Experience 体験記

「期待される役所へ」 近畿自治研修協議会(平成24年10月実施)

組織名 近畿自治研修協議会
実施日 平成24年10月23日(火)
場所 滋賀県政策研修センター(大津市)
テーマ やりがいを育てる職場づくり
構成 講演90分+質疑応答(講演会に含む)
対象者 近畿の府県・市町の研修所・人事課等の人材育成担当 31名

※敬称略

どのような目的で依頼しましたか

近畿の府県・市町の人材育成担当者に対する講演であるため、人材育成に活かせる内容で講師を選定させていただきました。

事前準備、案内、会場設営等で配慮したことは何ですか

 

 

・事前準備: 事前に講師の本を購読するように連絡を行なった。
・案   内: 講師のプロフィールを記載した。
・会場設営: スクール形式で、両端をやや内側に向けて、講師と対話ができるようにした。
 

講演は、参加者にとっていかがでしたか。どのような気づきや感想がありましたか

 

【気づいたこと】
 
 「気づき」の多い講演を拝聴させていただき、誠にありがとうございました。仕組みばかりがバラバラで存在するのではなく、全体としてうまく連携することの重要性など、研修や人事評価担当として普段感じている事に対する的を射た指摘に、うなずくことが多かったです。ぜひもっと深く、ご教示いただきたいと思いました。

 
 講演内容につきましては、事前に紹介いただいておりました著書を拝読させていただいておりましたので、理解は非常に進みました。指摘されていらっしゃることはもっともな点ばかりであり、とりわけ仕組みを有機的に繋いでいくことの重要性を痛感した次第です。
取組を始めることが目的となり、実際にそれがワークしているかどうかの検証がなおざりになることが,往々にしてありがちで、本市においてもそうした傾向があることは否めず、意識を持って考えていくことが必要ですね。

 
 従来からの人材育成基本方針に対し疑問を持たずに受け入れていたが、何のための人材育成かと改めて問い直す機会となった。求められる職員像を「現実離れした理想像」に置くのではないことが分かった。

 
 現在、市では人材育成基本方針を改めて策定しています。合併後の市に求められる方針を創るためです。現在策定中のモヤモヤを少しでもスッキリしたいと思い、研修に参加しました。


■私のモヤモヤ①「策定の手法」
 
市のめざすべき姿、あるべき組織を基に、あるべき人材像を描くわけですが、トップダウンかボトムアップか、迷っていました。当初「自分たちの事は自分たちで考え決める」ことも必要だと考え、アンケートや意見交換を実施してきました。出てくる意見には、もちろん積極的なものもありましたが、目先の不満や、他人事的な意見も多く、職員自身が「自ら動く」という姿勢が少ないように感じていました。先生のお話を伺って、やはりトップダウンで、今の市の職員でなければできないこと、今の市の職員に求める姿を描きたいと思います。市長が、市職員に「こういう職員を求める!」と伝えることが必要なのだと感じました。

 
■私のモヤモヤ②「求められる職員像」
 
これをどう描くか、実はずっと悩んでいます。先生がおっしゃるとおり、市の仕事は多方面にわたるため、具体的な姿が描けず、具体的に何をしたらいいかがわからないスーパーマンになってしまうのです。「誰もが必ず備えておくべき基礎的な資質・能力を持つ職員像を描く」パターンを教えていただきましたが、まだ、モヤモヤしています。その職員像は、常にずっと求められるもので、どこの市でも似たり寄ったりの姿になりはしないかと・・・。私は今回の人材育成基本方針の求められる職員像では、それを見た職員が、「そうか、動き出そう!」と思ってほしいと思っています。今のままではダメ、変わらなきゃ、と思って欲しいのです。 ですので、今も、この「求められる職員像」はモヤモヤと考え中です。
 
 
■私のモヤモヤ③「人材を育てる組織環境」
キーマンは「所属長」とのお話があったかと思います。ホントにおっしゃるとおりだと思いました。所属長のパワーが弱ければ、その部下全ての1年間がムダになってしまいます。所属長の影響力は大きいです。市では、5年後10年後の管理職の育成をめざし、主査級・主幹級・副参事級の職員研修を積極的に行っています。ですので、所属長への積極的な投資はほとんどしていません。「今さら管理職には投資はしない」との考え方があるからです。管理職たるもの、自身を磨くことは当然のこと、という前提なのです。しかし、所属長は、目標管理制度、人事評価制度も進め、また、我が市はグループ制ですので、所属職員へ職務命令者としての役割も果たさなければなりません。さらにOJTとしての取組と成果も期待されるわけですから、所属長のマネジメント力は、組織パフォーマンスを高めるためにはキーポイントになることがはっきりわかりました。ここに重点を置かなければならないと感じました。
 
  研修担当は現場とつなぐ役割を担い、フットワークが軽くなければいけないと改めさせられました。
  自学に基づく人材の成長や組織が自ら目標を掲げて動いていく重要性については、漠然とわかっていたつもりですが、具体的な段階を登っていく中で、中長期的に継続して取り組むべきことを解説されたご著書を拝読し、わかったつもりでわかっていない自分に気づきました。また、同時にいくら優秀な人がたまたま居て、行政サービスの瞬間風速記録を更新しても、組織の継続的取り組みによる安定的なサービスにならなければ、ただのムラになるということも感じています。
誰が引き継いでも、更なる活動に繋いでいくことができる職場環境の整備こそが行政サービスの質を引き上げ、期待される役所に変わっていくことができるものなんだと、納得しました。先生のご著書と先日のご講義の双方を勉強できる機会があったことは、幸運であったと思います。


【感想】
 
受講者との対話を取入れて講演をしていただいたので、研修内容の理解が深まった。


オフサイトミーティングを用いての職場のコミュニケーション向上や風土改革について、具体例を交えての講義で重要性が理解できた。


・私は、自治大学校に派遣した職員から先生のことを聞いたり、また雑誌などの寄稿を拝見したりして、元吉様のご活躍に興味を持ち、今回の総会に出席させていただいきました。昨日の講演会では、限られた時間のため、抜粋された内容であったことが多少残念でしたが、それでも元吉様の熱い思いと、深い考察は十分感じられるものでした。


・今回は時間も限られており、総論的な内容でしたが、自治体のウィークポイントをズバッとつかれた印象を持ちました。研修担当として、「なるほどな~」と思えるところが多かったのには、先生が本質論を徹底されているからではないかと勝手に理解しております。トップ層には耳が痛い内容も多かったですが、立場論より本質論が大事だと思いますし、筋が通っていて非常に理解しやすかったです。有意義なお話を拝聴させていただきありがとうございました。


変革の担い手となるアセッサーは、すでに100名を優に超えていますし、その中には、管理職になっているものもいます。この活動も10年近く続いていますので、ほとんど職員全員が、改革に向けて行政経営品質的な意識をもって仕事をすることが、大切なことであると理解しています。ただ、理解しているのと納得しているのとは、違うと言うことが問題で、このあたりのマインドセットを変えるためには、先生のおっしゃる組織の風土を変えることが大切なのだろうなと思って聞かせていただきました。

 
・組織風土の活性化を図るうえで,個々の職員のモチベーションを上げることが課題ではありますが,そのためにも管理職層の意識の持ち方を変えていくことの必要性を感じています。そうした点で,お話のあったオフサイトミーティングは興味深いものでしたが、自組織に照らし合わせると組織規模が大きいため、形にしていくことの難しさも感じたところです。


・大変貴重なご講演を下さいまして誠にありがとうございます。また、添付いただきましたコラムは”なるほど”“そのとおり”とうなずくばかりです。当センターの職員体制は、市町村派遣職員が中心となっておりますので、その職員のモチベーションをいかに高め、やりがいを持って仕事に取り組むための環境整備(組織体制)が重要であると考えています。そういう意味においても非常に参考となりました。


・先日の講演会は時間がとても短く、また、講演のみの聴講者という立場で参加したため、少し遠慮をしてしまい、先生とお話をすることができませんでした。先生からお伺いしたいことはまだまだたくさんあります。本を読んでわかることはたくさんありますが、やはり、直接お出会いして、お話を伺うことで、理解できるスピードや深さが違うと思います。機会がありましたら、ぜひとも学びの場に参加し、より深めていきたいと思っています。先日は、たくさんのパワーをいただき、本当にありがとうございました。
 
 
・ご講義、とても興味深く拝聴いたしました。
特に印象に残ったのは、組織の氷山モデルの中で、水面下の「人と人の関わり方」、「組織の価値観」です。本市の場合、上記の2点がここ数年で変化の大きかった項目であり、特に、職員同士(上下、水平とも)が思いを共有する場がないことを大変危惧しております。企画・研修担当としては、嘆いてばかりではなく、人為的であっても積極的に「仕掛けて」思いを共有する場、エネルギーを結集する場を作り出し、新たな一歩を踏み出すのは今しかないと考えているところです。講義を拝聴して、その方向でいいよと背中を後押ししていただいたように感じました。
 

 

セミナー全体をふり返って、今後取り組もうと思うことや、「期待される役所へ」の活用、行政経営デザイナー元吉由紀子の印象、今後の活動、支援に期待することなど

 

 

・お写真では拝見していた先生に初めてお会いできました。「なんてキュートな方なんでしょう~」というのが、私の第一印象でした(失礼しました)。そして、ひとつひとつとても丁寧に前向きに取り組んでおられる姿勢を感じました。
 
 
・ 元吉講師は、受講者が理解しやすい話し方で、エネルギッシュに講義をしていただき好評でした。昨年度の講演会に比べて名刺交換も多くあり、今後、近畿の自治体での指導も増えると思います。

 
・本市では様々な階層別研修等を行っておりますが、今後また講師につきましてご相談させていただく機会があるかもしれません。その節は、何卒よろしくお願いいたします。

 
・ 「期待される役所」は、階層別研修の自己啓発用図書としたい。

 
・現在、来年度に向けた各種研修・セミナー等を企画している段階でございますので、その節は、どうかよろしくお願い申し上げます。なお、元吉先生の新著はたまたま別の職員が購入していたため、事前にそれを借りて読んでおりました。非常に参考となる内容なので、自分で購入し6回といわず7回は熟読したいと思います。

 
・ 風土改革をしていくターゲットとしては、部局長会議とか主管課長会議とか定期的に実施する会議になるのではないかと思います。

 
・オフサイトミーティングの良さを再認識できたので、多くの自治体で活用されると思います。

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今回は近畿の研修担当者、人材育成担当者に講演を聞いていただきました。それぞれ職場の活性化、モチベーションを高める取組みに知恵を絞られ工夫されておられます。今回の講演で学んだ様々な事項、気づきをもとに、更なる効果的な取組みが進められることを期待します。本県でも、人材育成部局や職場と連携して取り組んでいきます。(滋賀県政策研修センター所長  高橋 滝治郎)

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