読んだ時と一連の体験を経た後では、組織風土改革やプロセスデザイン、改革を支援するプロセスデザイナーの存在などについて、とらえ方に違いはありますか。

 著書を読ませていただいた時、これまでのマニュアル本とは違い、先進事例を豊富に取り入れながらの実践的な内容で大変多くの「気付き」をいただいたと思いました。
 実際にセミナーを受けてみて、プロセスデザイナーの存在の大きさを実感しました。
 今回元吉さんには、答えを教えてもらうのではなく、真摯に発言をきく、問い返す、ということを繰り返すことにより、それぞれが自分の考えを整理し、「気づき」があり、方向が定まっていくという過程で、適切な助言をし、方向があっているという自信を与え、導いていただいたと思います。  

スポンサーから一言(思いや、応援メッセージなど)

(嘉田知事からのメッセージ)
 私は、これまで長い間フィールドワークに携わり、「現場主義」に徹してきました。それが今の仕事の大きな礎になっています。そして、県民の民意と県行政とが離れてはいないだろうか、と常に自問自答しながら、県政経営に取り組んでいます。そのような中で、今回、セミナー開催をお願いしました。
 事前に著書を読ませていただき、そしてまた、セミナー開催の前に1時間弱程度、元吉さんと直接お話する時間をいただきました。現場が大変よく見えておられ、集団としての意思形成の重要性を“プロセスデザイン”と名付けされ、私と思いも共通するところが多く、大変期待がもてると感じていました。
 そして、実際セミナーに参加させていただいたわけですが、期待以上のものでした。
 オフサイトミーティングの手法は、私がもっとも大切にしている「対話と共感」のプロセスそのものでした。更にあわせて元吉さんには、ポイントポイントで議論を整理し、更に意見を引き出し、そして高めていくことによって、より有意義なものになったと思います。
 このセミナーによって、新年度の県政経営を進めるにあたって、会議のメンバーが一丸となって取り組む素地ができ、とても良い場になったと思います。これからも滋賀県政の外からだからこそ見える課題、私たちが見えない部分の御指摘をお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。

今後スコラ・コンサルトや著者元吉由紀子に期待することや質問などはありますか。

 滋賀県もそうですが、組織の風土改革をどのように行ったらよいのか、悩める自治体は非常に多いと思います(おそらくほとんどの自治体がそうだと思います)。そのような中で、そのヒントとなる著書は非常に示唆に富むものでしたし、それ以上に、今回のセミナーは得るところが多かったと思います。
 それらによって全国の自治体の悩みが少しでも解決できれば、日本の地方自治にとって大きな力になり、ひいては日本がよくなるものと思います。なぜなら、日本は、「地方自治体」あっての「国」なのですから。

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