Experience 体験記

「期待される役所へ」山梨県甲府市(平成24年9月実施)

組織名 山梨県甲府市
応募者 企画部企画財政室行政改革推進課
 林 勝
場所 甲府市役所 自治研修センター3階 大ホール
テーマ 「期待される役所へ」やりがいを育てる職場づくり
構成 講演会90分+質疑応答10分+対話会90分
対象者 課長補佐、係長 90名
(対話会参加者:企画部長、企画総室長、企画財政室長、財政課長、研修厚生 課長、行政改革推進課係長 6名)

※敬称略

どのような目的で依頼しましたか

押し寄せる行政改革の波に「やらされ感」をもち、各種ツールに振り回されて、疲弊している職員や職場の状況が見受けられることから、みんなで改善に取り組んでいく風土・体質にしていくとともに、やりがいを育てる職場づくりの手法を身につける。

事前準備、案内、会場設営等で配慮したことは何ですか

研修開催決定から当日までの期間が短く、著者元吉さんと綿密な打ち合わせができなかったが、参加者募集の際には、研修内容や趣旨を職員になるべく分かりやすく伝えた。

また、当日は講演前に少し早く昼食をとりながら、甲府市の風土や取組み状況について情報共有しておいた。研修では長机を使用せず、元吉講師を中心に扇形になるよう配置することにより講師と研修生が一体となるよう配慮した。

講演は、参加者にとっていかがでしたか。どのような気づきや感想がありましたか

【気づいたこと】
・上司がリーダーシップを発揮すれば部下は目標に向かって進むと思っていたが、部下の背中を押すスポンサーシップというやり方もあるのかと勉強になった。
・あらためて職場はコミュニケーションが大切だと感じた。
・忙しさのある職場は心の余裕がなく、人との会話がないので少しでも改革の芽をつくることが大事である。
・「頑張れ」ではなく「頑張ろう」という言葉が大切である。
・オフサイトミーティングの重要性。
・目標を持つこと、また大変な業務であっても一つになって活気がある職場で目標に向かうための道標は大切である。
・組織の氷山モデルの目に見えにくいソフト部分(風土・体質)こそ大事であり、変えていくことの重要性を感じた。

【感想】
スポンサーシップ、オフサイトミーティングなど聞きなれない解説や、「カマスの実験」「ゆでガエル」「氷山モデル」の例などは非常に印象に残りました。職員の今後の仕事上での糧となると思われる。
また、講師と職員が一体となり、アットホームな研修ができ、職員からも分かりやすく、よい研修だったという言葉が聞かれた。
スポンサーシップ、オフサイトミーティングの重要性は認識したが、手法等の検討・研究を行い、実際に実行に移していくことが重要である。
今回の講演は、課長補佐・係長を対象に参加したが、管理職のマネジメント、スポンサーシップこそが重要であるので、管理職対象の研修会も実施する意義を感じた。

 

対話会は、いかがでしたか。どのような気づきや感想がありましたか

【気づいたこと】
総合計画、事業評価、行政改革大綱、目標管理、人材育成基本方針など組織の氷山モデルの目に見えやすいハード部分については、個々の計画として策定し、個別に見ると進捗しているが、例えば目標設定などにおいて、各計画の目標やビジョンがダブったり、同じような記述をするものがある。
今後、目的と手段をはっきりさせ、住民自治に代表される役所以外の主体と関りながら地域経営の質を向上させていくマネジメントサイクルと団体自治に代表される市役所の内部(組織・職員)の質を向上させるマネジメントサイクルを結び付けていく必要があると感じた。

【感想】
今後、総合計画、事業評価、行政改革大綱、目標管理、人材育成基本方針などを策定していく過程において、「行政改革のムリ」を念頭に置きながら、個々の計画ではなく、全体像を見据えて策定していくことが重要であると感じた。
各種計画等はあっても、それらが個々として動き、仕組みが分断されているように思われる。しかしどの自治体でも同じような事象はあり、計画を策定するにあたっては、行政も市民・職員のことを考え、一生懸命に策定しているのである。
各種計画等が多い昨今、職員がやらされ感で報告、作成等をしていくことが危惧される。今後は、計画の全体像を捉え、この計画は何のために策定し、何と結びついているのかを職員に分かりやすくすることで、職員が意識し、共有しながらチーム市役所で行政改革に取り組んでいくことが大切である。行政改革推進課としても最大限のバックアップをして行きたいと考えている。

 

セミナー全体をふり返って、今後取り組もうと思うことや、「期待される役所へ」の活用、行政経営デザイナー元吉由紀子の印象、今後の活動、支援に期待することなど

 今年度は、来年度から3ヵ年の行政改革大綱を策定の年度であり、基本理念・基本姿勢・基本目標を示しながら、「一課一改革運動」を実施する予定です。やらされ感もあるとは思いますが、行政改革推進課も職場・職員のことを考え、汗をかき、一課一改革で少しでも改革改善の組織風土になればと思っています。
 次期行政改革大綱策定は、総合計画策定と同時期ですので、他の各種計画との関連性や整合性を図る中で、書籍「期待される役所へ」の内容を参考としていきたいと考えています。

 

スポンサーの感想、または、思い、応援メッセージ

 今回のセミナー開催にあたり、事前に著書「期待される役所へ」を読ませていただき、非常に読みやすく、理解しやすく、説得性のある著書であり感銘を受けました。また、事前に昼食をとりながら元吉さんと甲府の現状についてお話させていただき、あらためて元吉さんの自治体を取り巻く環境、自治体組織を意識する中での改革への熱心さを肌で感じました。
セミナーでは、日々現場で汗をかいて頑張っている係長職の皆さんに熱心に受講していただき、今後の行政改革を進めていく上での、チーム力・改革力の向上の参考となったと確信しております。また、管理職はスポンサーシップ・リーダーシップを発揮し、チームとして仕事の質を高め、職員にとっても働きがいのある職場づくりに努め、職場全体で改革改善を行うことが大切であることを改めて実感しました。
今後もセミナーで得た気づきを大切にしながら、チーム市役所で頑張ってまいります。

(企画部 企画財政室 室長  相良 治彦)

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